第68回開催内容
第68回は、市民主体のまちづくりの更なる発展を目的として制定する「旭川市まちづくり基本条例(仮称)」をテーマとして、NPO活動の推進等を図るために活動している「特定非営利活動法人旭川NPOサポートセンター」ほか、市内NPO団体や市民活動団体ほかの方々と、テーマに関わる意見交換を行いました。
日時など
日時
平成25年4月23日(火曜日) 午後6時から午後7時まで
場所
旭川市市民活動交流センター 1階 ホール(旭川市宮前通東)
相手団体
市内NPO団体、市民活動団体ほかの皆さん(当日の出席者15人)
出席者
- 旭川市長 西川将人
- NPO法人旭川NPOサポートセンター
- 旭川市民劇場
- 旭川大学准教授
- NPO法人カムイ大雪バリアフリー研究所
- NPO法人グラウンドワーク西神楽
- まちづくりコーディネーター講座メンバー
- まちづくり市民の会
- まちづくり呼びかけ隊
- 生涯学習インストラクターまなびあさひかわ
対話の内容
市長あいさつ
市長から「旭川市まちづくり基本条例(仮称)」についての説明
意見交換
- 青空ギャラリーについて
- 博物館の場所の表示と展示内容などについて
- 中心市街地の活性化などについて
- 観光などについて
- 町内会の役割について
- 協働のまちづくりなどについて
- 個人情報の取扱いについて
- 道の駅について
- 旭川市まちづくり基本条例(仮称)について
(出席者の意見と市長のコメントについて、まとめたものを掲載します。)
(補足)この対話集会では、スライドを使用した場面があり、文章が分かりづらい部分もあります。
当日配付した資料(PDF形式)はこちらです。
資料(仮称)旭川市まちづくり基本条例策定に係る基本的な考え方(PDF形式 184キロバイト)
市長が説明に使用した図(PDF形式)は次のとおりです。
図1 まちづくり基本条例の概要(PDF形式 194キロバイト)
図2 まちづくり基本条例策定に係る基本的な考え方について(なぜ作るのか)(PDF形式 138キロバイト)
図3 まちづくり基本条例策定に係る基本的な考え方について(なぜ作るのか(目的))(PDF形式 312キロバイト)
図4 まちづくり基本条例策定に係る基本的な考え方について(策定に当たって)(PDF形式 115キロバイト)
図5 まちづくり基本条例策定に係る基本的な考え方について(策定体制)(PDF形式 183キロバイト)
図6 まちづくり基本条例策定に係る基本的な考え方について(今後のスケジュール)(PDF形式 162キロバイト)
市長あいさつ
本日は、まちづくり対話集会に様々なNPO、また、ボランティア団体の皆様に御参加をいただきましてありがとうございます。
日頃からNPO活動の推進、あるいはいろいろな団体を通じ市民の皆さんが活躍できる機会を御提供いただいていることに、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
本日は、この市民活動交流センターCoCoDe(ココデ)で皆さんと意見交換をさせていただきたいと思っております。御承知のように、この施設は、平成22年の6月にオープンしまして、現在、NPOサポートセンターの皆様方に運営をしていただいているところであります。NPO活動又は地域活動の拠点施設としての役割をこれまでも担ってきていただいております。本日は、「まちづくり基本条例」の策定に当たりまして、皆様方にそれぞれの立場から様々な御意見をいただきたいと思っております。この条例には、まちづくりを進めていく上での規範あるいはまちづくりのルールや旭川らしさとか個性を盛り込んでいきたいと思っておりまして、多くの市民の方々に共感していただけるような条例にしたいと思っております。本日は皆様方から率直な御意見を頂きたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
市長から「旭川市まちづくり基本条例(仮称)」についての説明
(市長)
それでは、このまちづくり基本条例について簡単に御説明をさせていただきます。
図1(PDF形式 194キロバイト)
この条例については、全国で約1,800ある自治体のうち250以上の自治体で似たような条例が制定されております。また、道内においては45以上の自治体において制定をされておりまして、自治体によって名前が違いますが、例えば「自治基本条例」という名前であったり、また、「みんなのまちづくり自治基本条例」とか「素敵な過疎のまちづくり基本条例」などユニークな名前をつけているまちもあるように聞いております。
