ゲンちゃん日記・平成29年1月「開園50周年と、ヒトと動物の暮らし」

最終更新日 2017年1月23日

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ゲンちゃん日記・平成29年1月「開園50周年と、ヒトと動物の暮らし」 

 ポーリッシュ

 (写真:こども牧場のポーリッシュ)

 気づけば新年です。旭山動物園は今年の7月1日に50回目の開園記念日を迎えます。
 50年前、僕の記憶では白黒テレビがあって、一日数時間の放送で楽しみはウルトラQ、みんなの歌を見ること、円盤形の時計がそのまま写っていて、ピッピッピッピーンと音が鳴り9時になると絶対に布団に入らなければ行けなかったことを覚えています。 30年ほど前、寄生虫の研究をしていた大学院の学生の時代にパソコンなる物が導入されました。「何じゃこりゃ」と驚きました。当時はフロッピーディスクにデータを保存していましたが容量はたったの1メガバイト程、今なら写真一枚も保存できませんね。
 そして今、僕たちは50年前には想像もできなかった生活をしています。豊かさと共に幸せになったのでしょうか?
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 さて、さる山のリフォーム工事がほぼ完了しました。動物たちは便利さや豊かさを得るために環境を作り替えたりしません。今暮らしている環境の中で、必然的に発現する自分の持っている能力や感覚を使い淡々と生活します。本来の自然の中でも不自然な飼育下の環境の中でも、です。飼育下だと、安全と食べることを保障しているため発現する能力や感性はごく一部となりがちです。今回のリフォームはニホンザルが本来持つ能力や感性を一つでも多く発現させてあげよう、がコンセプトです。よりその動物らしく振る舞えることが、観ている人にも感動を呼ぶのだと思います。リフォームの結果はいかに…。
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 そういえば今年は酉年です。昨年からの鳥インフルエンザの発生で出鼻をくじかれてしまった感がありますね。恐れていた動物園での発生も大森山、東山と続きました。動物園はヒトの生活圏にある自然、野生、環境を知る玄関口。その玄関が開いていることで自然からヒトの生活圏にウイルスが侵入するルートになる可能性も生じると言う、何とも言いようのない一面があるのも事実です。ただ漠然と野鳥を恐れるのではなく客観的な事実にもとずいて冷静に対処することも動物園だからこそ必要なことなのだと考えています。

 今年の冬まつりは旭山動物園開園50周年を祝うものになります。動物たちのメイン雪像が登場します。ゴールデンウィークからの夏期開園からはさまざまなイベントも考えています。