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平成23年度 教育行政方針 |
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| 『はじめに』 |
旭川市教育行政の執行に関する方針と主要な施策を申し上げます。 現在,我が国では,未来を切り拓く心豊かでたくましい日本人を育成するため,教育基本法や学校教育法等の改正を行い,教育改革を進めてきております。平成23年度には,授業時数や教育内容を充実した新しい小学校学習指導要領が全面実施されるほか,学級編制や教職員定数の改善,安全な学校施設の整備,地域スポーツや文化芸術の振興など,教育の質の向上を図る施策が打ち出されております。 |
| 『学校教育推進の基本姿勢』 |
はじめに学校教育についてであります。 昨年は,学校教育を計画的・総合的に推進するため,「旭川市学校教育基本計画」を策定いたしました。この計画では,新しい学習指導要領に継承された「生きる力」という理念を共有するとともに地域ぐるみで子どもを育てる気運を高め,充実した教育環境づくりを進めていくことが重要であるとの認識のもと,教育委員会として特に力を入れて取り組む重点項目を位置付けております。 計画推進の初年度となる平成23年度におきましては,このことを踏まえ,基本方針を「家庭や地域と連携し,生きる力をはぐくむ教育の推進」として,4つの重点的な取組を進めてまいります。 |
| 確かな学力を育成する教育の推進 | 重点的な取組の第1は,「確かな学力を育成する教育の推進」であります。 全国学力・学習状況調査における本市の傾向といたしましては,多くの成果が見られる一方で,知識・技能の定着やこれらを活用する力の育成に向けて指導の改善を必要とする課題も見られました。また,学習習慣においては,授業の予習・復習をしている児童生徒の割合が低いという傾向も明らかになりました。 このような状況を踏まえ,児童生徒一人一人が主体的に学習に取り組む態度を養うとともに,基礎的・基本的な知識・技能の習得と思考力,判断力,表現力等の育成を一層重視し,確かな学力の育成に努めてまいります。 そのため,平成23年度から始まる小学校における新しい学習指導要領の全面実施に対応し,各教科等の学習評価に関する資料として「小学校指導と評価の手引」を作成するとともに,平成24年度からの中学校における全面実施に向け,教育課程編成の指標となる「中学校教育課程編成の手引」を作成してまいります。また,ティーム・ティーチング,少人数指導や習熟の程度に応じた指導,学生ボランティアの活用などを通して,きめ細かな指導を充実してまいります。さらに,家庭学習の習慣化に向けた保護者との連携や,児童生徒のニーズに応じた放課後や長期休業中の補習を全小・中学校において実施するなど,確かな学力の育成に向けた取組を強化してまいります。 学習意欲の向上を図る教育環境の整備につきましては,小学校1年生の学級に臨時講師を配置して指導体制を充実するとともに,小学校1,2年生の30人学級化に向けて検討を進めてまいります。 国際理解教育につきましては,外国人英語指導助手の効率的な派遣方法を工夫し,派遣機会の拡充に努めるとともに,全面実施となる小学校外国語活動の研修会を開催し,教職員の実践的指導力の向上を図ってまいります。 特別支援教育につきましては,一人一人の教育的ニーズに応じた指導を充実するため,学級を新設するとともに補助指導員の配置を拡充してまいります。また,関係部局等と連携しながら一貫した教育的支援を行うことができるよう,旭川版「個別の教育支援計画」の普及促進を図るほか,特別支援教育について広く市民の理解を得られるよう,講演会を開催してまいります。さらに,誘致期成会を中心に取り組んでおります道立特別支援学校高等部(知的障害)の本市への誘致活動を積極的に進めてまいります。 |
