平成22年度第2回博物科学館協議会議事録

平成22年12月19日 午後3時より開催
出席16名,欠席4名

◆次 第
 1 開    会
 2 社会教育部長あいさつ
 3 委員紹介
 4 博物科学館職員紹介
 5 会長・副会長選出
 6 会長・副会長あいさつ
 7 議    事
 (1)平成22年度上期事業について
 (2)平成23年度事業方針について
 (3)そ の 他
 8 閉    会


◆会議添付資料 <PDF>
 1 旭川市科学館上半期事業実績
 2 旭川市博物館上半期行事参加者数
 3 旭川市博物館「夏休み博物館体験」状況
 4 旭川市博物館上半期入館者数
 5 旭川市博物館モデル事業について

(1)会長・副会長選出
 当協議会会長に北海道教育大学旭川校 浅川 哲弥教授
 当協議会副会長に旭川市立神楽中学校 矢口 元晴校長を選出。
以下,浅川会長の議事進行による。
(2)平成22年度上期事業について
 館長から資料に基づき報告。
◎質疑・応答など
委員  学校連携のあり方について提案します。
 少年少女発明クラブで,「てこ」の原理のおさらいと実験をやっていました。「水飲み鳥」を作るものだったが,支点の位置が大変で,うまくいった子どもとうまくいかない子がいました。
 その後,少年少女発明クラブの作品製作の際に「水飲み鳥」を応用したものを作りたいという風に言った子どもがいました。これは子どもの中で学校で学んだ原理と,応用としての「水飲み鳥」がつながったと言えるのではないでしょうか。
 このように,原理原則は学校で,応用は科学館で,というようなアプローチはいかがでしょうか。

委員  学校で教員をしているが,授業では中々伝えにくいところがあります。その中で,博物館は熱心にやっていて,先生方の意見を聞くという会が最近ありました。我々が作っている副読本や手引きの中で,「この部分ではこのような話はできるのではないでしょうか」というような意見交換を行いました。 やはりこのように「学校の指導の中で実施したいこと」,「博物館や科学館で持っている方針」これらが融合することにより,教室ではできないことが広がりを持ってできるようになります。

委員  小学校5,6年生で星の授業を行いますが,科学館のプラネタリウムを見ることにより,非常によく理解させることができました。やはり授業などで,夜に星を見るというわけにもいかないので,プラネタリウムを使って授業を行うことは,学校での課題を解決するうえで効率的でした。
 ただ,やっぱり学校としてネックとなるのは交通費の問題で,その点を協力いただけると大変助かります。

委員 いくつか質問させていただきます。
 科学館はサイエンスという名がつくのだから,科学に関する原理原則を学ぶ場でなくてはならないと思うのですが,どうもそうなっていないのではないでしょうか。
 最近,会社の研修で科学館に来ましたが,シャボン玉を作るところは,本当は光の干渉を説明する場のはずなのに,子どもの遊び場になっていて,また,それ(光の干渉)を説明できる人間がいませんでした。
 科学館のプログラムは小学校低学年や,未就学児に対するものが多いのですが,中学校・高校生に向けてのものが少ない。また,それに対応できるスタッフの配置が必要ではないでしょうか。
 天文台と言えば夜に星を見るところだと思うのですが,午後5時で閉まってしまいます。午後5時と言えば夏はまだ明るく,とても星を見る環境にありません。
 夜,星を見る観察会も行われていますが,平成22年度上半期で好天の日が5回しかありません。「5回星を見るために,でっかい望遠鏡を入れたのはどうなのかなぁ」と思ってしまいます。ちゃんとしたスタッフを雇い,午後8時や10時まで天文台だけでも開館すべきではないでしょうか。
 名寄の天文台では,正職員が3人いて午後10時まで開館しています。ほかにもたくさんのスタッフがいます。機材そのものは旭川の方が優れたものが入っていて色々なことができるはずなのに,今はスタッフが少ないのではないでしょうか。

