ゲンちゃん日記・令和元年6月「今この季節の、動物の姿を見て!」

最終更新日 2019年6月21日

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ゲンちゃん日記・令和元年6月「今この季節の、動物の姿を見て!」

エゾタヌキ

(写真:エゾタヌキ)

 52年目の夏期開園が始まり、長ーい10連休も無事終わりました。ととりの村の池の改修工事から2シーズン展示ができていなかったフラミンゴですが、今シーズンからフラミンゴ舎としてオープンしました。これで旭山動物園としては、すべての展示施設がオープンしている状態となりました。さらにはエゾタヌキ舎、エゾクロテン・ホンドテンの施設、ニワトリ・アヒル舎も新たに建設しました。「なんか地味じゃない?」と感じられるかもしれませんが、より中身の充実した動物園を目指しこつこつと積み重ねていこうと考えています。ちなみに今年度中にエゾユキウサギ、キタキツネ舎、来年度はエゾヒグマ館(仮称)を建設する予定です。身近な動物たちをテーマに充実を図ります。残念ながら今後ますます他人事ではなくなるであろう環境問題、ヒトと野生動物との軋轢、これらの問題を解決するヒントを提示できるような飼育展示を目指します。

 先日知床を訪れ、とある沼地でエゾタヌキに出会いました。食べ物を探しながらのんびりと沼辺を歩き回るタヌキを一時間近く観察できました。案内してくれた知床財団の方が、そういえばタヌキをこんなに長い時間見続けたのは初めてだと感動していました。動物園では誰もが気軽に同じような体験ができるのです。

 さて話は変わりますが、ゴールデンウィークには多くの来園者が訪れます。せっかくだから動物たちの生き生きとした姿、私たちが自慢したい動物たちの素晴らしい行動を観ていただきたいと思っています。旭山のぺんぎん館とあざらし館では水中での美しい姿がすっかり有名になりました。でもこの時期、ペンギンたちは繁殖期です。産卵が始まり水中に入る時間がとても少なくなります。あざらし館ではゴマフアザラシの一年に一度の換毛期になります。この期間は陸上で過ごす時間が長くなり水中で活動する時間が短くなります。結果としてぺんぎん館の水中トンネル、あざらし館のマリンウェイいつまで見ていても誰もいない…なんてことも起きてしまいます。この時期はペンギンたちの命をつなぐ姿、アザラシの黄土色の古い毛に覆われたエビフライのような姿をぜひ見てください!ということになります。

 それにしても晴天が続いています。昨年のような豪雨や長雨が続かない夏になればいいのですが…。

旭山動物園 園長 坂東 元