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市長室:対話の記録

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要旨

市長あいさつ

内容

市長終わりのあいさつ


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開催内容の公開

 第34回目となる今回は,「子育て支援(乳幼児期における子育て相談体制の充実)」第34回対話集会の様子をテーマに,保育所・幼稚園,教育関係者,民生児童委員,医療関係者,学識経験者,旭川児童相談所などの皆さんと日々の活動状況や今後の課題などについて対話,意見交換を行いました。
日 時 平成20年11月13日(木) 午後6時30分〜午後8時00分
場 所 旭川市神楽公民館 講座室 (神楽3条6丁目1番12号)
出席者 旭川市長 西川将人
(以下,敬称略) 12名
・(社)旭川民間保育所相互育成会 東峰雅博
・(財)旭川保育協会 新井田一馬
・(社)北海道私立幼稚園協会旭川支部  横田真由美
・北海道旭川養護学校 橋場久美子
・旭川小学校長会 相澤政義
・北海道教育大学旭川校 安達潤 
・旭川市民生児童委員連絡協議会
 青少年婦人部会主任児童委員連絡会議 斉藤素子
・小児科医会 とびせ小児科 飛世千恵
・旭川市社会福祉協議会 水島あゆみ
・北海道上川保健福祉事務所児童相談部 長野正稔
・ウィメンズネット旭川  村田恵子
・旭川隣保会トキワの森 三谷美和子

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対話の内容(すべて)

まちづくり対話集会の内容すべてを掲載します。
※市に対する意見・提言等まとめたものはこちら↓
 第34回まちづくり対話集会対話の記録(まとめ)

以下,参加者の皆様については,敬称を省略させていただきます。

テーマ〜「子育て支援(乳幼児期における子育て相談体制の充実)」
当日配布された資料(PDF形式)をご覧になれます。
市長あいさつ
 こんばんは。11月に入り,だんだんと寒くなってきました。今年も残りあと1か月と少しとなり,大変お忙しい中,今日はお集まりいただきましてありがとうございます。
 この「まちづくり対話集会」につきましては,市長就任以来これまで30数回,いろいろな地域の方々や,また本日のように団体の皆様を対象に行ってまいりましたが,今年度に入りましてから,幾つかのテーマを設定し,それに関わっている皆様方から現場での専門的な部分を踏まえた話を含め,いろいろとご意見をいただき,まちづくり,行政の中で生かしていきたいということで,このような機会をつくらせていただきました。
 今回は「子育て支援」について,関係する皆様にお集まりいただき,その中でも「乳幼児期の子どもに対しての相談体制」についてをテーマに,乳幼児に対しての様々な取組状況についてですとか,工夫されていることについて聞かせていただきたいと思っています。
 地域の人間関係が非常に希薄化してきて,今日も新聞に出ていましたが,8年間か9年間,親子2人で住んでいた娘さんが監禁状態になっていて,学校に行市長あいさつの様子っていなかったのですが,近所の人も全く気付かなかったという,本当に身近な隣の町でもそのようなことが起きているということであり,いつ旭川でもこういう事態が起きるとも分からないという,そういう世の中になってしまったのかなと思っていますが,そのような中で,相談センターや関係機関がどのように情報を共有していくかということと,いかにわずかな兆候を見逃さないで,拾い上げていくかということが大変重要になってきていると思っています。
 私どもも第7次旭川市総合計画の平成20年から22年度の推進計画の中におきまして,「子どもを生み育てやすい環境の充実」,「共に支え合い,自立した生活を送ることのできる地域福祉の推進」を重点的方向のひとつに掲げて事業を展開してきております。
 今日は限られた時間ではありますが,是非皆様方からいろいろとご意見をいただきたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いします。

市長説明
 私から改めて申し上げるまでもなく,皆様方におかれましては,すでによく分かっていらっしゃる話で,重複になるかもしれませんが,現在の旭川市の取組状況についてお話しさせていただき,その後フリートーキングとさせていただこうと思います。
 皆さんに資料をお配りさせていただいておりますが,こちらを見ながら,若干お話しを聞いていただきたいと思います。
 現在,旭川市では,相談窓口の連携ということで「旭川市子ども・女性支援ネットワーク」という組織を中心にして活動・連携しております。こちらについては18機関・団体で構成されており,子どものいる家庭や女性に関する問題が発生した場合は,関係機関で「ケース検討会」等を実施しながら,関係機関の情報の共有化と対応の協議を行っています。ここは法務局,警察,児童相談所,医師会,歯科医師会,育児院,トキワの森,保育所,幼稚園関係,小中学校,人権擁護委員会,民生児童委員会,ウィメンズネット旭川,旭川市,また教育委員会などの団体で構成されている組織です。
 また現在,市の子育て相談課に相談窓口を設けておりますが,家庭児童相談室,女性相談室,母子相談室,子ども家庭相談室,また発達支援の相談室という窓口を設け,複雑・多様化する相談を受けている状況にございます。
 また,乳幼児における早期療育の必要性ということで,最近では,特に精神遅滞ですとか,自閉症,注意欠陥多動性障害,学習障害といった状態の子どもが増えている傾向にあり,これらを背景として学校不適応を起こしているという例も少なくないという状況にあります。学齢期に生じる二次的な不適応を防ぐには,乳幼児期のうちに保護者や関係者等が,子どもの特性に気付いて,問題点が見えてくる時期に適切な支援策を講じることが何よりも重要だと言われております。また,その時期に適切な支援や教育を受けなかった場合,その後の子どもの発達に大きな影響が出かねないという問題があるということで,非常に初期段階においての対応が重要だと聞いております。
 また,旭川市における早期療育の流れについてでありますが,子どもの問題点の把握ということが大変重要になってきます。そのうち,医療機関においては,医療的な見地から先天性の障害を持ったタイプを把握するという役割を担っており,また,母子保健係の乳幼児健康診査では,4か月健診で「身体発育の問題」など,1歳6か月健診では病気などについて,3歳児健診で「運動及び精神発達遅滞」などの把握に努めているという状況になっております。また保護者については,日常生活における把握という部分でいろいろと情報を提供させていただいております。また,保育所・幼稚園は集団生活においてどのような状況なのかという把握を行っておりますが,これらの中で問題点が把握された子どもは相談窓口に引き継いでいくということを行っております。
 現在,相談窓口としては,例えば児童相談所において発達相談や虐待対応などを行っております。専門医療機関としては,旭川厚生病院の小児神経外来,また旭川医科大学の発達診療センター,また旭川肢体不自由児総合療育センターなどがあります。
 旭川市の母子保健係では,幼児健康相談で発達に継続支援が必要な幼児への支援や電話相談などを行ってきておりますし,市の子育て相談係の発達支援相談室では,発達相談の実施ですとか,保育所,幼稚園を巡回して相談対応などをさせていただいており,相談の結果,療育が必要な子どもの場合は療育機関に引き継がれます。この療育機関ですが,旭川市の愛育センター,旭川肢体不自由児総合療育センター,北海道療育園,学校においては旭川養護学校の幼稚部,旭川盲学校,旭川聾学校それぞれの幼稚部などがあり,また,旭川市の第二庁舎にはこども通園センターがございます。
 課題については幾つかありますが,専門の療育機関の不足ということが一つ問題としてあります。乳幼児健診,4か月,1歳6か月,3歳児については集団健診で受診率も高く,軽度発達障害やそのリスク児の発見の場として有効ですが,健診でスクリーニングされた継続支援対象者の受皿としての専門療育機関が不足しているという状況もあります。
 また,最近いろいろと議会でも議論されておりますが,5歳児健康診査の有効性についてがあります。現在旭川市においては行っておりませんが,現在の乳幼児健康診査では,軽度発達障害児の問題点に気付くという部分では限界があるということで,しかも,疾患に特異的な問題点を指摘することが困難で,集団生活をするようになってから,例えば「集団行動が取れない」,「人とかかわることが苦手」ですとか,「こだわりが強い」というような軽度発達障害児と思われる問題が,小学校に上がってから指摘されているということで,5歳児健康診査を行うべきではないかという議論もされているところです。
 現在,旭川市においては,このように乳幼児期における子育て相談体制,また女性,母親としてのいろいろな相談,子どもの悩みですとか,障害を持った子どもの相談,また,必要な医療機関に引き継ぐというような体制をとってきているところです。
 もうすでにご存じのことだとは思いましたが,改めて簡単にお話しさせていただきました。この後はフリートーキングに入りたいと思いますので,よろしくお願い申し上げます。

