早いものですね。
動物園も初冠雪を迎えました。
冬は冬らしくあって欲しいですね。
年末を迎え、来年に向けての施設の設計が大詰めを迎えています。
現在のキリンやカバがいる総合動物舎を建て替える大型草食獣館、
職員手作りの檻が並ぶ北海道産動物コーナー、
やはり老朽化が激しいため立て替えを計画しています。
現在の総合動物舎は昭和42年のオープンからある最後の獣舎です。
寝室は飼育頭数分つまりキリン、カバ共に2部屋づつしかありません。
繁殖をしても子を長く飼育することはできないために、
他の動物園に出すしかありませんでした。
次の世代を継ぐ子を飼育できなかったのです。
新しくするのであれば最低3部屋は必要です。
なんせそれだけでも建物が大きくなります。
つまり予算とのにらめっこです。
この財政難の中でのギリギリを目指し
それでも過去最高額の予算が必要になる焦り、
さらに旧遊園地跡地での建築を予定しているので、
冬期間はペンギンの散歩を待つ来園者のための
暖を取れる休憩所も必要だと考えていました。
いつの間にか、さまざまな要素のすべてを
どう納めるかを考えるようになっていました。
何かしっくりこない、もやもやとした思いが募っていました。
旭山らしさって何だ?原点に立ち返って図面とにらめっこしました。
思いっきりの良さ、常識をベースにしない、だったとふと我に返りました。
たくさんの方にご迷惑をかけながら設計は進んでいます。
振り返ることなく前を向いて進み新たな年を迎えたいと思います。
観光客がたくさん訪れるようになり、
地元の方の足が遠ざかり数年が経ちます。
地元の方もお客さんが来たから連れて行く場所になり、
昔のように自分たちのために行く機会が
少なくなったのではないでしょうか?
冬期閉園をしていた頃、市民からおたくら冬は失業保険もらってるのかい?
と心配されました。
今では冬こそ旭山になりました。
旭川に根を下ろした動物園でありたい。ずっとそう思っています。
仲間を誘って、ぜひ自分たちのために動物園に足を運んでいただけたらと
今回の企画を実現しました。
日ごろの感謝を込めて、旭山動物園からのささやかなお年玉です。