委員  現象を説明する法則の解説の少なさは,前から気になっていたのですが,やはり思うことは,専門のスタッフをつけてほしいということです。
 科学館で行われている事業は非常に興味深いものが多く,サイエンスワークショップについても,大人でも子どもでも非常に興味が沸き,ものすごく深い意味のあることをやっていると思うのですが,現象の提示だけではなく,この背景にある物理的な法則なり原理なり,さらにその先がどう繋がっていくのかということは,やはり専門のスタッフが付いて教えるべきではないでしょうか。もしくは,その時間に行うのではなくても,いずれかの時期にでも「以前こういうワークショップを行ったが,実はこういう法則です」ということを説明する場が必要ではないでしょうか。

委員  ボランティア事業で「ワークショップ」を行いだしたきっかけは,「まず,科学館に足を運んでもらおう」「小学校4〜6年生を対象に行う科学館教室への足がかりにしてもらおう」というものです。ワークショップの中身は,毎週ボランティアの中で企画を出してもらい,実際にやるときは,出典はどこかを必ず調べて行います。
 自分が実際に天文についてワークショップを行ったときは,科学館の職員に原稿をチェックしてもらい,ワークシートでも「こういう背景のうち,みんながやるのはこの部分に当たる」ということを説明し,できれば夜に星空を見に来てほしい,つながりを持ってほしいと思い,実施しています。「ベンハムのコマ」について行ったときも,基本とか,白黒だけでなぜ色が見えてくるのかなどの資料を用意し,親御さんの質問にもわかる範囲で説明し,わからないときはできるだけの対応をしました。
 この会議を受けて,我々も,もっと勉強しなくてはならないと思っています。

事務局  学校との連携について検討したらいかがかという点ですが,科学館ではプラネタリウムに関すること,博物館では社会科に関することについて教育プログラムを作成し,実施しているところです。まず,お互いにどのようなことができるかについて知ることから始めようということで,科学館においては,プラネタリウムの機器や内容を見てもらい,どのようなことができるか意見交換を行ったところです。
 博物館でも同じように,学校現場ではどのようなものが必要なのかなど,お互いを知ることから始めていますので,今後は,そういった中身を検討していくことが必要だと考えています。
 原理原則についての話でございますが,これは我々の活動でも非常に気をつけているところで,あまりにも「原理・原則」を前面に出すと,とっつきにくいとか,難しいと思われる傾向にあるのではないかと考えています。そこで,科学館では「<ふしぎ>から始まる科学との出会い」をベースとして,まず,原理原則ではなく,事象・現象を見てもらって,自ら感じてもらい,そこから発生する疑問・不思議さから,次に進んでいただきたいという思いで館を運営しています。
 博物館においても同じように「北海道にかつてどんな人がいたのだろうか」という話を解説するには非常に長くなりますし,一方的な展開になる恐れもあります。そこで「この疑問にはこんな資料があるよ」というところから始め,そこからその事象に興味を持ってもらうということを行っています。
 そのように館を運営して参りましたので,原理原則から応用に至るまでのすべてを科学館で行うのは,なかなか難しいのではないかと考えます。
 学校では体験できないことを博物館,科学館で体験できるというところに社会教育施設としての意義があるのではないかと考えていますので,その調和を図ることを模索する必要があると考えています。
 天文台についてですが,お盆の期間は夜も開放しています。今の体制で天文台を常時夜に開館するというのは難しい状況があります。
 名寄の場合は,天文台施設として完全に午後からの開館となっておりますが,旭川で天文台だけをそのような開館時間とすることは難しくはありますが,できる限り施設の有効活用を図って参りたいと考えています。
 また,昼間の星を見られるように公開しており,多くの人々に昼間にも星が見られるということを知ってもらうという機会になればとも考えています。

*参考*
・平成22年度上半期 天体を見る会は14回実施。うち観測が実施できた回数は13回です。
・ボランティアによる展示物解説について,実施の際はボランティアと協働でスタディーシートを作成し,実施しています。