安達
 北海道教育大学旭川校で,特別支援教育の分野の教授をしております安達と申します。 少し自己紹介になりますが,障害者福祉センター「おぴった」にある発達障害者支援道北地域センター「きたのまち」の顧問をさせていただいており,上川教育局の特別支援教育の子ども発達推進協議会が上川保健福祉事務所にあるのですが,そこで就学前から学校へという形でいろいろと子どもたちの支援に関わらせていただいております。
 今,市長から,発達障害,乳幼児健診,乳幼児期の把握の問題と,発達障害特性をもった子どもたちの増大についてのお話しがありましたが,僕もいろいろな親御さん,子どもさん,現場の先生方と話をしたり聞いていく中で,非常に大事なことは,障害を持ったこどもの支援と子育て支援というのをつないでいくことだと思いました。
 今,全国レベルで発達障害者への支援施策検討会があり,その報告の中に出ておりますが,「診断前支援」という言葉が新しく出てきているところです。これまでの障害児支援と子育て支援を分ける考え方ですと,診断が出てからその障害に特化した支援ということになってきまして,子育て支援という広い枠の中で,そういった障害特性を持った子どもたちへの支援はなかなか難しいという部分があったように思います。発達障害特性を持った子どもがいる親御さんも,一番最初は子育て不安から始まってくるというのがあり,その中で,あなたのお子さんは発達障害のリスクがありますよということをどう伝えていくかということが,現場でのデリケートな問題になっており,それを伝えることで支援が切れるということが起こってくるということが多々あります。そういったケースと,またほかに虐待という問題がありますが,そこの部分が少なからずクロスしたり,リンクしたりしているということがあり,そういう意味合いで考えますと,親御さんの不安な気持ちをうまくサポートできるような,そういった受け止めができるシステムということがすごく大切になってくると思います。
 乳幼児健診のあり方一つ取っても,障害リスクを浮かび上がらせる,それを明るみに出すというようなことではなくて,その親子がどんなところで苦労して大変な状況にあるのかというようなことを受け止められるような人,支援者の厚みとでも言うのでしょうか,そういったものが必要になってくるように思います。子育て支援センターと,例えば発達障害支援センターと子ども発達支援センターなどがきちんと連携を取っていくということも必要だろうと思いますし,健診の中で広く浅くリスクを把握しつつ,子育て支援体制を充実していって,その中で子育て支援をすると,元々あった障害特性が二次的にそれほど悪化せずにすくすく育っていく場合もあります。
 ですから,そういった親子の環境,子育ての環境を整えることによって,二次的な問題に行き至らないようなケースをどれだけたくさん確保していけるか,つくっていけるか,導いていけるかということが大事なように思います。そういうことで考えますと,診断の前の支援ということをいかにつくっていけるかということが大事なように思います。
 今,上川教育局,上川保健福祉事務所の方で上川圏域での個別支援計画というのを作成しておりまして,就学前の健診のところから情報を積み重ねていって,そして特別支援教育につなぐというものがあります。その中では障害という言葉を使わず,その子の成長の中の良いところと,気掛かりなところを明確にしていって,具体的なサポートにつなげていこうというような様式を用意して上川管内で発信していくというような形で考えております。今日もファイルを持ってきておりますので,よろしければ後ほど見ていただければと思います。そんな動きとも連動しながら,旭川の中でも子育て支援の体制を,先ほど言いました障害があるとかないとかではなくて,一人の子どもとしての支援をするシステムをつくっていく必要があると感じております。

市長
 市の通園センターなどに相談に来られて,子どもが発達障害だと思ってショックを受けたお母さんが,それから全然来なくなってしまったとか,そのあとフォローできなくなってしまったことなどはありますか。

子育て支援部長
 通園センターまで来れば何とかなるのです。その前に何をやるかということで,今年から10か所の保育所,幼稚園に市の発達支援員が行き,お子さん方の様子を見ます。保育所,幼稚園の先生方は,なかなか直接お母さん方に言いづらい部分がすごくあり,もし言ってしまったら,人間関係が壊れてしまって,その子を保育所に連れてこなくなったり,そういうことも想定できるものですから,市の支援員がお母さんに話をしていくというシステムを,まだまだ十分ではありませんが,今年から実施させていただいており,この取組を少し深めていかなければと思っています。