| 豊かな心と健やかな体を育成する教育の推進 | 第2は,「豊かな心と健やかな体を育成する教育の推進」であります。 児童生徒に生命を大切にする心や思いやりの心,公共心や規範意識などを育てる教育を充実するとともに,健康の保持増進や体力の向上を図る教育を推進してまいります。 そのため,道徳教育につきましては,道徳の時間を要とし,豊かな体験を通して道徳性の育成が図られるよう,学校の教育活動全体を通じて推進してまいります。また,人権の尊重や男女共同参画社会の理念を踏まえ,ともに生きる態度を培い,望ましい人間関係を築く指導の充実に努めてまいります。 読書活動につきましては,読書が,児童生徒の人間形成や情操を養う上で重要であり,さらには言語力や読解力の育成に結び付くものでもあることから,全小・中学校において朝の読書活動を推進するなど,児童生徒が本に親しむ機会を拡充してまいります。また,学校図書館におきましては,補助員の配置を拡充するとともに,データベースを利用した図書情報の有効活用や学校インターネットを通じた公共図書館の蔵書検索などの情報化を進めてまいります。 生徒指導につきましては,教職員と児童生徒の信頼関係を基盤に,学習活動や学校生活において達成感や満足感を味わうことができる教育活動を推進するとともに,家庭や関係機関等との連携を生かした指導の充実に努めてまいります。 いじめ・非行等の問題行動や不登校への対策につきましては,「いじめ・非行防止強調月間」の取組を通して未然防止に努めるとともに,「いじめに関する実態調査」の実施や「いじめ早期対応チーム」の派遣などにより,早期発見,早期対応に努めてまいります。また,全中学校に配置しているスクールカウンセラーを必要に応じて近隣小学校へも派遣できるよう体制を整備するほか,不登校・いじめ相談室や適応指導教室における相談,支援機能の充実を図ってまいります。さらに,スクールソーシャルワーカーの活用などによる問題解決に向けた関係機関との調整機能を引き続き強化してまいります。 児童生徒の体力の向上につきましては,教科体育や体育的行事にバランスよく各種の運動を位置付けるとともに,家庭との連携による望ましい生活や運動の習慣の確立に努めてまいります。また,旭川の自然を生かしたスキー学習等を充実し,運動に親しむ機会の拡充に努めてまいります。 児童生徒の健康の保持増進につきましては,定期健康診断等に基づく各種精密検査の受診率向上や感染症の予防に努めるなど,適切な保健管理や保健指導を行ってまいります。また,小学校におけるむし歯予防対策として,フッ化物洗口の説明会を学校や保護者などを対象に開催するとともに,学校での洗口実施に向けて効果的で効率のよい取組方法を検討してまいります。さらに,「薬物には絶対に手を出さない」という意識を高める指導の徹底を図り,関係機関等との連携のもと,全中学校で「薬物乱用防止教室」を実施してまいります。 学校における食に関する指導につきましては,栄養教諭等と連携を図りながら,食事の重要性などについての理解や望ましい食習慣の形成を図る指導の充実に努めてまいります。 学校給食につきましては,地場で生産された米や野菜はもとより,米粉の新メニューの開発による使用拡大を図るなど,地産地消の推進に努めてまいります。また,引き続き強化磁器食器への切替えを進め,食事環境の整備に努めるとともに,給食費の滞納解消にも積極的に取り組んでまいります。 |
| 安全・安心で快適な教育環境の整備 | 第3は,「安全・安心で快適な教育環境の整備」であります。 地域住民や関係機関との連携を図り,児童生徒の安全・安心を確保し,快適に学ぶことができる教育環境を整備してまいります。 そのため,関係機関との連携により,交通安全に対する意識啓発や交通ルール等の指導の徹底を図るとともに,通学路の安全確保に努めてまいります。また,「子ども110番の家」の『旗』の設置や学校支援ボランティアを活用した登下校の見守り活動など,地域ぐるみの防犯対策を進めてまいります。 学校施設等につきましては,施設・設備の現況調査を行い適正な維持管理に努めるとともに,トイレの洋式化などの改修を計画的に進めてまいります。また,老朽化の著しい末広小学校の増改築に向け実施設計に取り組むほか,愛宕小学校の給水設備改修の実施設計や啓明小学校の暖房設備改修を行うとともに,引き続き屋内体育館の耐震化を進めてまいります。 小・中学校の適正配置につきましては, 「旭川市立小・中学校適正配置計画」に基づき,過小規模校や小規模校の適正規模化に取り組んでまいります。また,市内中心部の中学校の統合につきましては,設置しております検討会議での協議を踏まえながら,保護者や地域住民の理解を得られるよう進めてまいります。 |
