旭山動物園のドラマが放送されます。
ドラマの展開は基本的には事実を基にしているのですが、
そこはまぁドラマなのできっと感動の場面が用意されていることでしょう。
でしょう、と書いてしまいましたが実は僕は製作発表に行って来ました。
ですが、ドラマとして見ていなくて、「この場面は本当はこうだった」とか
「この動物は旭山にはいない」なんてところばかり気になって、
あれよあれよで試写会は終わってしまったのでした。
マルミミゾウのナナが写っている場面が多く、とても切ない気分になり、
あらためてその存在の大きさを実感しました。
ゾウとキリンは子供たちにとって、生き物に興味を持つ玄関口みたいな、
とても大きな存在だと思うので、ナナの死は残念でなりません。
奇跡の動物園、カリスマ的な人気動物がいなくてもたくさんの人を魅了できる。
本当は、旭山動物園が凄いのではなくて動物たちが凄いのです。
ドラマが放送されることにまだ実感がわきません。
いつの間にか本当に全国区の動物園になったんだな、と感じています。
ドラマに出演された俳優の方々、スタッフの方々、
皆さんとても真剣に旭山を理解しようとしてくださり、
何回も何回も事実や考え方、せりふの良し悪しなどの確認をとっていただきました。
「こんなに時間をかけるのか!」と驚きました。
動物園も映像も「伝える」という点では目的が一致しています。
「伝える」ための努力、真剣な取り組みがあって初めて人の心をつかめるのかもしれません。
ドラマの真剣勝負の撮影現場を見ていて、小手先だけではいけないんだと、
改めて自らに言い聞かせていました。
ドラマになる、入園者が日本一になる、有名になることがゴールではありません。
ドラマを製作された方々もそんなことは望んでいないと思います。
これからも前を向いて走り続けること、
ドラマを作ってもらえたことを励みにして先に進みたいと思います。