ゲンちゃん日記・令和3年7月「静かな園内に響き渡るシロテテナガザルの歌声」

最終更新日 2021年7月18日

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ゲンちゃん日記・令和3年7月「静かな園内に響き渡るシロテテナガザルの歌声」

シロテテナガザル

(高い所から歌声を披露するシロテテナガザル)

 6月21日、緊急事態宣言の解除を受け、旭山動物園も再開園となりました。無条件に喜べる状況ではありませんが、やはり動物たちを直接見ていただけるのはうれしいことです。動物と来園者がそろい、初めて動物園なのだと改めて思います。開園記念日の7月1日も来園者と共に迎えることができそうです。
 緊急事態宣言が発令され、1か月以上の休園期間でしたが、全てが止まっているわけではありません。シンリンオオカミやアフリカタテガミヤマアラシの死、イワトビペンギン・キングペンギンのふ化など、命の営みは続いています。昨年末に生まれたアミメキリンの子の愛称が「あさひ」に決まり、先日、命名式を行いました。あさひの背の高さ(頭頂高)は2m60センチメートルを超え、ぐんぐん成長しています。また、旭山動物園では約9年ぶりの大型施設となる「えぞひぐま館(仮称)」の建設も順調に進んでいます。
 来園者がいないと園内が静かなこともあって、休園中は毎日シロテテナガザルの歌うような鳴き声が響き渡っていました。SNSで「エゾハルゼミの鳴き声が…」などと音声入りの動画をアップすると、かなりの確率でシロテテナガザルの歌声も聞けるほどでした。鳴き声が響いて気持ちいいのか、普段より歌う頻度が高かったように思います。来園者が多い日は、園内放送の音が響かないと感じるときがあり、人の体には吸音材の効果があるのかなと思っていましたが、どうなのでしょう?
 この手紙を書いているのは再開園の前日夕方です。園内の売店の開園準備、看板類の点検、人止め柵の確認などを済ませ、明日に備えています。
 もしも次に休園することになったら、ぜひ、動物園をワクチン接種会場にお願いしたいと考えています。

令和3年7月18日

旭山動物園 園長 坂東 元