委員  私は今回から参加させてもらうものですが,参加するに当たり,昨年度の協議会の議事録を見せていただきましたが,そのなかで,非常に高校生の来館が少ないことがあげられていました。そこについて質問しますが,小中学生向けの講座は数多く設定されているのに,高校生向けの講座は少ないのではないでしょうか。
 博物館,科学館に興味を持たせることは重要ですが,その後,原理原則に進み,どのように使われるかという応用に移り,教養として身につけるまで,旭川にあるいろいろな企業などとも連携し,深めていくべきではないでしょうか。
 高校生は社会人になる一歩手前の位置にあります。その中で,博物館は一歩前に出て,色々な機関と連携し,高校生がもっと利用できるような活動をすべきではないでしょうか。もっとトータルな教養を深める場所になって欲しいと思います。

委員  10月29日に全道の理科教育研究大会があり,科学館のプラネタリウムを活用した授業を行いました。
 ここでは基本的な事項を学んだ後,自分の学校の校舎をプラネタリウムに写し出し,自分たちの位置と天体の位置関係を実感させる取組を行ってくれました。ここまでやってくれる所はなかなかありません。児童がただ科学館を見るだけではなく,その後の展開まで授業ができて,非常に感謝しています。
 また,何年か前に科学館の職員と日食の観察方法の問い合わせをしましたが,親身になって道具を貸してくれて,大変感激しました。今後も科学館をぜひ使いたいと思っています。
 ただ,先程出たようにネックなのは移動手段です。バスを出して科学館に行くのはやっぱり予算的な面もあり,たいへんなのです。

委員  以前にも課題として交通問題が出ていたが,科学館と博物館をむすぶバスがあると利用しやすい。バスを学校で用意するのは難しいのです。

委員  実際にボランティアとして対応しているものですが,来館者の目的は科学館で楽しんで帰りたいというお客さんが多く,原理原則の話を来館者にすると,基本的に話に乗ってきてくれるお客さんは少ないです。
 そうしてみると,子供たちが大きくなり,原理原則を覚え,「あぁ,あの時の実験は,実はこんな意味があったんだ」と考えてもらう方がよいのではないかと思います。
やはり,来やすく,門戸を開いた方が良いと思います。
 もしかしたら,学校側から見ると物足りない面もあるかもしれないのですが,そこは解ってほしいと思います。

委員  サイエンスボランティアが勉強しているのは良く分かっています。
 私の学校の学生も,カリキュラムで科学館学生ボランティアを行っています。
 やはり,最初は何も説明ができなく終わるのですが,やはりまずいと思うのか,自分なりに勉強して,次回に望んでいるようです。
 あとは,どうしたら「ふしぎだなぁ」という疑問や質問を引き出せるのかだと思っています。

委員  私が友達と来館したとき,ボランティアの方が色々と教えてくれて,非常に助かりました。前の青少年科学館時代にはボランティアはいなかったと思いますが,今はこのようになって非常によくなったと思います。そこで,数点おたずねしますが,
ボランティアは何人ぐらいいて,どのようなことをやっているのでしょうか
科学館の常設展示はずっと何年も同じなのでしょうか,10年ごとに見直すなどということはあるのでしょうか。
「前に展示されていたものを復活させて欲しい」というような要望は受けられるのでしょうか。

事務局  まず,ボランティアについてです。
 ボランティアは約200名いて,事務局専従の方もいます。
 毎年3月末にボランティアへ翌年度の意思確認のハガキを送り,4月からは新体制という形になります。
 ボランティアに対しては,交通費相当額等として一定額を支給しております。
 旭川市はサイエンスボランティア旭川に負担金を支出し,事務局では予算管理や一定額の支給金の支払い等を含め,自主的な運営を行っています。
 ボランティアの役割としては,展示室やプラネタリウムでの誘導,案内説明があります。
 ボランティアには,この他に特別学芸員があり,本人の希望により配置しています。
 特別学芸員は,ある程度の知識のある方にお願いしています。
 次に,科学館常設展示更新についてです。
 施設更新については市財政が厳しい中,すぐというわけにはなりませんが,現在,3年計画で順次更新して行く予定で進んでいます。
 その中でも,ロボットサッカーのAIBOが生産中止となっていることにより,修理部品の枯渇が予想されることから,そこが一番最初に更新しなければならないと考えています。
 次に旧青少年科学館の展示物についてです。
 旧青少年科学館の展示物については,引っ越しの際に大部分は処分しました。が,お化け鏡などは現在も収蔵しており,機会があれば展示したいと思います。

