第2 市営住宅ストックの供給計画

1 市営住宅ストックの更新の手法

市営住宅ストックの更新は,からに掲げるとおり,公営住宅建替事業,公営住宅ストック総合改善事業(全面的改善,個別改善),計画修繕のほか用途廃止の5つの手法から最も有効なものを選択し,円滑なストック更新を進める必要があります。

なお,建替,全面的改善,個別改善における標準管理期間は,次の表のとおりとします。

標準管理期間

建 替

耐火構造

35年から70年

準耐火構造

22.5年から45年

木造(耐火構造と準耐火構造を除くもの)

15年から30年

全面的改善

概ね30年以上

個別改善

概ね10年以上

 

2 公営住宅建替事業

(1) 建替事業の進め方

公営住宅の建替事業は,法定建替事業と任意建替事業の2種に分類され,法定建替事業は,明渡請求や再入居の保障等に法的な位置付けがあります。

一方,任意建替事業は,新たに建設する住宅の構造や戸数に基準を設けるような制約がなく,違う場所での建設や,既存の戸数を下回る建替等が可能です。従って,需要の即したバランスの良い公営住宅の供給が可能となります。

いずれの建替事業も老朽化し,継続管理が不適当となった住宅を主な対象とする点については同様です。

本市の建替事業は,任意建替事業を基本として進めます。

(2) 型別供給と面積の基準

公営住宅の整備は,公営住宅等整備基準(平成10年4月21日建設省令第8号)に従い行うべきことが公営住宅法で規定されています。これにより,1戸当たりの床面積は,19平方メートル以上80平方メートル以下とされています。

また,住生活基本法に基づく住生活基本計画(全国計画)と同(北海道計画)では,それぞれ次の表のような居住面積水準を示しています。

住生活基本計画による居住面積水準(単位:u/戸)

 

居住人数

住生活基本計画(全国計画) /住生活基本計画(北海道計画)

最低居住面積水準

都市居住型誘導居住面積水準

一般型誘導居住面積水準

1人

25.0 25.0

40.0 42.0

55.0 57.4

2人

30.0 30.0

55.0 58.2

75.0 78.7

3人

40.0 40.0

75.0 79.4

100.0 105.0

4人

50.0 50.0

95.0 100.6

125.0 131.3

本市においては,旭川市営住宅入居事務取扱要綱を定め,単身者は55平方メートル以下の住戸に入居させるよう取り扱うこととしています。

市営住宅の建替事業は,これらの基準等に即して計画するとともに,コスト縮減の観点,多様な生活様式への対応,寒冷地特有の事由による居住面積の確保などの諸条件を考慮し,世帯構成に応じ,次のとおりの住戸タイプと住戸面積を基本として計画します。

 

 

世帯構成住戸タイプと住戸面積の設定

世帯構成

住戸タイプ

住戸面積

備考

単身世帯

1LDK

50u程度

 

2DK

50u程度

 

2人以上世帯

 

2LDK

60〜65u程度

 

3LDK

70〜75u程度

 

 

3 公営住宅ストック総合改善事業

公営住宅ストック総合改善事業は,平成12年に創設されたもので,公営住宅のストックの改善や更新について,「公営住宅ストック総合活用計画」や「地域住宅計画」に基づき,計画的に推進する体系となっています。

(1) 個別改善事業

個別改善事業の基本的要件は,次に掲げるとおりとします。

@ 公営住宅ストック総合活用計画に基づいて行う改善事業であること

A 次の場合を除き,原則として平成2年度以前の予算により整備された既設公営住宅を対象とするものであること

・耐震改修は,昭和56年度以前の予算により整備され,旧耐震基準の適用を受けたもの

・エレベーター設置を伴う共用部分のバリアフリー化については,平成10年度以前の予算により整備されたもの

・障害のある人向けの改善については予算年度を問わない。

B 改善後の住宅について,概ね10年以上引き続き管理するものであること

対象とする改善のメニュー

@ 規模増改善(増築,2戸1等)

A 住戸改善(居住性向上,高齢者対応,安全性確保)

B 共用部分改善(居住性向上,高齢者対応,安全性確保,住環境向上)

C 屋外・外構改善(居住性向上,高齢者対応,安全性確保,住環境向上)

(2) 全面的改善事業 全面的改善事業の基本的要件は,次に掲げるとおりとします。

@ 公営住宅ストック総合活用計画に基づいて行う改善事業であること

A 昭和56年度以前の予算により整備され,旧耐震基準の適用を受けた既存公営住宅であること

B 改善後の住宅は,概ね30年以上引き続き管理するものであること

C 改善内容には,居住性向上,高齢者対応,安全性確保,屋外・外構のバリアフリー化のすべてを含み,住戸については躯体を残して全面的,または,それに準ずる改善を行うものであること(ただし,耐震改修や外壁の防災安全改修等の安全性確保に関するものについては,所定の性能が満たされている場合は不要)

D 規模増改善(増築,2戸1等)との組み合わせが可能

E 空き住戸発生毎に改善を行っていく段階型と,住棟やブロック単位で一括して改善する一括型の選択が可能

F 最適改善手法評価を行い,公的機関等により全面的な改善が最適な改善手法であるとして判定されたものであること(耐震性やコンクリートの品質の判断を含む)

4 計画修繕(補助対象外)

(1) 修繕区分

@ 個々の入居者の日常生活に支障があるような緊急性の高いものを小破修繕とし,市営住宅の効率的な運用を行う目的で行う入退去修繕を一般修繕とします。

A 団地全体の修繕で,財産の保全,適正管理等を目的として計画的に実施する大規模な修繕を計画修繕とします。

 

 

(2) 修繕の優先順位

修繕の優先順位は,概ね次のとおりとします。

@ 入居者等の生命・安全に関する修繕(避難口改修工事,落雪防止工事等)

A 入居者等の日常生活の支障に関する修繕(給水管取替各設備更新工事)

B 市営住宅の機能・財産保全に関する修繕(屋上防水,外壁塗装改修等)

C 入居者等の利便性の向上のための修繕(流し台取替,畳取替等)

D 環境の向上のための修繕(通路舗装工事等)

(3) 修繕の周期

修繕周期は概ね次のとおりとしますが,損傷,老朽化の程度,入居者の要望等の実態を踏まえながら,財政事情を考慮して,計画的に実施していきます。

修繕周期

修 繕 内 容

周 期

備  考

外壁改修・塗装

20

バルコニー改修,避難脱出口を含む

屋上防水

20

アスファルト防水

屋根改修

20

長尺カラートタン 0.4o/厚

給水管取替

30

ライニング鋼管

排水管取替

30

 

外物置改修

15

20

スチール製

木製

ポンプ等

15

受水槽室ポンプ制御盤等

換気扇

15

熱交換換気扇

躯体,その他

適時

内装,建具,流し台,浴室,外構

※給・排水管や熱交換換気ダクトの施工に当たっては,天井の高さの最低限度を確保する必要があります。