図2(PDF形式 138キロバイト)
なぜ今この条例を策定するかということでありますが、それぞれの地域のことについては、地域に住んでいる人たちが一番知っておりますし、福祉の分野あるいは産業の分野においても、それぞれの分野のことは、その分野で活躍している方々が一番知っていると思います。地域の方々あるいはNPO団体の方々など、様々な団体の力というものがまちづくりに生かされて大きな力になる、そのことが地域に住む人たちにとっても住みやすく、快適になっていくのではないかと思っております。この条例の制定によって、そうした方々の力が発揮され、また、活動しやすくなるような環境づくりを進めていきたいと考えています。
条例を制定することで何を目指すかということですが、三つありまして、一つ目は、市民主体のまちづくりの更なる発展であります。この条例の策定を通じて、市民の皆さんがより一 層活躍できる仕組みとか、環境を充実していきたいということです。二つ目は、暮らしやすい地域コミュニティとそれぞれの地域特性に合った地域づくり体制の構築であります。地域コミュニティにおいては、地域での支え合いの機能の低下や、地縁関係の希薄化が大きな問題となっております。例えば町内会においては、加入率の低下や役員の担い手が減少しているということが大きな地域課題となっておりますので、この条例の策定を通じて地域を元気にする取組を充実していきたいと考えております。三つ目は、この条例の制定を通じて、市役所の機能や組織などについて検証を行いながら、市民主体のまちづくりを支えていくために、市役所の機能強化なども目指していく必要があると考えています。
図4(PDF形式 115キロバイト)
条例の策定に当たり、本日の対話集会も市民参加を進めていく上での一つの方法でありますが、市民の皆さんから多くの御意見をいただく機会を設けるなど、策定のプロセスも大切ですし、条例の内容についても、子供から大人までなるべく分かりやすいものにしていきたいと思っております。また、この条例を実効性のあるものにしたいと考えておりますので、制定の際には、具体的にまちを良くするための取組についても併せてお示ししたいと考えています。
図5(PDF形式 183キロバイト)
現在、条例の策定に向けて、昨年度から公募市民の方6名を含む20名の委員からなる「旭川市まちづくり基本条例市民検討会議」を設置して、熱心な議論を重ねていただいており、先月には中間報告を受けたところであります。また、市役所の内部においては、若手職員38名からなりますワーキンググループを設置しまして、それぞれの担当の専門的な知識を生かして検討を行い、本年2月に報告書の提出を受けたところであります。
図6(PDF形式 162キロバイト)
条例制定に向けての今後のスケジュールですが、今年度は条例案を作成して、市民の皆さんから幅広く御意見をいただいた後に、議会に提案をしていきたいと考えております。また、議会で可決をいただいた後、平成26年度中の施行を目指していきたいと考えており、まさに今年度が作業の大詰めの年であります。
図7(PDF形式 147キロバイト)
地域における人間関係の希薄化とか、支え合いの機能の低下が、旭川においても大きな課題となっております。しかしながら、いかに市民ニーズやライフスタイルが変わったとしても、地域コミュニティの大切さなどは普遍的なものであり、地域においては大変重要なものであると考えております。また、私も市長に就任してから、地域力の向上ということをまちづくりの大きな柱の一つにしながら、様々な施策を展開しております。今後は少子高齢化の進展、あるいは一人暮らしのお年寄りが増えていくことが予測されておりますので、今まで以上に地域の様々な助け合いの機能、またセーフティネットワークを網の目のように張り巡らしていかなければ、市民の皆さんの安心・安全を確保していくことが難しいと考えております。この条例の制定を、今後の少子高齢社会に向けて、安心・安全を確保できるようなまちづくりを進めていく、一つの大きな柱にしていきたいと考えているところです。