安達
 そのシステムがスタートしたということは承知しております。
 北海道に以前,母子通園センターのシステムがあったんですね。今の子ども発達支援センターは,その前は母子通園センターということになっていまして,その時には自立支援法ではなかったので,障害ということを認定しない,いわゆるグレイゾーンの発達障害の子を含めてやっていて,そこで制度的転換がある中で,母子通園センターというものが地域の支援力を高めていくことも,発達支援センターということと,それに併設している児童デイサービスに分かれていったんですね。
 上川保健福祉事務所の子ども発達支援推進協議会に出席していて,上川管内の各子ども発達支援センターの職員の方から聞くと,器は一つなんだけど,やることが増えていて,母子通園センターの業務は変わらず残っているわけですよね。そして子どもたちは増えてきているので,ウェイティングリストが非常に長くなっている。そして外での業務も必要ということで,そこが非常にマンパワーが薄いと言わざるを得ないという状況になっております。また目の前に子どもがいるので,やはりそちらの方に向かわざるを得ないというような状況があり,なかなかそのシステムとしてはあるのですが,外に十分出て行って,その地域の幼稚園・保育園の支援力を高めていくというような形の働きかけというのが,実際にはなかなか難しい状態にあるということは,子ども発達支援推進協議会の中でも聞いております。
 そのような問題点もある中で,先ほど言った道の発達障害者支援センターが函館と札幌と旭川と帯広と4センターあるのですが,その4センターの全体協議会の中で,是非発達障害者支援センターも子ども発達支援センターに連携しながら地域の幼稚園・保育園の支援力を高めていけないかというプロジェクトも今動かしているところです。
 受け止めていただくための子ども発達支援センターのマンパワーの部分が,非常に不安な状況であるということを現実的な問題として少し頭に置いていただければと思います。

横田
 北海道私立幼稚園協会旭川支部の総務理事で明照幼稚園の園長の横田と申します。
 私はこの10年来,子ども女性支援会議や早期療育会で発達支援会議を行ってきています。
 まず一つには,市で行っている「子ども巡回相談事業」は非常に好評です。今年,3か所の幼稚園で実施していただき,3月まで実施していただくということですが,実施した幼稚園にお聞きしましたところ,非常に評判がよいです。
 私たちがその子どもが少し心配だなと思っても,そのことを私たちが保護者に伝えては,人間関係を壊してしまったりなど,いろいろな問題がありますので,言えないということがあります。それが今回の担当の相談員の方が,非常に良いお話しをしてくれて,助かりましたというお話しを聞いておりますので,是非とも来年はマンパワーを上げてたっぷりとやっていただきたいと思っています。とても大事なことですので,是非予算をつけていただけるようお願いしたいと思います。とても良い施策だと思います。これはうちの川畠支部長から必ず伝えてくるように言われてきたことでございます。
 さて,児童相談所や子ども通園センターに行き,この子には特別支援が必要だよということになった時に,2歳,3歳ならまだいいのですのですが,この子どもたちを小学校の特別支援につなげるためには,幼稚園・保育園で受けなければいけないのです。ここが希薄なのです。小学校になりますと,昨年から特別支援が始まりましたので,補助の先生がついたり,それなりの体制は整えられました。しかし,それが同じ文科省の管轄でありながら幼稚園ではないのです。そういうお子さんを一人お預かりしますと,北海道に補助金の申請をします。子ども一人につき年間約27万円,2人では約57万円の補助金がつくのですが,3人分を申請するとまず認められません。2人までしか認められません。道は全体でこれだけと割り振りますので,3人出そうが4人出そうが認められません。一人50何万円で6人分であれば,先生を一人雇えます。仮に6人いて,そのうち2人しか認められなかったら,その差額は全部幼稚園で持ち出しになります。お金のことは言いたくありませんが,一人そういうお子さんが来ると,1年目や2年目の先生では引き受けられません。ですから園長が駆けずり回ったり,もしフリーの主任がいましたら,ずっとつきっきりです。
 ここで私はあまり幼稚園と保育園の違いとは言いたくはなかったのですが,旭川市も機構改革で「子ども支援部」ができ,子どもに関することは一緒になりました。是非これは市長に知っておいていただきたいのですが,例えば保育園で特別支援を行うとなると,それなりにマンパワーを,予算をつけてくれます。しかし,幼稚園は文部科学省の管轄ですから,道に申請するしかないのです。私の幼稚園にも今年3人います。この子どもたちをこの3歳,4歳,5歳と,通園センターに行ったり,療育園に行きながら,幼稚園,保育所に入れて,そこでしっかり見ることが小学校につながるんですよね。そこが今弱いところです。旭川市だけではなく日本全体で弱いところです。ここを何とかしなければ,お母さんも大変,子どもは育っていかない,そして幼稚園も保育所もヘトヘトということになっています。以上,幼稚園の現状をお話ししました。

