第80回開催内容
第80回は、「旭川市の総合計画」をテーマとして、新豊岡・豊岡・愛宕・啓明・東光・東光南・東豊中央・東部東光・千代田地区にお住まいの方を始めとする市民等の皆さんと懇談しました。
38人の方が参加し、これからのまちづくりや地域の課題などについて意見交換を行いました。
日時など
日時
平成26年6月30日(月曜日) 午後6時30分から午後8時10分まで
場所
旭川市東部住民センター 2階 大集会室
(旭川市東光5条2丁目)
出席者
- 旭川市長 西川将人
- 市民等(38人)
対話の内容
市長あいさつ
市長から「旭川市の総合計画」及び「旭川市まちづくり基本条例」についての説明
意見交換
- 除排雪などについて
- 総合計画などについて
- 広報活動について
- 市職員の教育について
- 図書館の休館日について
- 市職員の住宅手当について
- 人材育成について
- 市民参加について
- 地域での子育て支援について
- 再生可能エネルギーについて
- 不法看板について
(出席者の意見と市長のコメントについて、まとめたものを掲載します。)
(補足)この対話集会では、スライドを使用した場面もあり、文章として分かりづらい部分もあります。
市長あいさつ
本日はお疲れのところ、まちづくり対話集会に御参加いただきまして誠にありがとうございます。
これまで豊岡・東光地域では、平成19年と平成21年の2回、対話集会を開催させていただき、本日が3回目となります。本日は他の地域からお越しいただいている方もいらっしゃることと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
本日のテーマは「旭川市の総合計画」ということで、皆様方からいろいろな御意見を頂きたいと思っています。現在の第7次総合計画は、10年間の計画で平成27年度に終了します。そのため、今年度と来年度の2か年で平成28年度以降の総合計画を策定するに当たり、このような対話集会や市民検討会議等で様々な意見を頂いているところです。本日は、次期総合計画についてのたくさんの御意見を頂ければと思っておりますが、それとは別に、いろいろな地域の課題等もそれぞれ皆様お持ちかと思いますので、是非この機会にお話していただければと思っております。
まず、旭川のまちについて少しお話しさせていただきます。皆様も御承知のように、自然豊かなまちでありながら、北海道第2の都市であり、医療機関や福祉機関、教育機関などの都市機能も北海道の中では充実している都市です。近年は、旭山動物園を始めとする観光地に多くの皆様にお越しをいただいており、旭川空港を利用して台湾やシンガポール、香港、韓国などからも旭川に来ていただいています。また、旭川は、以前に比べて集中豪雨が増えてきているという傾向はありますけれども、地震を含めて災害の少ないまちでもあります。
課題としては、東京を中心とする大都市圏から離れているということで、経済活動の面では不利な部分もあります。人口減少や少子高齢化も、社会問題として直面しております。人口減少については、これから真剣に考えていかなければいけない課題であり、旭川だけでなく、これは日本全国の課題となっていますが、子供を産み育てやすい環境、子育て支援政策、地域での雇用の確保などの対策が大変重要であると考えております。地域の人口が減るということは市の税収も減っていきますし、まちの活力がなくなっていくということでは大変深刻な課題です。次期総合計画の中でも、人口減少に関わる対策は大きな柱の1つとして取組を進めていく必要性を認識しているところです。
また、地域の基幹産業である農業ですが、米を始めとして安全でおいしい農産物が採れております。これまでは、この農産物にどのように付加価値を付けていくかということが課題でありましたが、6次産業化を進めるなど付加価値を付けていくことが、地域の活性化のためには必要なことだと思っています。また、中心市街地の活性化、企業誘致などもこれから更に進め、雇用の確保にも努めていきたいと思います。
次に、地域の活動についてですが、近年、町内会活動などでも役員の担い手がいないなど、地域のいろいろな活動が停滞している状況があります。地域の力はまちの大きな柱ですので、地域力の向上に向けた取組を今後もしっかり実施していかなければいけないと思っております。豊岡・東光地域でも、町内会や消防団、商工会などいろいろな団体の皆様が、地域まちづくり協議会でいろいろと意見交換をしていただきながら、地域の課題解決などに取り組んでいただいています。
