第5回新型コロナウイルス対策緊急まちづくり対話集会開催内容

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2020年8月17日

ページID 071386

印刷

第5回「新型コロナウイルス対策緊急まちづくり対話集会」は、新型コロナウイルスを乗り越えるために市民と行政がそれぞれの立場で何ができるのかをテーマとして、旭川市老人福祉施設協議会、一般社団法人北海道認知症グループホーム協会道北ブロック、旭川市居宅介護支援事業所連絡協議会、旭川地区ヘルパー連絡会の皆さんと意見交換を行いました。

日時など

日時

令和2年7月6日(月曜日) 午前9時30分から午前10時まで

場所

フィール旭川7階シニア大学
(旭川市1条通8丁目)

出席者

  • 旭川市長 西川将人
  • 旭川市老人福祉施設協議会、一般社団法人北海道認知症グループホーム協会道北ブロック、旭川市居宅介護支援事業所連絡協議会、旭川地区ヘルパー連絡会
    (団体の出席者5人) 

対話の内容

市長あいさつ

市長あいさつの様子
市長あいさつの様子

今日は朝の忙しい中、お時間を取っていただきまして、どうもありがとうございます。
また、日頃から地域の福祉の向上等に、それぞれの立場でお力添えいただいておりますことに感謝、御礼申し上げます。
特に、今回、新型コロナウイルス感染症拡大の中、それぞれ社会福祉事業所の皆さんにおかれては、この感染防止という視点から大変な御苦労があったのではないかと思います。
市内では、社会福祉施設等でのクラスター発生はなかったのですが、これも本当に皆様方の御努力のおかげだと感謝しているところです。
一方で、札幌など大変な状況になった社会福祉施設もあります。そこから、多くの教訓を得ることができましたけれども、今、旭川市内においては、感染拡大が少し止まっている状況が2か月以上続いています。これから、秋、冬にかけて、まだ油断できない状況も予想されますので、私どもも、しっかり備えていかなければなりませんし、今日はまた、皆様に、それぞれの立場からのお話を聞かせていただいて、必要な対策を取っていく上での参考にさせていただきたいと思い、このような会を準備しましたので、短い時間ではありますけれども、是非、皆さんから色々な御意見を頂戴できればと思います。
今日は、どうぞよろしくお願いします。

意見交換

(参加者)

当会の会員から2点、市長にお願いしたい案件がある。

  1. 施設系ケアマネジャーや居住系介護施設を担当しているケアマネジャーから、今後、万が一、施設で担当する利用者さんがPCR検査陽性になった場合、速やかに病院に入院させていただくように、保健所等と連携を取っていただきたいという要望がある。
  2. 在宅の独居高齢者は、例えば熱が出た場合、誰かが付き添わなければいけないが、付き添う方がいないことがある。事業所によっては、ケアマネジャーが厚意で病院に付き添うが、それがかなわないところもある。そういった場合の、付き添う方の支援を構築してほしい。
    今のところ、ケアマネジャーが付き添って行った場合は、駐車場の車の中で待機するなど、感染拡大を防ぐための処置を取りながら対応している。病院とのコンタクトなども、感染拡大を防ぐ形で、連携を取っているが、今後のことを考えると、それだけでは限界がくる。

(市長)
どうもありがとうございます。
PCR検査陽性になった方には、速やかに入院していただく体制を作っていかなければなりませんし、万が一、施設内で増えた場合は、医療チームが施設に入ることも必要です。また、人員はお互いに施設間で助け合うという部分で、勿論、保健所もその中に入りますけれども、人の融通をどう利かせていくかは、感染が増えていったときに大事になってきますので、体制を整えていかなければいけないと思っています。
(参加者)