| 信頼される学校づくりの推進 |
第4は,「信頼される学校づくりの推進」であります。 保護者や地域住民等の理解と参画を得ながら,家庭や地域との連携・協力による学校づくりを進めるとともに,専門的な知識を深め,様々な教育課題に対応できるよう,教職員の資質能力の向上に努めてまいります。 そのため,地域公開参観日や学校行事を通して,教育方針や児童生徒の活動の様子を保護者や地域住民に情報発信するなど,学校運営について理解を得る取組の充実に努めてまいります。また,中学校区を単位とした27地区において「学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進事業」を展開し,地域ぐるみで子どもを育てる体制づくりを引き続き進めてまいります。さらに,地域の人材の活用や企業との連携による職場体験や職業講話などキャリア教育の推進に努めてまいります。 指導力の向上を図る研修につきましては,教職員を対象とした各種研修会における内容を充実するとともに,今日的な教育課題を踏まえた校内研修が活性化されるよう各学校を支援してまいります。 教職員の意欲を高める取組につきましては,教科指導に活用できる指導資料等を各学校に発信してまいります。また,教職員一人一人が使命感や倫理観を持ち職務を遂行するよう,服務規律の徹底を図るとともに,心身の健康維持のため,職場や家庭の悩みなどについて相談できる体制を整備してまいります。 学校評価につきましては,保護者や地域住民等の学校関係者による評価の充実を図り,学校運営の改善に生かしてまいります。 |
| 『社会教育推進の基本姿勢』 | 次に社会教育についてであります。 生涯学習社会を担う人づくりと地域づくりを進めるためには,生涯学習活動の支援とまちづくりの視点を持った社会教育行政の各種施策を推進することが重要であります。 そのため,「旭川市社会教育基本計画」を踏まえ,平成23年度の基本方針を「市民一人一人の主体的な学びをはぐくみ,支えていく環境づくり」及び「地域の活力と教育力を向上させていく環境づくり」として,社会教育,文化芸術,スポーツの3つの活動分野において重点的な取組を進めてまいります。 |
| 人とまちが生きる社会教育活動の振興 |
重点的な取組の第1は,「人とまちが生きる社会教育活動の振興」であります。 市民一人一人が生涯にわたり学び,豊かな人生を送りながら,その成果を地域に還元できる社会の実現を目指し,市民の生涯学習を振興する様々な社会教育施策を推進してまいります。 そのため,公民館において,まちづくり・子育て支援・環境学習等の今日的な課題に重点を置いた各種講座を展開していくとともに,高齢者がまちづくりや地域づくりの一翼を担うための講座を中心とした「旭川市シニア大学」を中心市街地に設置いたします。 また,科学館における常設展示の更新をはじめ,「ロボット展(仮称)」の開催など,科学への理解の促進を図るとともに,科学館や博物館,彫刻美術館,井上靖記念館のパスポートの有効期限を使用日からの1年間に変更いたします。さらに,中央図書館等の利用者が図書館に隣接する有料駐車場を利用する場合には料金を30分無料とするなど,市民の利便性向上に努めてまいります。 図書館事業につきましては,雑誌スポンサー制度の推進をはじめ,第2次旭川市子ども読書活動推進計画に基づき,読書に関する講演会や絵本講座などの子ども向け行事を実施するとともに,関係部局と連携を図りながらブックスタート事業の開始に向け検討してまいります。 生涯学習情報提供システムにつきましては,利便性や機能を充実し,市民の学習活動を支援するよう再構築してまいります。 地域の教育力を高める交流事業につきましては,コミュニティスクール等への支援を引き続き実施するとともに,学習成果を地域や学校に還元する取組を進めてまいります。 