豊岡地域では、現在、東部まちづくりセンターという複合施設を建設中でありまして、ここには市の職員も常駐する予定です。支所までの機能は当面持たないのですが、簡単な行政手続はできるようにしたいと思っています。豊岡・東光地域は人口が増えてきていますが、支所がありませんので、何とかこの地域に行政サービスなどの拠点を作りたいということで、市長就任以来検討してきたところです。平成27年の春に消防署の出張所、地域包括支援センターも併設をして、複合施設がオープンする予定になっております。
また、旭川は医療や福祉が充実している地域で、人口10万人当たりの医師の数は、北海道では一番多くなっています。このようなこともしっかりとPRをしながら、安心、安全なまちをこれからもつくっていきたいと思っています。
旭川の現状等についてお話をさせていただきました。この後はスライドを使って、総合計画などについてお話をさせていただきたいと思っております。
市長から「旭川市の総合計画」及び「旭川市まちづくり基本条例」についての説明
市長が説明に使用した資料(PDF形式)を御覧になれます。
(市長)
(資料1ページ)
現在の総合計画について、先ほど申し上げましたように平成27年度で計画期間が終わりますので、平成28年度以降の計画の策定作業を進めています。できるだけ多くの市民の皆様の御意見を頂き、次期総合計画の中に反映をしていきたいと思っています。
(資料2ページ)
まちづくりについて、皆様と考えてみたいと思います。市長に就任して以降、まちづくりのいろいろな現場で活躍されている方々のお話をこれまでお聞きしてまいりました。実際にまちづくりに取り組んでいる方々は、自分自身がまちづくりに参加しているという意識を必ずしも持っていません。例えば歩道にある花壇の整備やごみ拾い、あるいは地域の子供たちの登下校の見守りなど、身近なところでいろいろな活動に参加をしていただいております。それら一つ一つが大変重要なまちづくりの活動になっています。
(資料3ページ)
まちづくりは難しいものではなく、関心のある方を1人でも多く増やして、多くの皆様に協力をしていただきながら一緒になってまちを良くしていきたい、そんな気持ちを持っていただくところから、まちづくりがスタートをしていくのではないかと感じています。
(資料4ページ)
まちづくりについてですが、地域のことは地域に住んでいる方が一番良く分かっています。地域の皆様が日頃から思っていることを、いろいろな活動につなげていただくことが大変重要だと考えております。平成22年からは、地域まちづくり推進協議会を立ち上げまして、この豊岡・東光地域であれば、橋脚の落書きを地域の皆様が一緒になって消していこうという取組なども、その活動の中でしていただいたところです。地域を良くしていきたいという思いを実現できるような環境作りを、もっともっと進めていくことが必要だと思っています。
(資料5ページ)
グラフを見ていただきたいのですが、これは国立社会保障・人口問題研究所が出した2040年の旭川の人口推計です。これから26年後には、現在の35万人から10万人くらい人口が減少するという推計が出ています。一方で、高齢化が今後更に進行し、労働人口も減少していきます。
26年後には高齢化率が40パーセントを超えるというような推計が出ていますので、その対策が大変重要になってきます。このようになることは、実は10年以上も前から分かっており、国や自治体もいろいろな対策をしているのですが、この流れを止めることができずに経過しているという状況です。これは、経済や雇用などにももちろん影響しますし、一方で、お年寄りが増えているということは、いろいろな部分で地域の安心や安全、医療、福祉の充実、このようなことを今まで以上にしっかりと対応していかなければなりません。人口減少の動きを緩和していくための様々な施策を、同時に実施していかなければいけないと思っています。
次期総合計画でも少子高齢化対策が大変重要になってきますし、このような状況でどのようにまちづくりを進めていくかということもありまして、4月からまちづくりの基本となるまちづくり基本条例を施行しています。
(資料6ページ)
このまちづくり基本条例は、市民の皆様やあるいは市がまちづくりを進めていく上で共有をしておかなければならないことや、まちづくりの考え方、市民参加などのまちづくりの仕組みなどをルールとして定めています。
