旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2018年6月のしいくのぶろぐの記事

2018年6月22日 しいくのぶろぐ

ちーちゃん

【ちーちゃん】


 こども牧場のチンチラのちーちゃんが、今年で19才になりました。


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 チンチラの平均寿命は15~20年なので、かなりのおばあちゃんです。

 おばあちゃんとはいってもまだまだ元気で、おやつの時間にはすごい早さで飛んできますし、砂浴びの時間では、うれしそうに身体をゴロゴロ回転させて、砂をまき散らしています。

 ウトウトしている姿や、この時期にしかとれないタンポポの葉をうれしそうに食べている姿、基本無表情な顔をしているチンチラですが、よく見るとたくさんの顔を見ることができるので、こども牧場に来たらぜひ、ちーちゃんに会いに来てください。
(こども牧場担当:塚部 匠)

 エゾシカの赤ちゃんが生まれました

 

 しいくにゅーすではすでにお知らせしていましたが、6月8日、エゾシカのぺぺ子が出産し、♀の赤ちゃんが生まれました。

 来園者の方がいる中での出産となり、見ることが出来た方はラッキーだったのではないかなと思います。

 母親のぺぺ子は何度も出産、育児を経験しているベテランお母さんなので、育児自体はあまり心配していませんでしたが、誕生後数日は気温が低く、雨に打たれたり、夜に冷え込む日が続いたので、仔の体調が少し気がかりでした。飼育担当の心配をよそに仔は元気そうで、気温も上がってきており、とりあえず大丈夫そうです。

 エゾシカの仔は生まれてしばらくは母親について歩かず、目立たないところでじっとして、日に数度お乳をもらい、体をなめてもらったりなどの世話をされ、また母親から離れてじっとして・・・という過ごし方をします。

 離れてすごす時間がほとんどなので、育児放棄されている様に見えるかもしれませんが、エゾシカにとってはこれが当たり前。育児の仕方も動物ごとに様々ですね。

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<枯れ木の陰でじっとしている様子>

 現在はまだじっとしている時間が長いですが、動き回ることも増えてきました。エゾシカはとても成長が早く、赤ちゃんの時期はあっという間に過ぎてしまいます。エゾシカの育児を観察したい方はお早めにどうぞ!

(くもざる・かぴばら館、エゾシカの森 担当:中野 奈央也)

イワトビペギンが孵化しました

 6月7日にイワトビペンギンが孵化しました。旭山動物園でのイワトビペンギンの繁殖は4年ぶりです。孵化した日のヒナの体重は51グラムでした。

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<孵化した日。ほんとに小さい・・・。>

 なかなか小さめのヒナだったので元気にエサをねだることが出来るか心配でしたが、次の日には順調に体重が増えていて一安心しました。

 それと両親は今回が初めての産卵だったのでうまく抱卵(卵を抱くこと)、育雛(仔育て)が出来るかというのも不安でしたが抱卵の交代も育雛もとってもスムーズにやっています。

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<親にエサをねだるヒナ>

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<親は自分が食べた餌を口移しで与えます。>

 このブログを書いている孵化10日目には体重は330グラムになりました。孵化した日のなんと6倍です。

 親からエサをもらっているかチェックするために毎日体重測定を行っています。運が良ければお客さんから見える場所で体重測定してますので、見れたらラッキー?

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<室内放飼場のガラスの前で体重測定>

 イワトビペンギンは孵化から約3ヶ月で巣立ちをします。今しか見られないヒナの姿、育雛の様子をぜひ見に来てください。

(獣医師・ぺんぎん館担当:佐藤 伸高

ととりの村のなるほどガイド と マガモの親子

 ととりの村では、不定期でなるほどガイドを実施しています。

 ↓ガイドの様子の動画はこちら↓

https://www.youtube.com/watch?v=20f26kHipis

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<ガイドの様子>

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 潜水採餌ガモのキンクロハジロが水中に潜って餌を採る様子を見ることができます。