特定の目的を持った団体が、それぞれの活動を通して地域の課題解決に大きな役割を果たしている中、NPO団体などの様々な市民活動団体の皆様が、更に生き生きと活動できるような環境づくりを目指していきたいと考えています。また、市民活動を更に活性化させて、まちづくりの担い手を増やしていくためには、どのようなことが必要なのかなど、皆様方が日頃考えているアイデアなどについて、御意見をいただきながら議論を深めていきたいと思っております。本日頂いた御意見については、これから条例を策定していく上で、是非参考にさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
意見交換
1.青空ギャラリーについて
(まちづくり市民の会)
今年の2月から3月にかけて青空ギャラリーを開催するため、旭川市のまちの写真を募集したところ、330点の作品が集まりました。集まった写真を市民の代表の方たちに審査をしていただいて、そしてその中から14点を選んで一月間展示をしたところ、非常に大きな反響がありました。どのような反響かというと、まず応募された方は年配の方が多く、自分の写真が展示されたということで非常に喜んでおりました。旭川は文化都市と言われており、素晴らしい絵を描く子供たちもいると思いますので、その子供たちの作品を道路などに展示することができるような場所があれば、子供たちに夢を与えられるのではないかと思います。例えば緑道を青空ギャラリーとして写真や絵画を展示することにより、子供たちなどは作品を作る喜びを感じるのではないかと思います。これから市民に夢を与え、文化を育てるためには、青空ギャラリーは非常に良いことだと思います。
(市長)
文化活動の推進ということで、素晴らしいことだと思います。
2.博物館の場所の表示と展示内容などについて
(まちづくり呼びかけ隊)
現在、博物館のボランティアをしていますが、博物館の場所が分からないということをよく聞きますので、大雪クリスタルホールの出入口に博物館の看板を分かりやすく表示してほしいということです。それから、科学館もそうだと思いますが、体験するような設備は何年も前からほとんど変わっていないため、一回見たらもう来館しないのではないかと思いますし、来館者は地方の方が多いのではないかと思います。市の職員も一回科学館とか博物館に足を運んで実際に見てきてほしいと思います。
3.中心市街地の活性化などについて
(まちづくり呼びかけ隊)
買物公園でイベントを行うときに警察署の手続とかいろいろと細かいことがありますので、もっと簡単に買物公園を利用できるような方法があったらいいと思います。それから、アッシュアトリウムですが、市の担当ではないかもしれないのですが、イベントを実施するときなど使いやすくしてほしいと思います。市の職員も一回アッシュに足を運んで実際に見てきてほしいと思います。
(まちづくり呼びかけ隊)
食べマルシェについてですが、市のイベントですので、テントの借上げとか司会者なども旭川でできるものは市民の力を借りたりしながら実施した方がいいと思います。
(旭川市民劇場)
買物公園に関して感じていることですが、食べマルシェを開催して非常にたくさんの人が集まっていますが、何か違和感を感じています。狭い所にテントがひしめき合って歩きにくいということもありますし、まちなかの雰囲気とマッチしていないと思います。これからも続けていくのであれば、街並みにマッチするように開放的なテントを設置するとか、あるいは食器も発泡スチロールではなく、食べたくなるようなものを考えないといけないと思います。
買物公園の内側には人が集まるが、両側の商店街にはそんなに人がいないということが起きています。一時的には人が集まり経済効果があるかもしれませんが、買物公園全体で見たときに、果たして食べマルシェを実施することがプラスなのかマイナスなのかということと、買物公園を活性化するのであれば、商店街の人とも友好的にしなければいけないということだと思います。例えば、食べマルシェの開催時に、空き店舗を市が一時的に借り上げて、出店を希望する市民に場所を提供するとか、紙芝居や大道芸などを実施するなど、いろいろな形で参加する機会をつくれば、そこから交流も生まれてくると思います。単に物を買うだけではなく、自分たちのまちに対する愛着とか新しい発見とかも生まれるし、アイデアも出てくるような気がします。
(市長)
食べマルシェは、今年も実施する予定です。今年で4回目となりますが、毎年いろいろな御意見を頂き、少しずつ工夫しながら開催しております。もっと旭川らしさを出していくような工夫が必要だと考えておりますので、御意見を参考にさせていただきたいと思います。
