ゲンちゃん日記・令和元年11月「旭山動物園号の世界がオープン!」

最終更新日 2019年11月22日

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ゲンちゃん日記・令和元年11月「旭山動物園号の世界がオープン!」

旭山動物園号ひろば

(写真:旭山動物園号ひろば)

 秋も深まり、この手紙が届く頃には冬支度も整っていることでしょう。ここに来て冬季閉園期間中に行わなければいけない修繕工事もいくつか見つかり、打ち合わせなど慌ただしい日々が続いています。

 今年は例年になくアカトンボの数が少ない印象がありました。そういえばここ数年苦しめられているニレチュウレンジは姿を見せませんでした。クロスズメバチ(ジバチ)は異常に多く園内いたる所でオンコの実などに鈴なりに群がる姿が見られました。札幌圏や知床でのヒグマのニュースも話題になりましたね。旭川でももう一歩で同じようなニュースになりかねないヒグマの出没は続きました。来年が心配です。

 ユキヒョウの子は2ヶ月目3ヶ月目のワクチン接種も終わり順調に成長しています。時に親子でじゃれ合い、時に母は子の様子を離れた場所からそっと見守っています。ブルーの瞳も少しずつ黄色みがかってきました。アムールトラのペアの同居も約3年ぶりに始めました。どちらも冬期開園の主役たちです。振り返るとアミメキリンの永友の事故死がありました。この手紙での報告をしていませんでした。事故が起きるということは原因があり、原因がわかるとなぜ気づけなかったのか、防止できなかったのかということになります。成長を「見守る」ことの意味を痛切に再確認することとなりました。ありきたりな言い方かもしれませんが永友の死を次に誕生する命に生かすこと、それが今の我々にできるすべてです。

 最後になりますが、冬期開園後まもなくクラウドファンドで具体化できたJR旭山動物園号の世界のオープンがあります。イベントホールの一階にオープンします。応援してくださった皆様の期待にそえるものになったか一抹の不安もありますが精一杯頑張りました。心が温まるほっと一息できる時間を提供できる空間になったと自負しています。是非足を運んでみてください。長い冬、旭川が一番自慢できる冬が始まります。

旭山動物園 園長 坂東 元