6月に行った事業所アンケートの調査報告に、旭川市への要望が7件あった。

  1. どこの事業所も施設を含め、衛生用品が不足していて、色々な工夫をして対応していた。今後、衛生用品の確保をしてほしい。
  2. 介護職員は在宅サービスを行うので3密は避けられない。精神的にも肉体的にも非常に神経を使っているので、危険手当を支給してほしい。
  3. 職員の中に感染者が出た場合の事業所共通の対応マニュアルがない。各事業所が何も分からない状態で、それぞれが時差出勤など色々な工夫をしていたので、事業所共通の対応マニュアルがあると良い。
  4. 職員の中で感染者が出た場合、事業所が休止となる場合がある。そういったときに、利用者さんのサービスが途絶えないような体制づくりが必要。他事業所との連携、協力体制、人材支援の仕組みづくりも必要。新型コロナウイルスにかかわらず、在宅のヘルパーは少なくなってきているので、今後は、例えば日曜日だけ働くとか、朝と夜なら出勤可能ということを市に登録しておくことで、その人の生活スタイルに合わせた働き方ができるような事業所間同士の協力体制も必要。
  5. 感染者かどうか分からない恐怖、精神的ストレスが解消されるようPCR検査の拡充をしてほしい。
  6. 介護崩壊にならないように、感染者が出た場合、ヘルパーが介護しなくていいよう即入院の体制を整えてほしい。
  7. 療養者数や病床数の公表が都道府県単位だが、できれば、旭川市でどれだけの病床が埋まっていて、どれだけ空いているのかの情報がほしい。
意見交換の様子1
意見交換の様子

(市長)
ありがとうございます。
今回、国の第2次補正で、マスク、消毒液等の社会福祉事業所に対しての支給の補正予算が組まれましたので、活用していただけるように、市としても取り組んでいきたいと思っています。
先の議会で、旭川市独自の特別給付金制度をつくりました。使途については、広範にわたってそれぞれの事業者で判断していただけます。必要な備品の購入、ソフト面での様々な体制強化等に御活用ください。
万が一、感染者が増えた場合は人手が不足します。看護師、ヘルパー等で、もう引退された方も結構いると思います。どうしても人手が足りなくなったときには、元々プロの方ですから、助けに行こうという方は市内に沢山いると思うので、そういった方を、できれば事前に把握し、万が一、人手が不足したときに、すぐ連絡できるように、知恵を絞って、これから情報を収集していきたいと思っています。
病床数、旭川市で何人入院しているかの情報は、実は、市として毎回出していました。ただ、残念ながら、新聞等ではそこまで報道していただけません。保健所としては、常に情報を出して、ホームページ等でも出してはおりますので、もっと分かりやすいように検討していかなければいけないと思います。
北海道全体でしか報道されないので、東京の人などは北海道全部が危ないのではないかと思ってしまいます。旭川は2か月以上全然出ていないということが結構分からないので、自治体として、もっときめ細かに発信していかなければならないと思います。
秋に向けて、しっかり体制を整えていかなければいけないと思っておりますので、また、よろしくお願いします。

(参加者)
現状として、職員が疲弊している。知識不足もあるので、各事業所で新型コロナウイルスに対する勉強会をしている。
元々、グループホームではケア自体が3密を避けられない中、真逆のケアをしなければならない状況となっている。御家族に対しても、現場で働いている職員も迷いながら対応していたのが、この2、3か月。2月25日から御家族との面会禁止をしていたが、今はマニュアルを作り、少しずつその家族、御本人に応じた面会解除をしている。
マニュアル作りも各事業所で行わなければならないということなので、今、協会本部と一緒に、北海道内のグループホームに向けた面会解除のマニュアルや、もし感染が確認された場合の手順についてのDVDを作成するための話し合いが持たれている。
それができれば、皆さんで共有できるように提供できたらいい。
感染拡大のときに、医療と福祉の連携がどれだけ取れるか考えている。利用者が発熱した場合、今は、協力医院の先生に少し様子を見なさいと言われて対症薬を処方され、2日、3日と続くとなると保健所に連絡するというルールを各事業所で作っている。もし感染があった場合、旭川でも、利用者や職員の検査が早期にできると良い。すぐ検査できるような体制があれば、職員も頑張ってお年寄りを支えていきたいという声もあるので、そこをお願いしたい。