(資料7ページ)
大きく4つの基本理念を記載していますが、キーワードは「ひと」、「地域」、「まち」、「広域」で、上から下に向かってだんだん範囲が広くなっていきます。人が生き生きと活躍をして、地域で支え合いながら、まちの活力の向上を目指し、そして北北海道の拠点都市、北海道第2の都市としての役割を発揮していくことが、旭川のまちづくりに必要不可欠ということを理念として定めています。全国でもこのような条例を制定している自治体はたくさんありますけれども、旭川らしさということでは、今申し上げた北北海道の拠点都市としていろいろな役割を担っていくことが、大変重要だと思っています。旭川がしっかりしていかなければ、道北地域も活性化しません。また、道北地域が良くなっていけば旭川も良くなっていきます。お互い大変重要なパートナーであるということを意識して地域づくりを行っていかなければいけないと思っています。
(資料8ページ)
この4つの理念に基づいてまちづくりを行い、活力に満ちた安心できるまちを実現していくというのがこの条例の目的であり、これを具体的に進めていくのが総合計画です。総合計画を実現していくことにより条例の理念を実現していく、そのような視点でもこれから策定作業を進めていきたいと思います。
(資料9ページ)
市にはいろいろな計画がありますけれども、総合計画は市の計画の根本、又は土台になる計画であり、一番上位の計画です。
(資料10ページ)
次期総合計画はこれから2か年掛けて策定していくわけですが、できるだけ多くの市民の皆様の意見を反映していきたいと思っています。現在、市役所でも若手の職員を中心としてワーキンググループを作り、議論も進めているところです。また、地域の大学の関係の皆様や各団体の皆様、あるいは公募の方で構成する市民検討会議でも検討をしていただいているところです。また、このような対話集会や地域まちづくり推進協議会での意見も頂きながら策定していきたいと思っています。
(資料11ページ)
ここでは、豊岡・東光地域の特徴について、人口や世帯数、高齢化率等を記載しています。この地域は人口の密集した地域でありますし、また新しい住宅街も郊外に形成されていまして、子育て世代の若い方が比較的多い地域になっていると思います。
また、先ほど申し上げた複合施設である東部まちづくりセンターも、来年の春にオープンをする予定になっています。
(資料12ページ)
83パーセント以上の方が地域への愛着を持っており、ここに住み続けたいと思う方が多い地域でもあります。この地域の皆様の思いをどのようにして地域づくりに生かしていくかということが、これからも大切になってきます。
(資料13ページ)
この後は皆様と意見交換したいと思いますので、御意見、御提案等を頂ければと思っています。簡単ですけれども冒頭のあいさつに代えさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いします。
意見交換
1.除排雪などについて
(参加者A)
私が大いに感じている問題点と対策ということで、一つ目の問題点は、冬の除雪体制が悪いことです。それと、旭川は北海道の真ん中にありながら、地方からの旭川空港への直行便が少ないこと。旭川の道路は斜め車線とか私道路、行き止まり、駅から国道40号に行くにも分かりづらいなど複雑です。このようなことから、除雪等にも問題点が出てきます。旭川は病院などは多くなっていますけれども、除雪の関係で救急車や火事の現場に消防車が行けないという問題があります。このようなこともありますで、簡単にはいかないと思いますが、長期計画で道路を改善していかなければならないと思います。
(市長)
航空便や除雪については、大変重要な課題だと思っています。1年の約半分を雪の中で暮らすわけですから、少しでも快適にその期間を過ごせるように、しっかりとした除雪体制を作っていかなければいけませんので、今後も重要課題として取り組みたいと思っています。
(参加者B)