東峰
 旭川民間保育所相互育成会理事長の東峰と申します。
 幼稚園と保育園の違いをはっきりさせなければならないところがありますが,認可保育園で特別支援教育を行われているところはありません。この数十年,障害児保育というのは制度に則って,3対1という保育士と障害児の割合で,特別支援というわけではなく,障害児保育を行っています。認可保育園53か所のうち,現在約16か所で指定されて行っています。
 保育士と障害児の割合が3対1ということについてですが,実際には軽度発達障害,言葉としては軽度発達障害はふさわしくないと思いますが,軽度発達障害の子どもたちは6%前後ぐらいいると言われています。5歳児健診を行っている自治体では10%を超えるというデータもあります。定員100人の保育園では,障害児保育を行っていなくても6,7人いて普通なのです。軽度発達障害の子どもたちを預かり,次につなげる場所として,道の施設の療育センター,医大,療育園といろいろ療育施設がありますが,これらの受皿が満杯になっているとお聞きしています。それでその連携はしながら,軽度発達障害を持っていても,日常の保育は保育園の方でやっていきましょうという形で実施しているのが現状です。
 例えば3歳になった段階で,軽度発達障害など,いろいろなことが就学前に分かってくるのですが,その段階で自分のところには専門の保育士がいません。やはり専門の転園を勧めるということもあったのですが,帯広市は子育て支援を展開する中で,すべての保育園に障害児が入ってもいいように受入れ体制を整えています。これから先もそういった子どもたちは,どんどん入園してくると思いますので,まずは適正配置と申しましょうか,障害にあった配分をしていただきたいと思います。特に認可保育園の場合は,こちらの方から選ぶということができず,また途中で発見した場合の手立てがありません。
 今年度から実施された巡回相談は有効な手段だと思っております。当初,こちらとしては,保健師,もしくは医師の専門的な知識を持った方が巡回相談に来たうえで,ダイレクトに次につながる手立てとして利用していきたいという思いがありました。私どもは医療の専門機関ではありませんので,どのように次につなげるかという手立てとして,巡回相談を利用するという実態があります。今年度は確か200万円の予算しか付いていないと思いますが,もう少し予算を増やしていただき,子どもたちが行き場がないということがないようにお願いしたいと思います。
 感染症についてですが,つい最近も旭川の小学校で150人ぐらい,保育園で40名ほどの子どもたちがノロウィルスに感染し,大変な状況になっているそうです。小学校は学級閉鎖,学校閉鎖となるのですが,もっと抵抗力のない子どもたち,0歳からお預かりしている保育園では学級閉鎖はできないし,保育園を閉めることはできないのです。10年ほど前に旭川が日本で一番先にO26の集団感染した場所として登録されたのですが,例えばO157の子どもがいたとしても,どんどん広がろうが保育園は閉めることができません。
 それで,旭川医師会の協力を得て感染症連絡票という独自の様式を定め,「保育園に登園しても他の子どもにうつすおそれがない」という医師の診断をこの連絡票によって園に知らせていただいており,同医師会と連携を図りながら,感染症の予防,児童の安全の確保に努めています。
 しかしながら,連絡票の対象とする感染症の範囲は,第2種の伝染病,はしかやインフルエンザや水疱瘡など限られたもので,今回のノロウィルスに関してはこの連絡票の対象となっておりません。
 また,認可保育所は,保育に欠ける子を預かっているところなので,保護者に園を休むことを促す,つまり家庭での療養を求めることの難しさはあります。
 幼稚園も小中学校も閉鎖することができるのですが,一番抵抗力のない子どもを預かっている保育園はそれができませんので,感染がまんえんしても,それに対する手立てがありません。感染を防ぐ手立てについて市の考え方を示していただければありがたいと思っています。保健所の指導では,かなり厳しいレベルまで衛生確認を求められていますが,園児の親御さんはなかなか仕事を休めないので,少し無理してでも預けるという現状があります。そういうことを市の方も考えていただければすごくありがたいと思っております。

子育て支援部長
 児童数が約400人の小学校で,感染した児童が約150人,休んだ児童が約70人ということがあり,分かったその日の11時に臨時休校を決めたのですが,留守家庭児童会を持っている学校で,そこに通っている児童をどうするか非常に問題になり,私どもは保護者に連絡し,迎えに来ていただきたいというお話しをさせていただいたのですが,仕事があるので迎えに来れませんということでしたので,十数人の児童を留守家庭児童会でお預かりせざるを得なかったといったことがありました。
 当然,給食はストップさせていただきましたが,そうすると,親御さんが仕事を抜けて,お弁当を置いて行かれました。次の日からは,学校は臨時休校しましたので,留守家庭児童会もこれに合わせて休みにさせていただきました。
 保育所ではこれができません。そうすると,ファミリーサポートセンターでの支援であるとかが考え得るのですが,残念ながら旭川では病児保育の体制が非常に薄いものですから,保護者が無理をして保育所に預けるケースがあると聞いています。これは何とかシステム的にやりたいと考えているのですが,現実問題として,現状,保育所を閉鎖していいということにはなっていないものですから,非常に苦慮しているというのが実態です。

市長
 保育所だけはだめなんですね。

子育て支援部長
 閉鎖できないことになっているのです。

東峰
 一番小さい子どもを預かっているのですが,保育所だけがだめなんですね。

子育て支援部長
 今問題になっているのは,新型インフルエンザが発生した時にどうするかということです。これが非常に悩みの種になっています。こちらの方も将来的なことも合わせて考えていかなければいけないと思います。

市長
 分かりました。ありがとうございます。

長野
 旭川児童相談所の長野と申します。
 相談所で扱っている18歳未満の相談のうち,0歳から6歳までの相談が,毎年約5割あります。ですから,子育ての期間,乳幼児の時期はとても相談件数も多く大事だということだと思います。
 先ほどの市長の説明の中に,療育機関が不足しているとありましたが,愛育センターが4月にすぐ定員を超え,また第二庁舎5階のこども通園センター「ひまわり」も満員という状況では,せっかく健診で障害や発達に遅れのある子どもを発見しても,通うところがないという現実があります。北海道も平成元年から母子通園センターの早期療養システム推進事業を行っていましたが,これは発見しても対応できなければ意味がないということで始めたのです。その逆を言えば,健診の精度が上がれば,ちょっと気になるお子さんが増え,そうすると対応する場所や人もやはり同じように増えていかなければ対応できないということで,これが非常に難しいところだと思います。
 それから,お母さん方からの相談を受けて,その後どうするかというところで,次のステップの場所がないとなかなか難しいです。先ほど市長が言われたいろいろな機関についても,行ってすぐみてもらえるというところはありません。それでは,発見していただいても,どうするのということになります。
 相談を受けて気になるのは,いろいろな機関があるのですが,それぞれで情報を共有するような,そういう部分がなく,皆で対応を考えるような場所がありません。
 今年,市の機構改革をされましたが,できればもう一歩踏み込んで児童相談所をつくっていただければよかったのではないかなと思います。「子育て相談課」の「課」の部分をちょっと変えればなるような気もしますので,課題として認識しておいていただければありがたいと思います。

