ゲンちゃん日記・令和2年8月「命と向き合い、充実した日々が続いています」

最終更新日 2020年8月14日

ページID 071487

印刷

ゲンちゃん日記・令和2年8月「命と向き合い、充実した日々が続いています」

ひな

(写真:先日ふ化したオオコノハズクのひな)

 ようやく夏らしくなってきたのですが、わくわく感やめりはりがないまま、月日が流れていきます。動物園では7月から平日のみもぐもぐタイムを再開し、少しずつ旭山らしさを取り戻す試みを始めています。カバとトラの子の名前を募集し、今回は紙でははなく、2次元コードを読み込んでもらいスマートフォンからの応募としました。このやり方が、これからのスタイルになるのかもしれません。どんな名前がつくのか、選考も含めて、とても楽しみです。

  えぞひぐま館(仮称)の工事もいよいよ始まりました。今までやってきた工事の中で最難関の工事です。園内の真ん中に位置するため、動線の確保と作業の制約、さらに地下に大きな岩盤があることが判明し、基礎工事に時間がかかりそうです。きりん舎を手掛けた事業者が請け負っており、入念な打ち合わせを重ね、様々な問題を共有し、解決しながらの工事になります。えぞひぐま館は、世界自然遺産の知床と連携し、旭山動物園のコンセプトを具体化した象徴的な施設になりますので、ぜひご期待ください。

 動物の飼育に関してはとても充実した日々が続いています。オオコノハズク、キンクロハジロ、ジェンツーペンギンのふ化、レッサーパンダの誕生…。人工育雛にせざるを得ない個体もいて、毎日真剣に命に向き合っています。

 オオコノハズクのひなは、親の愛らしさとはギャップがあり、妖怪映画に出演できそうな見た目ですが、目が開き灰色の綿羽が徐々に生え替わり、日に日に愛らしく変わっていきます。オオコノハズクは今年配属された新人が担当しています。ひなと接する姿を見ていると僕たちも動物たちに育てられてきたのだなと感じます。今年はいろんな意味で充電の一年になりそうです。

                                               令和2年8月14日 

旭山動物園 園長 坂東 元