先に意見のありました除雪について、少しお話ししたいと思います。私も町内会長をしていますので、市の協議会等に参加して除雪についていろいろ意見を言っています。旭川市では除雪体制について何回か考え方を見直しているのですが、除雪が悪いといろいろ言われているのは、行政に問題があると思います。除雪作業を競争入札で業者が請け負うときに、人件費も大きいと思いますが重機が高価ですので、大きい会社でなければ難しいと思います。今後は重機などは市の負担として人件費だけで競争入札するということも考えていけば、少しは良くなるのかと思います。10年前は大きい道路はとてもきれいで、なぜきれいなのかというと、1条から5条まで流雪溝がきっちり通っていて、当時、商店も閉店するところもないし世代も若いせいか、流雪溝にきれいに入れていました。最近では、市内の中心には流雪溝があるのですが、雪が山になっていてせっかくの2車線の道路も狭く、バスもスムーズに走れない状態で、1月にはひどい渋滞になります。せっかくある流雪溝があまり活用されていません。今後は住宅街でも融雪できるようなモデル地域を作るなど、住宅街の除雪を地域で賄えるようなことができないかと思っています。
(市長)
除雪については、重機などを運転する方々の高齢化が進んできていることが課題となっています。近年、公共事業が少なくなってきていることによって、何らかの影響が出ているのかもしれません。ただ、除雪体制を崩すことはできませんので、しっかりとした対応をしていかなければ、冬の安心な生活を確保できないと思っています。流雪溝の活用も含めて、真剣に考えていかなければいけないと思っています。
(参加者D)
ごみ問題について私に何ができるかといえば、散歩のついでにごみを拾うぐらいしかできないのですが、その行動を通じて考えていることをお話しします。東光地域の東光スポーツ公園や防災センターなど立派な施設を造っていただいて、地域の宝物として大変有り難く思っているところです。ですが、その施設に通じる公道、それから防災センターの周辺にごみが不法投棄されています。これは、市と地域も協力しながら対策方法を考えていかなければならないと思うのですが、簡易毛布やテレビ等も公道に捨てられています。このような公共の場でマナーを守っていかないと、親のまねを子供がするというような悪循環があるのではないかと思われます。それと、東光スポーツ公園の周辺が雪堆積場になっていまして、春になるとたくさんのごみが散乱しています。今はやっと雪が溶けて、ごみもなくなってはきていますけれども、5月、6月中はたくさんのごみが散乱している状態です。地域と市でお互いに知恵を出しながら対策はしていかなければならないことだと思いますけれども、市ではどのような対策をしているのかについて聞かせてほしいです。
(市長)
雪が溶けた後は、全市でごみの問題はあると思います。雪堆積場周辺でも、ごみは大きな問題です。市でも、ごみの不法投棄対策についていろいろな取組を実施していますが、もっと力を入れていかなければいけないと思っています。一方、散乱したごみや冬期間まいたスリップ止めの砂も道路維持業務の中で一緒に回収をしていますが、更にいろいろな取組を進めていかなければいけないと思っています。
(参加者L)
除雪についてですが、皆は大変我慢をしています。今年は以前に比べて除雪の回数が少ないから除雪費が余ったのではないかと噂をしているのですが、除雪費の収支を発表してほしいと思います。
2.総合計画などについて
(参加者A)
先ほど市長さんが言われたように、天災のない恵まれているまちなのに人口が減少しているのは何が原因なのか、近隣の町はどんどん人口が増えています。
その対策として、先ほどまちづくりは10年と言いましたけれども、100年計画ということで、過去、現在、未来と一貫性を持った構想が必要ではないかと思います。富岡製糸場が世界遺産に選ばれたのは、10年や20年ではなくて、本当に長い年月の中から湧いてくると思うのです。そのような長期計画が必要ではないかということです。
(市長)
人口減少の問題、先を見据えた計画については、重要な課題だと思っています。
(参加者C)
人が減っていく、そしてお金もない、どこの地方も同じですが、お金がないのに公共事業をする、そして人手がいないことによりメンテナンスができずあちこちで事故が起きる、旭川もそうなのではないかと思っています。広報誌の4月号に市の収支決算が出ますが、あれを見ただけでは旭川の状況がよく分かりません。まず、旭川の借金がどれくらいあるのか知りたいということと、それをどのくらいの期間で返す見込みがあるのか、そして先ほども話がありました公共事業ですが、私はあまり意味がないと思っています。アベノミクスも失敗だと思っていますし、一時的なものですので旭川も人がどんどんいなくなっている上、生活保護は増えています。市長や市役所任せにはしたくないのですが、新しい政策をするときには、何が得られて何を失うかをはっきりとリーダーシップをとって市民に示していかないと、旭川も財政再建団体のようになると思います。旭川に限らず、地方の過疎化している地域は大変です。専門家の意見も必要ですけれども、市長の責任で何を大切にして何を失うのかをはっきりと示していけば、市民が付いていくと思います。