市長
 児童相談所の議論は市役所内でもいろいろさせていただいています。必要なんですね。

子育て支援部長
 身近なところでできるというのが,市役所の特徴と言いますか利点でもあると思いますので,市役所に相談いただける市民の方というのは,児童相談所,上川支庁,あるいは教育委員会にお話しするのとはまた違った感覚で,相談に来ているということが非常に多いです。一番身近なところにありますので,そういう中でいろいろな本音というのが見えてくるのだろうなと思っています。
 それから,今,市では愛育センターに肢体不自由児の施設と知的障害児の施設を持っています。知的障害児通園施設である「みどり学園」の定員がすぐにいっぱいになり,現在,定員を超えてお引き受けしているという状況ですので,何とかしなければならないという課題があります。
 こども通園センターですが,ここは今のところは空きがあると思いますが,11月,12月になると満杯になってしまい,その後なかなかお受けできないという状況になります。
 両施設とも物理的な要素もありますので,一概に何かすぐできるかというとそこは難しいので,どういうことができるか,いろいろな工夫をしながら考えていきたいと思っていますので,ご協力をお願いしたいと思います。

相澤
 小学校長会の相澤でございます。
 昨年度から特別支援教育が完全実施となり,市では30名程度の支援員を任用し,学校に配置していただいております。大変財政難な折,このように多くの支援員を配置していただき,心から感謝を申し上げたいと思います。
 こども通園センターと学校との関わりについてですが,私の学校にセンターから「平成20年度入学者の引継について」という文書がきました。このように通園センターと学校にそれぞれ個別の支援計画があって,その中で継続して計画を立てながら行っていくことは大変ありがたいシステムであると考えていますが,通園センター等に通っていない子どもたちの保護者の方々が,安心して相談することができ,今後の方向性をある程度決めることができる場所があって,それを行政が受け止めながら学校と連携して行うという仕組みになると,より子どもたちの支援計画が充実すると思います。
 私の学校では言語の教室があるのですが,構音障害のあるお子さんについて,就学前にこれが分かれば,もっと早く何らかの手立てが取れたのではないかということを考えましたら,就学以前からのいわゆる個別の支援計画ができて,そして就学後にいわゆる特別支援教育の理念をずっと追い求め,行政と学校,そして社会がつながっていくようなシステムが今後必要なのではないかと思いました。
 市の財政状況は非常に厳しいということがありますので,お金に頼らずに,知恵や汗を出しながら,何とか子どもたちの幸せのために進めて行けたらいいなと考えています。

飛世
 小児科医の飛世といいます。
 昨年,医師会の学校医委員会で,特別支援教育の旭川の現状というシンポジウムのようなものを開催し,安達先生や横田先生,教育委員会にも来ていただき,旭川の現状をお話ししていただいたのですが,やはり連携がうまくいっていないということと,マンパワーもお金もないという状況であり,心配しています。
 以前に比べて,いわゆる気になる子,何か少し変かなという子が増えてきています。環境の変化など様々な要因がありますが,やはり家庭の育児力が落ちているので,子どもが落ち着きがないとか,何か言葉や行動が少し変だとかというようなことがあり,現状のままではこれからもそういう子が増えていくのではないかと思います。ですから,そのような子どもたちに気付いた時には,やはり連携というのがすごく大事だと思います。個人情報の関係があり,うまく行かないのかもしれませんが,知っていたら何とかなるのに,と小児科医同士で話をしているのですが,何とかうまく連携できるような仕組みができないのかなと思っています。
 少し気になる子がいましたので,そのお母さんといろいろ話をしたのですが,子どもが2人いる母子家庭で生活保護を受けており,3歳の子どもをたたくようになってしまったそうです。そこから虐待などが始まりますし,たまたまその子が保育園に行っているのが分かったので,私が園医としてそこで話をしたところ,この子は少し変だなというところがあり,そのお母さんもとても子育てが大変だったので,お母さんは働いていないけれども,保育園に入所していただいて,子どもが保育園にいる間だけでもお母さんを楽にして,親子の関係を何とか保とうとしてきたということを,初めてお聞きしました。今回は,私がその保育園の園医で,そしてたまたま私のところを受診してくれたので分かったのです。幸いなことにその後,その子は何とかうまくいっていますが,そういうことをもう少し早く分かることができれば,重大な事態にならずに済むのではないかと思います。何とか連携してうまくいく方法を考えていただきたいと思います。
 小児科医ですから,子どものことは何でも分からないとだめなのですが,発達障害というのは特殊で最近になって増えてきていますので,私も学生時代には習わなかったですし,なかなか判定するのは大変で,医大や厚生病院,療育センターなどの先生方が主に診るということになりますので,私たちに紹介されてきても,結局は医大などの先生にお願いすることになり,2,3か月待ちということもありますので,少し変だなと思ったら,市の方で把握しておいていただき,お母さん方は受診するまで不安ですので,話だけでも聞いてもらえるようにできれば,お母さん方の不安も少し和らぐのかなと思います。

市長
 ありがとうございます。情報の共有化ということについては,皆さん同じことをおっしゃるんですけどね。

子育て支援部長
 情報の共有化ということで皆さんからいろいろなご意見をいただいております。私どもも,やはり情報を共有することが子どもたちの幸せにつながると考えています。
 虐待の場合に,子ども支援ネットワークの中でお話しすることはある程度可能ですが,守秘義務ということがあります。医師も医師法の中で守秘義務を持っていますので,私どもが医療情報を得ることができないという部分もあります。
 先ほど相澤先生の方からお話しがありましたが,通園センターに通っているお子さんは,保護者の了解を得て,学校につないでいるわけです。ですから,保護者の了解を取れる状態であれば,何とかできるのですが,残念ながらなかなかご了解いただけない方もいらっしゃいます。私どもとしては,本当は保護者に言う前に情報を共有できれば,一番それが子どものために良いと思ってはいるのですが,残念ながらそれができ得ないということで非常に苦しんでいますが,極力,保護者から情報を提供して良いという了解をいただきながら進めて行きたいと思っておりますので,ご協力をお願いしたいと思います。

