ゲンちゃん日記・特別編「旭山動物園開園50周年を迎えて」

最終更新日 2017年4月30日

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ゲンちゃん日記・特別編「旭山動物園開園50周年を迎えて」 

 開園50周年を迎えて

(正門にある手書き看板・坂東園長の開園50周年メッセージ原文。クリックすると拡大します。)

 旭山動物園 開園50周年を迎えて

 旭川市旭山動物園は、1967年7月1日に日本最北の動物園として開園致しました。「旭川の子供たちが世界中の動物と出会える場所をつくりたい」という多くの市民の情熱が実を結んだ瞬間でした。以来その情熱を受け継ぎながら一日一日を積み重ね、さまざまな困難を乗り越え50年という節目を迎えることができました。
 旭山動物園は、動物の「ありのままの姿」をとおして自然を知り、動物をとおして命を感じ、動物をとおして人間を知り、私たち人間の生き方を考える場で在り続けます。
 旭山動物園の願いは、来園される皆様の心に、身近に生きる生きものたち、海の向こうの生きものたち、地球上のすべての生きものたちに思いを巡らせる気持ちが芽生えること、彼らの生き方を尊重し、大切に見守ることができる心を育てること、です。
 50周年の記念ロゴには「オオカミ」のシルエットをデザインしました。日本で初めて人の手により絶滅させた「エゾオオカミ」、二度とこのようなことが起こらないようにとの願いを込めました。
 残念ながら、現代は恐竜の大量大絶滅期に次ぐ大量絶滅期に入ったとも言われています。人類の急激な自然環境破壊が大量絶滅期に入ったとされる大きな原因になっています。地球上の歴史の中で、ある特定の動物種の生き方が大量絶滅を起こしたことはありません。
 私たちヒトの生き方がすべての中心で、価値の基準ではありません。タヌキが「なんでパンダに産まれてこなかったんだ(T_T)」と思い悩み生きているわけではありません。皆それぞれが尊いのです。その尊さを大切にすることが、地球を守り、人類を守る唯一の道なのだと思います。
 旭山動物園の動物たちは今日も淡々と日々を積み重ねています。その淡々とした毎日の尊さを私たちは伝え続けていきます。


旭山動物園 園長 坂東 元