(まちづくりコーディネーター講座メンバー)
駅前に本州の企業が進出してくるということですが、今、買物公園はシャッター街になっています。地域のことは地域で考えて自ら解決するという地方自治の基本に立ち返ることが必要だと思います。まず、買物公園の商店の人たちが中心となって、自らがどのように活性化させるかということを考えて、そして、外部のアドバイザーにも入っていただいて、いろいろなアイデアを考えていければいいと思います。
(市長)
買物公園を含めた中心市街地の再生については大切なことですので、是非参考にさせていただきたいと思います。
(まちづくりコーディネーター講座メンバー)
駅前の立体駐車場は、買物公園の方から駅を見るときに邪魔にならないか心配しているのですが、大丈夫なのでしょうか。まだいろいろな工事をしている状態ですので、使いづらいとか道路が分かりづらいということもあります。せっかく立派な駅を造ったのですから、駐車場をもう少しずらした方が良かったように思います。
(市長)
買物公園から駅を見ると、駐車場は買物公園の左側にありますので、駅舎は見られると思いますが、アサヒビルの前からですと、少し駅が見えにくくなるかもしれません。地下に設置することにより、見えにくくなるようなことはないのかもしれませんが、地下に設置する場合は経費が相当多くなるということで半地下構造としまして、半地下部分を駐輪場、二階部分を駐車場として設置したところです。
駅前広場は、駐車場、駐輪場も含めてバスセンターやタクシー乗り場を整備することとしていますが、これまで10年くらいの間たくさんの市民の方々や専門家からも御意見を頂いて実施してきた事業です。出来上がった施設に対して必ずしも良いと思っていない人もいるかもしれませんが、ここまで整備する中でたくさんの御意見を頂きながら進めてきたということは、御理解いただきたいと思っております。
4.観光などについて
(まちづくり呼びかけ隊)
DMV(デュアル・モード・ビークル)を観光に活用してはどうかという提案です。なかなか交通機関としては難しいといわれていますが、このような新しい提案については、市でもその趣旨とか考え方を汲み取ってほしいと思います。難しいということがあっても、どのような方法があるかなど市でアドバイスをするということが必要だと思います。
(まちづくりコーディネーター講座メンバー)
旭川は、まちをPRするのが上手ではないと思います。旭川だけではなくて近郊の富良野とか美瑛など、いろいろな所と連携して一緒になってまちを全国にPRしていくということが必要ではないかと思います。
5.町内会の役割について
(旭川大学)
まちづくり基本条例を作ることが市役所の機能強化につながる、ということにとても共感しています。市民がまちをつくるということは行政機能の弱体化ではなく、市民がまちづくりを活性化することは、行政の機能強化につながることだと思います。先ほど市長のお話にありましたが、地域の支え合いが薄れている状況で、条例の制定が必要ということでした。地域の支え合いが弱くなっているということは、町内会の組織率が低下しているということであり、加入率を高めようとしても、なかなか高くならない状況だと思います。自分が住んでいる所の人々との関係性をどのように強くしていくのか、また、町内会の強化を目指していくのか、それとも別な形のものを考えているのかが知りたいと思います。
(市長)
町内会の役割についてですが、地域のつながりを支える団体として大きな役割をしてきております。今から約20年前は、70パーセント以上の人が町内会に入っていました。町内会で開催する新年会や夏の運動会、子供会、観楓会などにたくさんの人が参加していました。残念ながら最近は町内会に入らない人がますます増えており、加入率が60パーセントぐらいに低下してきております。町内会に対する魅力、必要性などが昔に比べてなくなってきているのが大きな原因だと思っております。ただ、町内会に代わる新しい地域の組織を立ち上げるということは簡単なことではないと思っていますので、今ある環境をどのように魅力的なものにするか、また、再生していくかということが、現実的には一番近道なのではないかと思っています。ライフスタイルの多様化により、多くの人たちは隣近所と付き合いをしなくても楽しんで生活を送れるようになってきており、町内会に入る必要性が以前より低くなってきているのだと思います。町内会という役割が以前より低下してきている部分を、学校であればPTA、趣味を通しての組織又はボランティア団体などが補ったり、新たなネットワークに育てていくというようなことが大切なことだと思っております。