安達
 情報共有の難しさは全国的な問題ですが,文科省と厚労省が連携した,特別支援教育を充実させる事業があります。その全国2か所の特別モデル地域に名寄市がなっており,その中の「相談支援ファイル事業」という,親が自分の子どもの情報をファイリングしたものを持って,いろいろな所を回るということを,今,名寄市で行っています。
 親が持っているそのファイルには,医療情報,幼稚園の情報,そして例えば子育て支援センターの情報がファイリングされていきますので,その情報を関係者間で見ることができ,また保護者の了解を得て複写したりすることが可能です。先ほど申しました上川版の個別の支援計画をベースに,今,名寄でそのプロジェクトが進んでおりますので,そういった形で,上川の中でも相談支援ファイルを動かしていこうとしているところです。
 問題は,親が相談支援ファイルを持ってくれるかどうかです。一番大事なことは,障害児のための支援ではなくて,子育て支援であって,特別な支援ではないということでスタートしていくことです。親が診断名を告げられた後,子どもをほったらかしという状態になることが多いです。ほったらかしと言うと言葉は悪いですが,具体的に子どもとどのように関わればいいか,そういった知識・経験がない中,自分の子どもが自閉症の可能性があると告げられてしまうと,それは違うという自律否定に走っていき,その後受け付けなくなってしまうケースが非常に多いのです。
 ですから,子育て支援だというところからスタートして,そうして相談支援ファイルなどにもつないでいくことがいいと思います。
 発達障害支援センターと自閉症親の会で行った「ペアレントメンター支援事業」という,自閉症の子どもを育てた経験のある親が,そういったリスクを持った不安な親の話を聞けるように,心理臨床の簡単な入り口の部分と,どうやって親の話を聞くのかということについての研修講座を10月に開催し,今後は,ペアレントメンターの資格を持つ親の養成をしていきたいと思っています。そういった親たちが健診などの場で,子育て上のいろいろなノウハウや情報などを伝えたり相談を受けたりできるような,そういったことで協力をしたいと思っておられる親たちもいますので,これらをうまくつないでいきながら,子育ての中で情報がうまく工夫されていくというようなシステムがあるといいと思います。

新井田
 旭川保育協会,秋月保育園の新井田です。
 子育て支援ということで,お母さん方が非常に困って相談するというケースは,やはりお子さんに身体的あるいは精神的な面でいろいろ問題があるという,そういうお母さん方の支援ということがどうしてもクローズアップされる傾向にあるのですが,子育て支援というのはそういうお子さんも含めて,通常のお子さんの子育てをどのように見ていくかということだと思います。
 保育園に来ている親を見ていますと,特に問題のないお子さんの親も,非常に子どもたちの言動に対して戸惑っている,子育てに迷って困っているお母さんたちがたくさんいると感じます。問題のあるお子さんのお母さん方については,非常に悩みを持っておられて,なかなかそれを口に出す,相談しに行くということは非常に勇気が必要であります。気楽に相談に行くというお母さん方はあまりいないと思います。どうしても隠したがる傾向があり,どんどん悪化していくということもあります。私たち現場にいる者が,少しでもそういう兆候が見られれば,お母さんに対してアドバイスなり,あるいは相談をすすめることができるのですが,先ほどもお話しがあったように,保育士がお母さん方にそこまで言うのは,これまた勇気のいることです。もっとお母さん方が気楽に相談することができるような所がないものだろうか,障害を持っているお子さんがいるお母さんばかりでなく,子育て全体に関して相談ができるところがないものだろうかと思います。
 そこで,思いつきですが,旭川の小,中学校は区域ごとに分かれていますね。その区域割りがいいかどうかは分かりませんが,旭川市の保育園,幼稚園関係もある程度地域ごとに幾つかの区域をつくり,その中に中核となる場所をつくって,そこに相談員を1名か2名配置して,その地域のお母さん方の相談などを受けることができるようにしてはどうかと思います。今の体制よりも非常に細かくなるわけですから,お母さんたちも非常に近い所にあるということで,行きやすくなるだろうと思います。そういう環境づくり,場所づくりも,予算の関係もあると思いますが,考えてみる必要もあるのかなと思っています。

東峰
 今,保育所保育指針が変わり,子どもを預かっているだけではだめだということで,相談援助事業というものを遵守事項としてやっていかなければいけないというように認可保育園は変わってきました。それとともに,努力義務として地域の相談援助に努めなければならないとなりました。それをいかに周知するかについては,幾つかの地域に分けるという方法もありますが,53か所も認可保育園があるのですから,そういったことに関して,保育園はもっともっと垣根を低くして,相談等に来やすいようにしていただきたいと思っています。
 今,園開放事業として月1回,園を開放して地域の親御さんを招き入れております。いつも問題になるのは,どのように子どもたちの様子をつなげていくかということです。確かに保育士から伝えるのは難しいですが,それぞれの保育園には嘱託医がいますので,その嘱託医の方から,健診でこういうことがありました,と保護者に伝えるなど,今回の巡回相談はその相談の中で,こういったことがあったので相談してみませんかなどと,第三者の力をお借りしながら,次につなげるという方法もあるのではないかと思っています。
 認可保育園は0歳から預かっていますが,日常子どもを見ていると,ちょっと違う,気になるお子さんが必ずいます。それをどのように見ていただくかというのは,例えば1歳半健診に子どもが行きますよといった時に,保育園での日常の姿を保健師に知っていただく方法と,逆に健診時に保健師が気付いたことを保育園に返していただくというようにすると,本当にスムーズに次につなげることができるのではないかなと思います。確かに個人情報という問題があって,その子どもに関しての情報をこちらの方から市へ伝えたということに関しては問題はあると思います。今,小学校につなげる部分に関しては,小学校に行く個人情報に関しては法に抵触していないと言われています。しかし,情報公開ということに関して,自分の情報をどのようにつなげたかということに関しては誰も責任が持てないという状況もありますので,こういった横の連携をとることによって,いくらでもアイデアは出てくるのではないかと思います。差し当たっては,日々の保育や幼稚園での状況と健診結果をつなげていくことは,お金を掛けずにできますので,すぐに実施していただければと思います。特に巡回相談員ですが,今回も気になっているお子さんがおり,巡回相談の方からも次回の1歳半健診の時には保健師の方に様子を伝えてくださいと言われております。もしかしたら個人情報に抵触しても伝えなければならないことも中にはあるのではないかと思っています。ぜひ市の方で協力していただければ,いくらでもこちらの方から情報を提供することができますので,よろしくお願いいたします。
 