(3)平成23年度事業方針について
 館長から概要について説明。
◎質疑・応答など
委員 いくつか質問があります。
 神居古潭は地上では到底みられない特殊な岩石がみられる場所で,このような場所が人口35万人という街の近くでみられるというのは世界中にも数少ないと思います。
 その中で,ジオパークとして整備するという考えは,旭川市としてはどうなんでしょうか。
 科学館には木工分野もあるのだから,科学技術館に名称を変更した方がよいのではないでしょうか。
 サイエンスボランティアがいないと事業を継続できないというのはいかがなものでしょうか。市の体制を見直すべきではないでしょうか。
 今回の会議で出された意見は,どう反映されるのでしょうか。

事務局  神居古潭が自然,文化遺産としても重要な地域であることは認識しており,博物館では神居古潭で自然観察会などを行い,市民に対して周知活動に努めています。しかし,ジオパーク構想については,博物館だけではなく,市全体としての論議となることと認識しています。
 次に名称変更の件についてですが,木工分野も当然科学的要素を含んでおり,名称変更は考えておりません。
 次にボランティアについてですが,この科学館ができたとき「市だけではなく,市民組織と協働で科学館を運営していこう」という発想がありました。そのことから,お互いに意見を交わしながら運営していくことに,よい点があるのではないかと思います。また,アウトソーシングを進める中で,業者等を含め,色々な関係者が入り交じっているのは事実ですが,最終的に責任を負うのは科学館であり,館長であるので,そのような認識を持って任務に当たるように,日頃から伝えているところです。
 次に博物科学館協議会についてですが,この協議会は館の諮問機関であることから,この場に出た意見というのは一義的には館長に対する意見ということになります。館長は内容について必要があれば部長等に報告します。
 また,協議会で出た意見で,反映できるものはすぐ反映するように努力しており,実際に意見を参考に事業を行ったケースもあり,その様に取り入れたものは次回の協議会などで報告いたします。

委員 いくつか質問させていただきます。
ローカルではなくグローバルに目を向けて,情報を発信していくとあるが,どういうことを指していますか。
外国人来館者は増えてきていますか。

事務局  グローバルな視点についての質問ですが,グローバルな視点とは,事業や研究において,ワールドな視点を持って進めていくという考えの事で,例えば博物館では地質関係で大学との共同研究により調査を行っており,2010年も極東ロシアの調査を行っています。
 また,外国人の来館者についてですが,中国,韓国,台湾などから来られる方がいますが,さほど来館者が多くなってきている状況にはありません。

委員  私は,科学館が高校生に全く興味のない施設であるという認識はないのですが,やはり,高校生になる前に科学に対する理解を深めるための施設だと考えています。
 その中で一番気になるのは,せっかくの施設が小中学生に利用されていないのではないかということです。もっと学校教育と密接に関わりを持って,週に1,2回はいつでも希望したら無料で送迎されるバスを整備するというような事業はできないのでしょうか。

委員  博物館でも,科学館でもたくさんの行事を行っていますが,どのように周知しているのでしょうか。

事務局  ホームページ,市民こうほう,博物館,科学館の行事予定のチラシなどを配布しています。
また,1月の探検広場のような大きな事業は,生徒1人1人に渡るようにチラシを配布しています。

委員  探検広場では高校生がボランティアとして活動しています。
(4)その他
委員  博物館HPに常設展示の個々の内容を調べる場所はないでしょうか?

事務局  「収蔵物は語る」というコーナーがあり,毎週1点ずつの収蔵物の詳しい紹介を行っています。

委員  博物館の場所は一般市民によく知られていないのではないか。道路標識など工夫できないでしょうか?

事務局  道路標識を簡単に増設することは非常に難しいですが,博物館・科学館で共同事業を行うことなどして,博物館の認知度を上げていきたいと考えています。
閉会
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