ゲンちゃん日記・令和2年6月「ヒトと動物にとって、より良い環境づくりを」

最終更新日 2020年6月15日

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ゲンちゃん日記・令和2年6月
「ヒトと動物にとって、より良い環境づくりを」

イワン

(写真:とくしま動物園に旅立ったイワン)

新緑に覆われた気持ちのいい日々が続いています。開園に向け、来園者を迎え入れる準備に追われています。動物園は多くの人の雇用と、売店の経営を背負っています。本来の夏期開園であった4月29日からの閉園期間中は、色々なことを考えさせられました。とにかく無事にスタートを切れるよう、安心して来園してもらえる環境づくりに励んでいます。ベンチや手すりなどは、より入念にペンキ塗りをしたおかげで、自分たちでも驚くほど良く仕上がりました。手作り看板も見応えがあります。動物たちの暮らす環境も、例年に増してより良くなっています。

閉園期間が長くなり、動物園の役割は動物たちと来園者の気持ちを様々な視点でつなぐことなのだと改めて感じています。来園していただくことができないので、インスタグラムでのライブ配信にチャレンジしました。普段なかなか多くの方に聞いてもらうチャンスのない思いを伝えられたのではないかと、大きな手応えを感じています。映像は旭山動物園の公式SNSなどで見ることができるので、ぜひご覧いただければと思います。

今年生まれた動物たちは、見る見る成長して、たくましくなってきました。そんな中、ホッキョクグマのイワンが、徳島県の動物園に旅立ちました。ホッキョクグマを飼育している全国の園が協力して、繁殖を目指すプロジェクトの一環です。イワンは現在の「ほっきょくぐま館」ができたときからの主役でした。残念ながら旭山では繁殖に至りませんでした。春は動物の移動に適した季節です。本来なら皆さんともお別れの時間があるはずだったのですが、静かな旅立ちとなりました。

動物たちの日常は続いています。時間があるときに動物たちに会いに来ていただければと思います。

令和2年5月10日 

旭山動物園 園長 坂東 元