(市長)
現在の市の借金は、一般会計でいうと1,860億円ぐらいで、市民1人当たり50数万円くらいになります。私が市長になってから、少しずつですけれども借金を減らしてきています。ただ、1,000億円以上ある借金ですので、全て返すということは難しく、金融機関に対して利息も含め分割で支払っているという状況です。国や北海道も借金がありますので、全部併せると国民1人当たり相当な借金を持って、この国は運営されている状況であります。旭川が財政破綻してしまうということは何としても避けなければいけませんし、今後いろいろなところで取捨選択が必要になってくると思っています。市内に張り巡らされている上下水道、道路、橋など、これらは、昭和20年代から整備をされてきたものですので、これから大規模な改修時期に入っていきます。これら全てを今までと同じレベルで維持していくことができるかどうかということを、これから財政状況を見ながら検討していくことが当然必要になってきます。
(参加者F)
先ほど人口減少の話がありましたが、近隣町や道南の都市でも人口が増えている所があります。旭川も人口を増やすためにどのようなことをしたら良いかというと、一つの例として旭山動物園があります。以前は低迷していましたが、いろいろな努力をして外国からも人が来るようになりました。旭山動物園の運営方法をまねしている所も多くありますので、他都市の良い部分をまねしていくのも方法だと思います。
(市長)
人口についてはいろいろな原因がありますので、分析をしながら対策をしていかなければならないと思います。
(参加者G)
市からたくさんのデータを先ほど見せていただきました。これから旭川はどのようなまちを目指していくか、そのために私たちはどのような手立てができるか。人口が減少するということは、若い女性がいなくなり子供も減るということです。逆に人が多くなればもっと問題が出てくると思いますが、人がいなくなれば都市が機能しなくなります。今の旭川市は世帯数が非常に多く増加傾向なのですが、世帯の人数が2人もいない状態です。高齢になると除雪することも難しくなり、自分1人では暮らせない状況になってきます。これからは若い人を大事にして、雇用できるようにしてあげてほしいと思います。最後ですが、地域の魅力を地域がもっと市に訴えてほしいと思います。
(市長)
地元雇用の創出や子供を増やしていくということは大変重要な課題ですので、しっかりと対応していかなければならないと思っています。
(参加者J)
本日のテーマが「旭川市の総合計画」ということなのですが、まちづくり基本条例第3条の4号に「地理的特性や都市機能等をいかすとともに、他の機関との連携や相互の補完により、拠点性の向上に取り組むこと。」とあります。今日のテーマを踏まえた上で、地理的特性と四季を生かして今後旭川市を発展させるような事業や機能などについて聞かせてください。
(市長)
北北海道の中で旭川は人口が35万人弱で、他の市町村は多くて数万人でほとんどが数千人という規模です。旭川市はこれまでもいろいろな自治体と連携を進めてきており、例えばごみの焼却場や下水道、し尿処理施設の共有、火葬場などがあります。これからは旭川も財政状況など厳しいと思いますが、他のまちはもっと厳しくなっていくと思います。病院や学校がなくなるということが既に起こっていますので、私どもはそのような自治体ともっと連携をしながら、公共施設などはおのおのが整備するのではなく一緒に活用していくことも必要です。一方、旭川にないものもたくさんありますので、そのようなところは他の自治体のものを活用させていただいて、このようなことを今まで以上に積極的に進めていかなければならないと思います。経済の面ではもちろんですけれども、それ以外の公共施設の利用や公共サービスなども北北海道の拠点都市としての責任を自覚をして、共存共栄することができるよう考えていかなければならないと思います。
(参加者L)