 キンクロハジロは、旭山動物園の中では小さくて地味な存在かもしれませんが、どんな動物にもすばらしい能力や魅力があるということを、ガイドを通してみなさんに知っていただけたら、と思っています。

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<キンクロハジロのこんな行動が観察できます!>

 午後3時頃から実施していることが多いのですが、詳細は旭山動物園のホームページ「本日のタイムスケジュール」でご確認ください。


 6月上旬にマガモが孵化しました。6月5日に6羽だった雛の数は、6日に7羽、7日には22羽と、ものすごい勢いで増えています。

 まだまだたくさんのマガモ、カルガモが抱卵中なので、もうじきととりの村は雛だらけになります。母鳥が雛を引き連れている様子は非常に可愛らしく、一見の価値ありです。

 雛は1か月程度で大きくなるので、この機会に是非、マガモ、カルガモの親子を見にきてください。

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<マガモの親子>

(ととりの村・教育担当:鎌上 塁)

 【最近ボルネオ感が増してます】

 最近めっきり暑くなり夏のような天気が続いていますね。

 当園のボルネオオランウータンたちも高いところで気持ち良さそうに過ごしています。

 そのオランウータン舎では今ボルネオ感が増し増し中です。

 その理由の1つは5月中旬くらいからオランウータン舎の周りの林で見られるキビタキという鳥です。お客さんから見える所だとトナカイ舎の中のミズナラの林にいて、美しいさえずりを聞かせてくれます。

 実はこのキビタキは日本では夏鳥で冬の間は東南アジアで過ごします。その場所の一つがボルネオ島なのです。時期によりますが野生でもこの2つの動物は近くにいるんですよ。

 最近はセミの鳴き声に負け気味ですが。

 そしてもう1つ。この春からオランウータンの放飼場の中にボルネオカワガメがいるんです!

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<お休み中です。よく心配されます>

 ボルネオカワガメもオランウータンの暮らす森の中の河川や湖沼に生息している動物です。

 昨年までは夏の間に放飼場の隣でボルネオカワガメを展示していましたが、今年は獣舎の中にプールを新設し同居展示にしました。

 同居開始時はカメもオランウータンたちもお互い警戒していましたが、今では両種とも落ち着いています。

 とはいえ、まだ段階的に慣らしている状況ですので基本的に午前中のみの展示で、展示していない日もあります。

 完全同居まではもう少しといったところです。

 そしてもう1つ新たな計画が・・・

 これについてはまだ秘密にしておきます!

 みなさんもボルネオ感を感じに遊びにきてくださいね。

(おらんうーたん舎・トナカイ担当:佐橋 智弘)

2018年6月8日 しいくのぶろぐ

色々な卵

【色々な卵】


 みなさんこんにちは!
 さて毎回いきなりですが、


 ↓この卵は何の卵だかわかりますか?

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 これはキングペンギンの卵です。
 私たちが食べている鶏の卵とはちょっと違いますよね。

 では鳥の卵って何種類ぐらいあると思いますか?

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 なんと一万種類ぐらいあると言われています。
 かなり多くて想像もつかないですね。

 ちなみに一番大きな卵、一番小さな卵ってどのくらいの大きさかわかりますか?

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 一番大きい卵はダチョウの卵で、重さが1.5kgもあります。
 鶏の卵20~25個分ぐらいです。卵料理がかなり作れそうですね。

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<ダチョウの卵>

 では一番小さい卵はというと、これはあまり知られていないと思いますが、ハチドリの卵です。

(ハチドリが出てこない方はどんな鳥なのか調べてみてください。)
 そして卵の大きさはというと、大きさ6mm、重さ0.3gです。
 イメージしにくいと思うので周りにあるものでいうと、1円玉の1/3くらいの重さです。軽いですね!