横田
 幼稚園でも月1回程度,まだ幼稚園に来ていない小さいお子さんをお引き受けする園開放事業を全園で行っており,この時にお母さん方から,子どものことで心配ごとがあると相談を受けます。例えばちょっと目が弱いとか,目が合わないとか,何か言っていることが分からないとか,園開放の際には毎回必ずそういう相談があります。そういうようなことは日々,各園で行っておりますので,どこかにセンター的な役割を持つところを設けなくても,今ある組織をうまく利用することによって,心配な子どもたちを見付けていくことはできると思います。通園センターに行ってごらんなさいとか,相談の窓口に電話を掛けてごらんなさいというようなつなぎ方をしています。
 また,小学校へつなぐ問題の中で,今個人情報などの問題を超えてつながなければいけないのではないかということですが,そのとおりだと思います。通園センターに行っていたのに,学校に行く時には言わなかった親御さんが実際にいます。そういう時には,その先生から幼稚園に個人的に話そうと電話が来ます。これはその子どものために,個人的に伝えたい,個人の付き合いの中で話そうということで,そのようにやっていることもたくさんあります。

村田
 ウィメンズネット旭川の村田と申します。
 女性の人権ネットワーク団体として,旭川市内に事務所を設け,相談業務に当たっております。相談を通じて,いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス)の被害に遭っている方が非常に多いことが分かり,民間シェルターを設けまして,お母さんと子どもたちの緊急避難,そこから自立支援ということで,その方の事情,背景に応じた必要なサポートを展開しております。これらの取組を通じて思ったことを,2,3,お話しさせていただければと思います。
 施設を利用される方は,30代の女性が多いということがあり,当然お子さんも生後2か月,6か月,就学前,小,中,高校生,場合によっては成人された子どもさんも伴って,親子で施設を利用するということになっています。そういう親子の自立支援ということで,警察や裁判所に関わる初歩的な支援ですとか,医療関係の支援,行政的な支援ということで,ありとあらゆる関係機関との連携がなければ,緊急避難から自立支援までのサポートは難しいということがあります。市役所の中では,子育て相談課はもちろん,市民課,保護課,国民健康保険課,税務部など,学校,教育委員会を含めて,ありとあらゆる部署と日々連絡調整を取りながら,サポートをしております。取組始めて13年が経ち,最近では,日々の連絡調整も迅速になってきたと感じていますが,担当の方によって,病気や児童虐待の問題など,そういうことに精通して,どういう手続きが取れるかということをよく知っている方と,あまり知らない方など対応に非常に開きがありますので,直接相談にあたられる方,また直接市民と接する窓口にいる方への研修の徹底を是非お願いしたいと思います。対応される方の手続きの進め方等についての情報不足によって,そこに相談にいかれた方の受けられるサービスに開きがあっては,安全上の問題もありますし,非常に困ります。また,知識がないばかりに大変傷つけられる物言いをされたということも聞いておりますので,その都度,関係者にお話しをさせてもらう機会をつくっていただいたりしていますが,そういう意味での研修の徹底を是非手がけていただけたらと思っています。
 それともう一つです。いわゆる緊急相談ですが,役所の方の勤務時間は9時から5時。私たちも残念ながら平日は11時から4時までと,相談業務が日中となっています。月曜日に事務所に出てきましたら,留守電に「助けてください。どうしたらいいのでしょう」と悲鳴のようなSOSが入っていたりすることがあります。「携帯にすぐ折り返し電話ください」と入っていても,土曜日の夜中や日曜日の朝4時という方もおり,その後再度電話があるかというと,必ずしも電話があるわけではなく,その方たちはどうやってしのいだのだろうかと大変気にかかるケースが多々あります。このようなケースの多くは夜遅くに家庭内という大変閉鎖的なところで暴力被害が発生しているわけですが,相談体制を広げるため,時間帯の延長や日祝祭日における対応ができないでしょうか。札幌市では暴力防止センターを設置しまして,相談時間の延長などを手がけたりしておりますが,そのようなことも検討していただけたらと思います。
 また,先ほども長期的な,継続できる医療関係,そういうところが大変不足しているというお話しがありましたが,いわゆるDVですとか,児童虐待などの暴力被害に遭った女性と子どもたちは,心身に深いダメージを受けており,回復がなかなか難しい方々が多くいます。女性の場合はうつ的傾向が強いということでクリニックなどに長期間かかられる方も大変多いです。やはり暴力被害に遭った方々のメンタルケアをどうしていくかが,大変深刻な課題ですので,そういうことを勉強された専門の方が,そういうプログラムをもって,被害に遭った方に対応することができるような仕組みを是非この先考えていってもらいたいと思います。

斉藤
 神居西地区の主任児童委員をしております斉藤と申します。
 私どもは,虐待の早期発見を目的として,子育てサロンを行っています。市からもいろいろと援助いただいており,ありがとうございます。
 子育てサロンに来ていただいているお母さんたちはまだ良い方だと思いますので,もっと多くの方に知って,来ていただくため,積極的な広報をしたいのですが,広報誌などの力を借りての受け身での広報活動しかできていないのが現状です。
 以前,主任児童委員の全国大会に参加した時の話ですが,名古屋市では,市が封筒一枚一枚に赤ちゃんが生まれた家庭の住所と名前を書いて,ガーゼハンカチ1枚と粗品を用意して,民児協の方にお配りしまして,主任児童委員なり児童委員がそれを持って,4か月未満の乳児がいる各家庭に「エンジェル訪問」ということで訪問します。もしも個人情報を紛失しては大変ですので,原則1回につき一人に1通しか持たせないそうです。
 私たちが訪問する際の一番の問題は,「あんたたち何?」という感じで戸を開けてくれないということです。ですが,不思議とハンカチ1枚でも物をもらえるとなると皆戸を開けるそうです。それをきっかけとして,子育てサロンの紹介をしたり,地域にも隣近所に児童員や主任児童員がいますので相談に乗りますよと言ったり,このような取組を名古屋市では17年前から行なっています。
 埼玉県の狭山市では,主任児童委員と保健師が必ず一緒に生後4か月までの乳児がいる家庭を「こんにちは赤ちゃん事業」ということで家庭訪問して,その中で問題のあるお子さんの発見に努めていて,訪問の後,保健師と地域の方々が集まって,問題解決に向けいろいろと頑張っていくということを行っているそうです。
 私たちは何か資格があるわけではないので,問題解決のために何かをしてあげられるわけではないかもしれませんが,市やそういう支援をしてくれるところと連携するための橋渡し役だと思っていますので,皆さんの周辺にそういう民生委員・児童委員が居るということをお知らせすることも効果があるのではないかと思います。また保健師と同行することで,私たちもどこにどういうお子さんがいるか把握できますし,虐待については,学校の先生たちは情報をくださるようになり,家庭訪問してお伺いすることもあります。
 まだ地域の方たちには民生児童委員の存在が知られていないということもありますが,様々な問題の抱えている児童などの発見という面でご協力できるのではないかなと思います。