今の総合計画に私は関わっていたのですが、次の総合計画では旭川市の特色のうち、これはというものを特化して作っていだきたいと常々思っています。例えば観光でもエネルギーでも良いと思いますので、そのような計画にしていただきたいと思います。今は、北の文化のかおるまちということで取り組んでいますけれども、皆は歌や踊りなど一生懸命文化的なことは実施しているのです。ただ、それを生かす場所がありません。市もお金がありませんので、これからはなんでも手作りでするという方向にするべきだと思います。私は借金を次の若い世代とこれからの世代に押しつけて死ぬというのが本当に心苦しいです。自分たちが今まで得たもの以上のものを使ってきて多額の借金を作ったわけですから、何とか解決しないと若い人に気の毒でどうにもならないです。何でもお金を掛けるのではなく、昔のことを少し思い出して手作りするなど、お金が掛からない方法を考えることが必要です。今言われている地産地消は大変いいことだと思います。先ほども話がありましたが、エネルギーも地産地消すれば燃料費も少なくなりますし、地方も潤ってくると思います。
それから、中心市街地ということがいつも言われていますが、大都市だけが繁栄して一極集中することは地方都市が困ることと同じように、旭川市の中でも同じことが起きていると思います。中心市街地に一生懸命になって、周辺の商店街が寂れてしまったら困ります。皆さん年を取りますので、買物難民、交通難民が出てきます。このような難民を作らないようにすることも総合計画に入れていただきたいと思います。身近なもので自分たちの手の届くもの、皆で力を合わせて手作りができるもの、そのようなものを大切にして、人に頼むとお金が掛かりますので私たちの老人パワーも使ってほしいと思います。
3.広報活動について
(参加者E)
市の広報について、市の環境部などのいろいろな部局からの依頼を受け、市民委員会を通して町内会で配布しています。それはいいのですが、そのほかにいろいろな行政機関、例えば防犯協会や除雪センターなどの広報活動のチラシを市民委員会を通して配布してくださいということで、ばらばらに依頼がきます。このように、配ればいいという行政の在り方がおかしいのであって、行政として配らなければならない配布物は、例えば月の1日から10日までの間に市民委員会に必ず通すということをしなければ、年中通して次々に依頼されるので市民委員会も町内会も困っている状態です。広報の文書は、毎月1日から10日ぐらいまでにできるだけ集約して届けるということを考えていかないと、ただでさえ、町内会長や班長をするくらいだったら町内会を脱退するという感じになっています。配布物が集約されれば、市民委員会も町内会も行政の広報活動がきちんとできるような体制になるのではないかと思います。
もう1点ですが、地域で実施するがん検診の申込文書が分かりづらく、特に高齢者は大変だと思います。私も町内会長や総務をしていましたので、会員の皆様が分かるような文書を改めてわざわざ作って、それを添付して、いつまでにきちんと申し込みしてください、それを班長に集約してくださいというようにしていました。文章に工夫が足りないというか分かりづらく、高齢者にとってとても不親切だと感じています。
行政として年間どのくらいの配布物があり、どのように集約したら良いのかということを、総合的に検討してもらいたいと思います。
(市長)
町内会の回覧物が多いというのは、いろいろなところで聞いています。これまでも、市が発行する文書はまとめるという工夫をしてはいますが、もう少し検討していかなければいけないと思います。市以外の、例えば社会福祉協議会や地域の小学校などの回覧物も町内会長さんや班長さんのところにきていると思いますが、私も町内会の役員や班長をしていたこともありますので、大変な仕事だという実感は持っています。なるべく、町内会の負担にならないように検討していく必要があると思います。
(参加者E)
例えば毎月1日から10日の間までに、市民委員会又は町内会に配布するようなことができればいいと思います。また、町内会で役員が説明に困るような文章は、行政として工夫していただきたいと思います。
(市長)
文書の配布方法は、もう少し工夫の余地があると思います。文書の内容も、高齢の方にも分かりやすくするのは、大切なことだと思います。
4.市職員の教育について
(参加者F)