家庭教育の支援につきましては,子育て支援部や旭川市PTA連合会との連携を図りながら,家庭教育支援プロジェクトによる学習情報の一括提供や子育てリーダー養成等の各種講座の開催,自主学習団体の育成などに取り組んでまいります。 小・中学校と連携した取組につきましては,博物館では,展示解説や体験授業などを行う教育プログラムの充実を図り,展示にとどまらない多様な魅力の創出に努めるとともに,彫刻美術館では,彫刻巡回展示の出前授業を実施し,子どもたちが彫刻への興味,関心を深める機会を提供してまいります。 |
| 豊かな文化芸術活動の振興 |
第2は,「豊かな文化芸術活動の振興」であります。 心豊かな活力ある地域社会を実現するため,旭川市文化芸術振興基本計画に基づき,人々の創造性を高め,暮らしに潤いをもたらす各種施策を展開してまいります。 そのため,文化芸術活動を行う団体等への助成を継続するとともに,将来の各種振興施策の財源となる文化芸術振興基金の増額に向け,ふるさと納税や基金サポート商品認定制度など関連情報の周知に努めてまいります。また,旭川文学資料館の運営を市民団体に委託することにより市民との協働体制を強化するとともに,文学資料の整理・研究や企画展示等を充実してまいります。 彫刻のまちづくりの推進につきましては,第37回中原悌二郎賞を開催するほか,新しい旭川駅において,彫刻美術館のサテライトスペースを整備するとともに,コンコース等にも彫刻を設置し,市民や観光客が気軽に鑑賞できるよう努めてまいります。 アイヌ文化の振興につきましては,アイヌの伝統的生活空間の再生に向けた旭川版イオル構想事業計画の策定を進めるとともに,旭川駅にアイヌ文化を紹介する情報コーナーを整備してまいります。また,アイヌ民族の歴史や文化に対する市民の理解を深めるため,新たにアイヌ文化に触れ合うイベントの開催などの取組を進めてまいります。 自主文化事業につきましては,市民文化会館や大雪クリスタルホールにおいて,市民が優れた文化芸術に触れることができるよう,魅力ある公演の鑑賞機会の提供に努めてまいります。 文化施設の整備・改修につきましては,旧井上靖邸の書斎等を井上靖記念館隣接地に移転・再現し,井上文学への理解がより深まる施設として整備するとともに,国の重要文化財である旧旭川偕行社を保存し後世に継承するため,大規模改修の計画を作成してまいります。また,老朽化の著しい公会堂のリニューアル工事を実施してまいります。 |
| 活力あるスポーツ活動の振興 | 第3は,「活力あるスポーツ活動の振興」であります。 本年は,豊かな生涯スポーツ社会の実現を目指し,今後10年間の施策の方向性を示す「第2次旭川市スポーツ振興計画」を策定するとともに,本計画に沿った各種事業の展開に努めてまいります。 スポーツに親しむ環境づくりにつきましては,施設や団体等の情報の一元化を推進するとともに,スポーツ教室や出前講座を開催してまいります。また,総合型地域スポーツクラブの設立や運営を支援するとともに,伊ノ沢市民スキー場の利用促進や今後の在り方などを検討してまいります。 イベントの開催につきましては,バーサーロペット・ジャパンの北彩都地区と富沢地区での2会場開催を検討するほか,障害者のスポーツ大会や合宿の誘致を推進するとともに,旭川ハーフマラソンや各種スポーツ大会への支援を進めてまいります。 |
| 『むすび』 |
以上,平成23年度の教育行政の執行に関する方針と主要な施策について申し上げました。 過日,時代の流れの中での苦渋の選択ではありましたが,旭川北都商業高等学校の閉校式典が行われました。その中で,生徒と教職員,生徒の成長を願う関係者の心の通い合った姿に触れ,改めて教育は人と人との信頼関係の上に成り立つものであることを実感いたしました。 教育委員会といたしましては,学校,家庭,地域,教育委員会がそれぞれの役割を自覚しながら教育力を高めることを通して,相互の信頼関係をより確かなものとし,本市の教育の振興と発展に全力を挙げてまいります。 市民並びに議員の皆様の一層の御支援と御協力をお願い申し上げ,教育行政方針といたします。 |