ヒョウ(黒変種)「パック」の訃報

最終更新日 2017年10月5日

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ヒョウ(黒変種)「パック」の訃報

 

クロヒョウのパック
ヒョウ(黒変種)の「パック」(2017年春)

 2017年10月4日にヒョウ(黒変種)の「パック」が死亡しました。

 「パック」は1998年1月14日、愛媛県立とべ動物園生まれのオスのヒョウ(黒変種)で、同年9月24日に旭山動物園に来園し、もうじゅう館で飼育展示していました。

 ネコ科としては高齢となり、冬期や気温の低い日などは屋外に出たがらないことも増えていましたが、元気食欲はありパックの調子に合わせての飼育を行っていたところ、昨年の冬から体調の低下が見られていました。以下、経過になります

*2017年3月 

 目やに・鼻汁を認め、細菌感染を疑い抗生物質投薬。

*2017年5月10日 

 症状変わらないため、麻酔下で検査。左頬・顎の皮下に腫瘤を確認し、病理検査により良性の腫瘍と診断。元気食欲はあることと、高齢個体であること、病変の位置から切除が難しいことから判断し、手術による切除は行わず経過を観察することとする。

*2017年8月 

 元気食欲は変わらずあるが、腫瘤の拡大を認めたためステロイド薬の投薬を開始するが、病変に変化無し。

*2017年9月22日

 食欲廃絶・元気低下。麻酔下で検査を行い、腫瘍の拡大を確認。左上顎の歯根部が壊死しており、歯の動揺による痛みが食欲低下の原因と考え、上顎臼歯の抜去を行う。

*2017年9月23日~

 麻酔翌日以降も食欲回復せず。鎮痛剤の吹き矢による投与を行うが改善はなく、10月4日の朝に死亡を確認。

 

 解剖の結果、頬の腫瘍は直径6cmに拡大しており、周囲の骨の融解・壊死・化膿が認められました。その他の臓器への転移および加齢による病変はなく、頬病変部からの細菌感染による敗血症と診断しました。