年金の手続をするために市役所で書類を頂き旧社会保険庁に行ったのですが、書類が足りないと言われ手続ができませんでした。市役所の職員は旭川市の顔ですので、もう少し知識を習得した方が良いと思います。対応する職員によって二度手間になることもありますし、長時間待たせてもお待たせしましたと言う職員も少ないです。接遇など職員教育をしてほしいと思います。
(市長)
職員の対応で御迷惑をお掛けしたことは、私も真摯に受け止めてお詫びを申し上げます。窓口の対応についてしっかりと教育をしていかなければいけないと思います。また、年金の関係では国とも連携しながら情報交換をしていくということが大切だと思います。
5.図書館の休館日について
(参加者F)
図書館は月曜日が休館日ですが、月曜日を休みにする理由があるのでしょうか。職員が交代で休みを取れば休館にしなくても良いと思います。
(市長)
図書館は、市民サービス向上の視点で今後の課題として取り組んでいきたいと思います。
6.市職員の住宅手当について
(参加者F)
市職員の住宅手当が5,000円から8,000円にアップしたと思いますが、民間の企業では手当がほとんどないと思います。持家に出している住宅手当を子育て支援に使った方が、有効なお金の使い方だと思います。
(市長)
住宅手当は、全国的な他都市の事例も参考にしながら、市民の皆様に誤解を受けることのないよう対応していかなければいけないと思っています。
7.人材育成について
(参加者H)
人口が減少することによる労働人口の減少や高齢化などの話が先ほどあり、少し細かい話になりますが、まちづくり基本条例の第14条の4項に、市は人材育成を進めなければいけないということが規定されています。若者を対象に人材育成をしないと、高齢化や人口減少への対策が難しいと思っています。市は人材育成をどのようにしようとしているのか教えてください。
(市長)
地域活動を担っていただいている方が年々高齢化してきています。それは、多くの町内会などで役員の担い手がなかなかいないという状況があり、70歳、80歳になっても町内会長を交代できないということが増えています。やはり50代や40代、もっと若い世代の方に、どのようにして関心を持ってもらうかが大切なことだと思います。今までと同じやり方では難しいと思いますが、若い世代に町内会やボランティア活動などに参加してもらえるように知恵を絞っていかなければならないと思っています。このような対話集会などで、若い方から直接お話を聞くというのも重要なことだと思っています。
(参加者L)
人材育成には公民館の利用が有効だと思います。公民館に集う人は町内会でも活動できますし役員もできます。公民館の予算は縮減しないで、これからもっと活性化していただければ有り難いと思います。
8.市民参加について
(参加者H)
大型スーパーマーケットでアルバイトしていまして、お客様からの質問や意見の中にはふざけたようなものもあるのですが、全て店長さんたちが真摯に受け答えをしています。有名になった生協の白石さんの話もありますけれども、そのような質問などにも真摯に受け答えをしていくことによって、だんだんと良い意見が出てきたり若者が参加してきたりするという話もありますので、市長への手紙のようなものを増やしても良いと思います。
(市長)
このような集会にも若い方が参加してもらえるよう工夫していかなければならないですし、別な機会に意見を頂くようなことも検討しなければならないと思っています。市長への手紙などを出していただければ私も読ませていただきますので、何か気が付いたことがあれば気軽に御意見などを寄せていただきたいと思います。
(参加者I)
今子育てをしていますが、先ほど少子化をどのようにしたら止められるのかという話がありました。それには子育てをしている当事者の声をしっかり聞くことが大事だと思います。もちろん、そのような取組はしていると思いますが、今までと違うやり方で対策をしていくことも必要だと思います。この集会にも若い人が全然来ていません。それは知らないのか興味がないのかいろいろな理由があると思いますが、やはり足を運んでもらい意見を言ってもらうためには、私たちのような若い世代にも分かりやすく情報を提供していく必要があります。先ほど広報の話もありましたが、若い人たちの中には広報誌を見ない方が現実にいると思います。一方、スマートフォンで旭川市役所のホームページを見るととても見にくい状況もありますので、もっと若い世代や生活者の視点で作ってほしいと思います。
9.地域での子育て支援について