(市長)
ありがとうございます。
マニュアルは今、北海道で全道一律のものを作ると聞いています。
今まで色々な事象等の教訓がありましたので、今後、各事業所に情報伝達されていくと思いますが、それぞれまた、事業所でも色々な経験が、今回、蓄積されていると思いますので、それプラスアルファで、色々と練り上げていただけるのは、非常にありがたいと思っています。
検査も、今はPCR検査中心でやっていますが、抗原検査、抗体検査等、今、色々と研究されていますが、なんとかPCR検査を一つの柱にして、皆さんに迅速に検査を受けていただけるように、保健所として、しっかり対応していかなければいけないと思います。
また、よろしくお願いします。ありがとうございます。

(参加者)

訪問介護の一部として介護タクシーを運営しているが、今回、一番困ったのが、「熱が出ているが運んでもらえるか」、「いつも行っている病院が診てくれない」という相談。
みんな分からない状況で事業所単位で対応していると思う。ある介護タクシー事業所と契約していた利用者が、熱があると運んでもらえないが病院に行く必要があるので、契約がなくても運んでもらえないだろうかといった相談が結構あった。
事業所ごとの判断になると、そういうところのバラツキが出てくる。高齢の方は他の移動手段がなく、なんとかして運ばないと通院もできない。そういったところの一般的基準があると良い。保健所に問い合わせる目安は出ているが、高齢になってくるとそういう情報も把握しておらず、どうしていいか分からないという状況がある。
このようなときはどうしたら良いかという、皆さんに分かりやすい目安ややり方のようなものを、もっと広く高齢の方に伝えていかないと困る。
運ぶ方も万が一のことを考えるので、できるだけ万全な体制で行くようにするが、衛生用品等の品薄や高騰もあり、今までと同じ価格でマスクが手に入るわけではなく、そういったところが経営を圧迫している。
少し話は逸れるが、今回、新型コロナウイルスを経験して、担当者会議等を集まらずに開催した。今までの、みんなで集まり「変わりないですね。継続でいいですね。」と確認するいう担当者会議が、はたして、本当に必要だったのだろうかということも考えた。悪いことばかりではなかったと捉え、今後に生かし、制度の見直し等を考え直すきっかけにしてほしい。新型コロナウイルス終息後になるかもしれないが、国で制度改正をしてほしい。集まる形の会議などがなくても私たちは立派に介護していけることを経験した。

意見交換の様子2
意見交換の様子

(市長)
どうもありがとうございます。
今回、初めての案件で、現場の皆さんも試行錯誤されたと思います。
タクシー、介護タクシーをどうしていくのか、市の保健所、福祉保険部と、それぞれの事業所の皆さんで事前に情報交換させていただき、事業所の皆さんがすぐに判断して動けるような体制を取る必要があるので、協議を進めさせていただきたいと思います。
今日は部長もそれぞれ来ておりますので、今後、進めたいと思います。
担当者会議等も含めて、業務の見直しが、今回色々あったと思います。
テレワーク、ウェブ会議など、色々な業種で初めての試みで実施しました。市役所も時差出勤等に取り組みましたが、新しい生活スタイル、仕事スタイルが、今後定着していく一つの契機にもなったのではないかと思います。今回の一連の業務を通して業務内容の見直しも、それぞれの事業所でも進めていただくことが、安全の向上、業務の効率化につながっていくかもしれません。私どももそのような視点から頑張っていかなければならないと思います。
ありがとうございます。