6.協働のまちづくりなどについて
(旭川大学)
まちづくりをどのように実施し、どのように広げていくのかということですが、やはり、住み続けられるまちというのが大事だと思います。人口が減って縁もゆかりもない人が多く住むということではなく、子供の頃からまちを愛してそこに住み続けられるということが、今求められているのではないかと思います。
また、選挙権のない外国人住民が、まちづくりにどのように関わっていくのがいいのか考え方を聞かせてほしいと思います。
(市長)
条例の策定を通じて、多くの大人にも地域づくりに参加してもらうことが大切なんだということを伝えていければいいと思っていますし、そのような姿を子供たちが見て、自分たちが大きくなったときに地域づくりに主体的に参加をしたいというような気持ちを持つことができるようになっていけばいいと思っております。旭川では子供会がありますけれど、最近は子供会に参加する児童が少なくなっています。昔は町内会に必ず子供会があって、町内会単位で、夏には運動会などを実施していました。私も子供の頃は毎年そのような行事に参加しておりましたが、現在は運動会などを実施しているような町内会はほとんどありません。子供たちが、ほかの地域の子供たちや学年の違うお兄さん、お姉さんなどと小さな時から接する機会を持つことが、広い視野を持った大人になっていくことにつながるのだと思っています。やはり、子供たちがいろいろな活動に参加できるような機会を、もっと作っていく必要があると思っています。
また、参政権についてですが、日常生活を送っていく上ではあまり影響がないと思っておりますが、外国の方も地域で活躍してもらえるような仕組みを作るためには、どのようなことが良いのか今後聞かせていただきたいと思っております。
(まちづくりコーディネーター講座メンバー)
新聞に、買物公園に高齢者のマンションができたという記事が載っていたと思います。大学生が中心となって提案したのですが、その中に小学生も入っていたということです。その記事を読んで、素晴らしいと思いました。旭川市の人口が年間で1,500人ぐらい減っていて、10代から30代の人たちも減っているということです。転出していく10代から30代の人たちが、旭川は素晴らしい故郷だということで戻ってくるようなまちづくりをしていかなければいけないと思います。そのためには、小学生、中学生、高校生にそれぞれ旭川がどんなまちになっていってほしいかというイメージを考えてもらい、自分たちの考えた案がまちづくりに生かされているということが必要だと思います。一度旭川から転出して、20年、30年後に戻ってきたときに、自分たちの考えたイメージがまちづくりのどこかに生かされているということになれば、やっぱり故郷というものが心の中に残ると思います。
(市長)
子供たちが旭川にまた戻ってきたいというようなまちづくりのことについては大切なことですので、是非参考にさせていただきたいと思います。
(まちづくり市民の会)
我々は今、ボランティア団体として活動していますが、旭川市内のいろいろなボランティア団体やNPOは、自己資金や企業からの支援、又は、市や道からの助成制度を利用して活動しています。旭川市にも協働事業ということで助成金の制度がありますが、高齢者の見守りや除雪や公園の管理など、多くの経費が必要なものがあると思います。そのようなことを自分たちで地域をつくるという観点から、NPOとかボランティア団体に任せるようなシステムをつくり、助成金という形で支出すれば、市の財政的な負担も軽くなると思います。ただし、助成金の枠を広げるだけではなくて、そのような団体に市の職員が一緒に参加することで、活動もうまくいくと思うし、市民と一緒に課題の共有もできるのではないかと思います。
(市長)
ボランティア団体の皆さんとの協働のまちづくりというのは、本当に大切なことだと思っております。助成金や市の職員の参加など、いろいろと検討していかなければならないと思います。
7.個人情報の取扱いについて
(まちづくりコーディネーター講座メンバー)