(参加者I)
豊岡地区の公園にはほとんど子供がいません。子育てをしている世帯は少なくないと思いますが、一方でフィール旭川にあるもりもりパークはたくさんの子供たちが来ています。もりもりパークが悪いわけではありませんが、住んでいる地域で子供たちが遊ぶ姿が見られなくなってきたのではないかと思います。ここに参加している世代の方々は、あまり遊具もない中で、自分たちで遊びを作ったり土いじりなどをしながら遊んでいたと思います。その方々から見れば、私たちや私たちの子供の遊び方は貧弱に見えるのではないかと思います。子供たちが地域の中で自由に遊べるような取組もしていただきたいと思います。子供たちがどんどん中心部に行くことにより、地域で子供たちが育たない、若い世代が必要だと言われていながら特定の場所に集まっている、このような状況が本当に子供たちにとって良いのかという評価がなされていないのだと思います。中心部に大きな施設ができることによって、もしかしたら地域を壊してしまうこともあると思います。今後はいろいろな施設を評価して、その結果を施設運営などに反映してほしいと思います。
(市長)
地域で子供が育っていくということは、地域を守っていく上で大変重要なことだと思います。子供の遊び方もずいぶん変わりました。これは私ども親の世代も含め地域も変化してきていることが一つの要因だと思います。外で遊ばなくなると子供の体力も弱ってきますし、健康的な暮らしもできなくなると思いますので、今後もしっかりと対応していかなければならないと思います。
(参加者L)
公園ですが、今は滑り台駄目、ブランコ駄目、鉄棒駄目みたいになっていますけれども、私が住み始めた頃は宅地造成をしていまして、全然整備されていない公園がありました。その草っ原には、子供たちがきゃーきゃー言いながらいつも虫取り網を持って集まっていましたけれども、整備されて立派になったら子供たちも来なくなったのです。このようなこともありますので、これからは発想の転換が必要だと思います。
10.再生可能エネルギーについて
(参加者K)
今すぐということではありませんが、10年、20年後の地域活性化についてレポートを二つ見つけましたので報告したいと思います。森を生かすということでスウェーデンのヴェクショー市の取組が今年の4月10日から3日間連続で新聞の記事に出ていました。スウェーデンは森林の割合が69パーセントで先進国では日本と並び2位で、特に木質のバイオマスによるエネルギーの地産地消が有名だということでです。通常廃棄される間伐材やおがくずを近隣の森から持ってきて、暖房などに活用しているということです。1996年に化石燃料使用ゼロを宣言して、2030年を目標に電力、熱、燃料を木質バイオマスを中心とする自前の再生エネルギーで確保するということです。そのことで経済も人口も伸び、21世紀は環境が地域経済を支えるということで取り組んでいるようです。
もう1点は、今年の3月に市民活動交流センターCoCoDe(ココデ)で講演会がありまして、ドイツで仕事をされている方の報告がありました。ソーラーシステムを個人で設置するととてもお金が掛かりますが、市で統括して各家庭に配布し、安い費用で設置してもらうという取組をしているということで素晴らしいと思いました。長野県の上田市に家族で行ってきたのですが、ソーラーシステムを使ってまち興しをしているのを見まして、長い目で見て成果を得ることも考えていいのではないかと思います。
(市長)
木質バイオマスや太陽光、地熱など再生可能エネルギーの活用は、今後も進めていかなければならないと思っています。これから豊岡に建設する東部まちづくりセンターは、地中熱を活用して冷暖房するシステムを取り入れるよう設計しているところです。旭川では、雪ももっと活用できると思います。
11.不法看板について
(参加者L)
不法看板がとても気になっています。川や道路、空き地などにたくさん立っています。立てた人に撤去させればお金も手間も掛かりませんので、是非実行してほしいと思います。
市長お礼のあいさつ
本日は、皆様から大変貴重な御意見を頂きありがとうございました。豊岡・東光地域の皆様方には今後も地域の活性化、あるいは市全体のまちづくりにおいても引き続きお力を貸していただくことが多いと思いますが、私を始め市役所も一生懸命頑張っていきますので、どうか引き続き御指導やお力添えをいただきたいと思っております。本日は最後までありがとうございました。