市長
 高齢者の情報については,民生委員さんに提供させていただけるようになりましたね。

斉藤
 民児協の中でも,名簿の取扱いに関しては皆とても気を遣っています。高齢者に関することはいろいろと情報が来るのですが,子どもに関することはまだまだです。民生委員も児童委員を兼ねているとはいえ,やはりまだ子どもの問題に関しては少し意識が薄いと思います。どこに,どういうお子さんがいるかということを知っておくことは大事ですので,そういう意味でも名簿がほしいと思います。

市長
 お年寄りの名簿を出せるのだから,子どもの名簿を出せないということはないのかなと思いますが,個人情報保護委員会にかけなければいけないんですよね。そういう要望が多くなってくるのであれば,少し頑張らなければいけないかもしれませんね。

橋場
 旭川養護学校の橋場と申します。貴重なご意見がたくさん出ましたので,私の方はこういうことがあったらいいということをお話しさせていただきます。
 養護学校に来ている保護者の方々を見ていると,やはり子どもたちに元気になってほしいという思いが一番あります。やはり子育てをするということがいかに大変かと思います。 昔は近所に世話焼きのおばさんがいて,預かってくれるなどがありましたが,子育て中の親たちが,地域で本当に行きやすいところ,気持ちがリフレッシュするとか,気持ちが晴れる,ゆっくりできるとか,おしゃべりできるなど,そういう環境をつくってあげたいと思います。実際に,親たちに自分の好きなことをする時間を提供すると,だんだんと元気になっていくのを見ています。
 そこで旭川市内の小中学校に空き教室がありますが,子どもたちが授業中にそこを開放して,赤ちゃんを連れているお母さんたちが集まって,情報交換したり,料理をつくったり,子どもとおもちゃで遊ぶなど,そのような例えば「ごきげん子育て」といったことを行っていただけたらと思います。そこでいろいろな情報を共有することができて,また相談員などが巡回して,相談を受け付けることもできるといいと思います。
 是非もう一つやっていただきたいのは,例えば「ママとのコンサート」というようなものを市で開催してもらいたいと思います。子どもたちが走り回って騒いだり,泣いたりしても気にしなくてもよい,子育て中のお母さんたちがとても嬉しくなるような時間を提供していただけたらと思います。

市長
 一緒に同じ境遇の人たちが出会う機会というのが必要なのでしょうね。最近はあまり見ないですものね,外でそういう光景は。

三谷
トキワの森の三谷と申します。
 本日参加されている各関係機関の方々には,いろいろな意味でお世話になっている部分がたくさんあると思っています。そういう方々に助けられながら,親子が生活しているというのが実態です。
 母子生活支援施設で長い間仕事していますが,今の親を見ていると,本当に子育てを知りません。子どもとはこういうものだよと話をするのですが,お母さんたちがそういう環境に育っていないという方が多いので,なかなか理解していただくことが難しいという状況がたくさんあります。
 子育てをするお母さんを育てるということが,今すごく必要だと感じています。そういう機会を私たちも設けられないわけはないのですが,生活を伴っているというところで,お母さんたちもなかなか素直になれないという部分もあり,なかなか難しい面もありますので,違うところで子育てに関する感覚のないお母さんたちに対して,そういう教育する機会があったらいいのかなと最近はすごくそう思っています。
 一般的なお母さんは,子育てに関するアドバイスを,そうか,そうかと聞けると思いますが,一般的な環境で育っていないお母さん方は,それを聞いてもなかなか自分のものとして入っていきません,そういうお母さんが増えているので,何とかしたいと思っています。

市長
 難しい問題ですね。一人っ子でしたら,赤ちゃんは見たことないかもしれませんね。

三谷
 赤ちゃんで動かないうちは,かわいい,かわいいと言っていられるのですが,少し動き出すようになると,かわいいが憎たらしいに変わってきて,すぐ虐待につながってくるというのが多々ありますので,そういうお母さん方を何とかしたいなと思っています。

水島
 社会福祉協議会で,ファミリーサポートセンターのアドバイザーをしております水島と申します。
 うちの方でも,発達障害や障害を持ったお子さんの相談が増えてきまして,例えば,上の子が通園センター「ひまわり」に通っているのですが,兄弟を連れて行けないので,預かってもらえないかという相談も数多く受けております。
 私は専門の勉強をしているわけではないので,お母さんの話を聞くことしかできないのですが,やはり多くの方と接していて,誰に相談していいのか分からないとか,少しでも話を聞いてもらいたいという部分でお話しされているのかなというふうに受け止めて,傾聴させていただいております。
 「ひまわり」は見学するだけでも1か月待ち,2か月待ちというお話しを聞いております。「ひまわり」に通えたら,うちの子は良くなるかもしれないという保護者の方の思いがありますので,受入体制の充実を図っていただきたいと思います。

市長終わりのあいさつ
 皆さんからひと言ずつでしたが,ご意見や参考になるお話しや,また私が知らない専門的な部分でのお話しも聞かせていただき,本当に勉強になりました。どうもありがとうございました。
 連携の話が非常に多かったなと思いますし,孤立している人をどうやって身近なところに来てもらうかということが大切だというお話しをいただきました。こども通園センター「ひまわり」の話もそうでしょうし,いろいろ市の部分でも課題があるのかなと思ってお聞きしていました。今日の話を市役所に持ち帰って,子育て支援部などといろいろと協議をしていく中で,少しでも良い方向に向かえるように頑張っていきたいと思っております。
 また,今後とも地域の子どもさんですか,また親御さんのご支援という部分で,お力添えをいただければと思いますので,何とぞよろしくお願いを申し上げます。今日はありがとうございました。


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