先ほどから町内会の話が出ておりますが、個人情報の保護ということが言われ過ぎているのではないかと思います。隣同士でも個人情報を町内会の人たちに教えられない雰囲気があります。個人情報をもう少し大らかに考えてほしいと思っています。
(市長)
個人情報については大切なことですので、是非参考にさせていただきたいと思います。
8.道の駅について
(まちづくり市民の会)
道の駅が改装されるということで、非常に楽しみにしておりますけれども、売店を入札により民間の方が運営するような仕組みのようで、道の駅に旭川の特産品などがいろいろ置いてあれば、お客さんにとっては良いことだと思いますが、落札した業者と相性が合わない会社があったときに、企業関係によっては、もしかしたら良い商品が並ばないこともあるのではないかと心配しています。動物園でも民間の方が頑張っているのですが、市が管理することも必要な部分があるのではないかと思います。
(市長)
道の駅については、地場産業振興センターの中にありますので、これまで地場産業振興センターの直営では売上げが伸びず、商品構成も充実できなかったことから、今回は民間の力をお借りするということでさせていただきました。今後いろいろな課題が出てくると思いますので、改善策などを考えていかなければならないと思っております。
9.旭川市まちづくり基本条例(仮称)について
(まちづくり呼びかけ隊)
市民の意見を聴いていろいろなことを改善してほしいと思います。今回の基本条例も作ればいいということではなく、実際に実行していただきたいと思います。
(まちづくり呼びかけ隊)
市民活動を活性化するためには、市民活動とは市民が参加することではなく、既に参加しているというような視点に立つべきではないかと思います。基本理念は市民憲章にありますので、市民憲章を実現することが、まちづくりだと思います。そして、その内容は個々の市民が自覚して達成されるものであり、既に実施していることだと思います。全てに取り組まれていないという現状では、本当にこの条例を制定する意味があるのか疑問に思います。基本的に制定することには賛成ですが、自治基本条例には賛成しかねます。まちづくり基本条例であれば賛成したいと思いますが、最高規範という考え方は、まちづくり基本条例にはふさわしくないのではないかと思っています。それと、まちづくりの担い手が市民であることは当然なのですが、市民団体や地域コミュニティなどの内容について、先ほどの市長の説明ではかなり述べられておりますが、中間報告ではその部分が足りないような気がします。まちの情報を知りたいと思うときに個人情報保護と情報公開が重なることがあります。このようなときに、法を犯すことはできないのですが、目的外使用などの制度を行政がアドバイスできるようなことも条例に盛り込んでいただければと思います。
(市長)
まちづくりに関して、市民憲章の考えに基づくのはもちろんのことですが、市民憲章のほかにも市民参加推進条例など多くの条例を制定しております。まちづくり基本条例は、ほかの条例の条項の整理や差別化をしていくことが非常に大切だと思っております。これからの策定作業では、条例の名称を含め十分意識して取り組んでいかなければいけないと思います。また、最高規範である憲法があり、法律があり、そして自治体が制定する条例があるわけですが、その中で法の範囲内でどこまで利便性を高めることができるかは、知恵を絞っていかなければならないと考えております。これまで、民生児童委員さんたちからも、個人情報の取り扱いを含めいろいろな御意見を頂いてきておりますが、そのような視点も意識していく必要があると思っています。
市長お礼のあいさつ
本日は、貴重な御意見をありがとうございました。御意見にもありましたが、これまで行政が市民の皆さんの御意見を十分反映してこなかったということがあることを認識したところであります。改めて、これまでのまちづくりが十分でなかったかなという反省と、今後まちづくり基本条例を制定していく過程を通して、どのように市民の皆さんの御意見を汲み取って、それをまちづくりに生かしていくかということが大変重要なことであるということを、私自身も再認識させていただきました。本日の御意見をしっかりと受け止めさせていただいて、今後まちづくりを進めていく上での参考にさせていただきたいと思います。皆様方には、これからも様々な分野で御活躍いただき、また、行政に対してお力を貸していただきたいと思います。本日は、ありがとうございました。