(参加者)
札幌の施設でのクラスター発生の話があったが、本来、特別養護老人ホーム(特養)も介護老人保健施設(老健)も医療機関ではないので入院隔離をすべき。今回、なぜそのようにできなかったかというと、ほとんどの方が認知症だったため。医療側は認知症の方を受け入れたとしても、治療はできるが、日常の生活をサポートすることはできない。そのため、施設の中で療養を行った。
これから先、高齢者施設でクラスターが発生して、一定の基準を超えたときは、隔離して入院させる大前提で、行政には仕組みづくりをしてほしい。
感染者が増えたときには、受け入れる医療機関側に限度が出てくるので、最悪のケースを想定して考えてもらいたい。
医療機関以外の所、例えば、アリーナなどを使うことなども考えなければならない。
行政、医師会を含めた医療側、それと我々のような福祉団体など全体で考えた仕組み作りを今から検討してもらいたい。
札幌は、教訓を生かし、クラスターが発生した場合を想定して、6月下旬に、感染者が5人以上など3段階くらいに分けてマニュアルを作り、かなり細かいところまで詰めている。未定稿のものではあるが、あとで部長の方には置いていく。
仮に、特養で感染者が出た場合は、対応は難しいと思う。感染者が出た施設から医療側に職員が出向き感染者の生活を支え、職員が足りなくなった施設には、ほかの事業者間で応援する方法も考えなければならない。
今回クラスターが発生した札幌の施設の社会福祉法人は、特養2か所と老健1か所を運営していたが、老健で感染者が出たので、特養から介護職員を出した。足りなくなった部分には札幌市老人福祉施設協議会から職員を応援に出している。4月下旬から6月末まで1日平均6、7人くらいがずっと各施設から応援に出ている。
先程話した仕組みをつくるときに、感染者が出て介護職員が足りない施設には事業者間で協力して応援に行くので、感染者が出た施設の職員は医療側に行って、入院した今まで見ていた人たちの生活を支えてもらうことが必要。
札幌の施設の施設長は、毎日亡くなる人を看取るという耐えられない経験をされたと思う。是非、最悪の事態を想定した仕組みづくりをお願いしたい。

(市長)
旭川市は幸い、市立旭川病院があり、今回も感染者病棟で、そして、万が一増えた場合に6階病棟を空けて40床、さらには80床くらいまで新型コロナウイルス感染の患者を受け入れる準備をしています。
万が一のときは、市立旭川病院全体を新型コロナウイルス感染症専用の病院にすることも想定して、市内の5大基幹病院の皆さんとは話はしてきております。
そういう状況にならないようにするのが、一番大事ですが、万が一の場合は、そこまでスムーズに移行できるようにしっかり準備をしていかなければいけないと思います。
できれば、1人、2人施設から感染者が出た時点でくい止めるのが一番で、施設内で感染が拡大して蔓延すると本当に大変なことになると、今回、たくさんの教訓を得ることができたと思います。同じ轍を踏むことのないように、もし旭川でそのような事象が発生した時に対応できるよう準備していかなければいけないので、また、色々、御指導いただければと思います。

(参加者)
国の法律も守りたいが、新型コロナウイルスを通じて日頃のサービス担当者会議、グループホームでいうと運営推進会議があり、そんな状況ではないので、書面会議でもいいということで書類を回した。
すごく苦しい時に指導監査課から、柔軟な体制で頑張ってくださいとお電話をいただいた。とてもありがたかったが、何かもう一歩、旭川モデルのようなものが、緊急事態用に、国の法律と少し違うものがあれば、このまちももっと良くなるのではないかと思う。このまちに合った法律があってもいいのではないかと思った。
みんながコロナうつになりそうな中で、私たちの仕事の必要性は皆さん十分分かっていると思うので、そんなことを未来に考えられたら、もう少し若い人も介護の仕事に就いてくれると思う。

意見交換の様子3
意見交換の様子

(市長)
現場の声として聞かせていただきます。
どうもありがとうございます。
市のできる範囲の中で、どこまでできるのか研究させていただきたいと思います。
ありがとうございます。

市長お礼のあいさつ

改めて、皆さんそれぞれのお仕事の立場から、貴重なお話を聞かせていただきまして、どうもありがとうございます。
今日お聞きしたお話を今後の市の事業として、どのように形にすることができるか、頑張っていきたいと思います。
皆さんには、また、それぞれの職場で地域の障害者の皆さん、あるいは高齢者の皆さん、お世話になりますが、これから秋、冬に向けて、更に気を抜けない時期がしばらく続きますので、皆さんもまずはそれぞれの健康をしっかりと守っていただいて、そういった業務に従事していただければと思いますので、引き続き、どうぞよろしくお願いします。
今日はありがとうございました。

お問い合わせ先

旭川市総合政策部広報広聴課広聴係

〒070-8525 旭川市7条通9丁目 総合庁舎6階
電話番号: 0166-25-9100
ファクス番号: 0166-24-7833
メールフォーム
受付時間:
午前8時45分から午後5時15分まで(土曜日・日曜日・祝日及び12月30日から1月4日までを除く)