ゲンちゃん日記・令和3年6月「しっかりと動物に向き合い、可能性を追い続ける年に」

最終更新日 2021年6月15日

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ゲンちゃん日記・令和3年6月「しっかりと動物に向き合い、可能性を追い続ける年に」

キリン

(アミメキリンの子は元気に成長しています)

 5月、北海道に緊急事態宣言が発令され、旭山動物園も休園を余儀なくされました。この手紙が届く頃、旭山動物園は開園しているのでしょうか?多分無理だろうなという思いがよぎり、出るのはため息ばかりです。休園するのは簡単ですが、再開するのは大変です。私たちの雇用主は市民であり来園者ですから、行く場所を狭めるだけではなく、安全対策が行き届いた「行ける場所」を確保することも、私たちの責任ではないかと考えていたのですが…。今の状況が続くのであれば、次は夏休み以降に動けなくなると思われます。
 さて、現在の旭山動物園の様子は、来園者がいないこと以外何も変わらない毎日が続いています。2回目の開園準備期間と割り切って、4月の閉園期間にできなかったペンキ塗り作業や、自分たちでできる修繕作業などを行っています。穏やかな動物園からまちの方を見ると、田んぼに水が張られて田植えが始まっています。旭山ではエゾハルゼミが鳴き始めました。この時期は夕方になると、田んぼの水面が夕日に照らされてオレンジ色に染まり、アマガエルの鳴き声も響いてきます。不謹慎かもしれませんが、今は動物園も動物たちも我々スタッフのために存在しているように感じます。だからこそ、この時間を大切にしっかりと動物に向き合い、気力を充電して、再開した時に今まで以上に多くの「こと」を来園者に還元できるよう、過ごさなければと思っています。
 今年こそは、と温めていた企画も、実現に向けて準備を進めています。「こんな状況だから」と言い訳せず、可能性を追い続ける年にしたいですね。
 アミメキリンの子は、すくすくと成長しています。今度お目に掛かるときには「えっ、もうこんなに大きくなったの!」と驚かれるかもしれません。皆さんとの再会を切に願っています。

(注)臨時休園期間を5月17日(月曜日)から6月20日(日曜日)までに延長いたしました。

令和3年6月15日 

旭山動物園 園長 坂東 元