 その他にも一万種類の卵があると思うとすごいですよね。
 みなさんも身近な鳥を見た時でかまいませんので、どんな卵を産むのか考えてみてはいかがでしょうか?
(ぺんぎん館担当:畑野 和輝)

きっとうまくいく

 5月22日に北海道産動物舎でクマタカのヒナが孵化しました。

 ここ2、3年は自然繁殖がうまくいっていませんでしたが、今年はいろいろと策を講じているので、7月末頃には巣立ちを迎えているでしょう。

 巣がかなり高いところにあるためなかなか観察はむずかしいですが、ヒナの鳴き声は聞こえるので、耳を澄まして鳴き声からヒナの成長を感じてもらえればと思います。

クマタカ

赤い丸の中に白い羽のヒナがいます

猛禽・ほっきょくぐま館担当:大内章広

【アムールヒョウのなるほどガイド】


 昨年8月に生まれた、アムールヒョウのとわ♂とみらい♀。
 9カ月齢をすぎ、すっかり大きくなりました。
 

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<左とわ♂ 右みらい♀>


 小柄なルナ母さんの大きさに追いつきそうな勢いです。

「アムールヒョウのなるほどガイド」、不定期で行っています。


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 写真は3月撮影のものですが、垂直の金網を登ってしまうアムールヒョウの運動能力を観察できますよ!
・・・でも体重増加に伴い「金網登り」のスピードも鈍ってきた気がします。
 成獣になっても金網登りを続けるのは、さすがにつらいかな。今のうちしか見られない行動かもしれませんね。

 ガイドがない日にも、ゲリラ的にちょっとだけ餌やりタイムがあったりもしますので、運が良ければご覧いただけるかもしれませんよ!

↓そんなアムールヒョウの餌やりの動画はコチラ↓
www.youtube.com/watchアムールヒョウの餌やり

 アムールヒョウの成長は、あっという間です。
 みなさんぜひ見に来てくださいね!

(もうじゅう館担当:大西 敏文) 

上手者


 皆さんは、かば館下にあるこのコーナー、見たことありますか?


「アフリカのゲテモノたち」


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 ここでは、ゴキブリ・ヤスデ・ウデムシ・イモリ・カエルを展示しています。
 旭山動物園は、見たい動物を好きな時間だけ見て欲しいという願いから、園内の見学順路は設けていません。なので、しっかりと姿を見たうえで気持ち悪いとは感じて欲しいものの、苦手な人に無理強いはしません。

 ただ、どうしても気になってしまうことがあります。
 ゲテモノ前の来園者を見ていると、子供たちの方が、ゴキブリをまじまじと見ているように感じます。

 あまり、「気持ち悪い」だとか「怖い」のような発言も聞こえません。
 もしかしたら、子供たちにとってみれば、カブトムシのようにカッコよく見えているのかもしれません。

 それなのに、大人たちが「気持ち悪いから次行くよ。」と見ている子どもの手を引いて行ってしまう。

 このやり取りを一日何度も目にしますが、一担当者として、堪えきれない悔しさと悲しさが込み上げてきます。
 どうか、【ゴキブリは見てはいけないもの。】という、一方的な先入観を、純粋な興味を持っている子供たちに押し付けないでほしい。

 その瞬間が子供たちにとってゴキブリという存在の全てが、悪なのだと認識されるのだと感じます。


 旭山動物園で展示しているゴキブリ【マダガスカルコックローチ】は、ゴキブリとはいうものの、羽がなく飛ぶことができません。

 また動きも、手で捕まえられるほどの速さです。近くで見てみると、アリのような顔つきをしています。ほんとに気持ち悪いですか?


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 また、ヤスデはよく「危険な奴だー」と言われるのを耳にしますが、噛みついたりするのはムカデであり、ヤスデは臆病で草食の生き物です。危険を感じると、すぐに体を丸めてしまいます。


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 ウデムシに関しては、世界三大奇虫と呼ばれるほど、ものすごいフォルムをしています。
 タイミングさえ合えば、腕を使ってる姿を見られるかもしれません。


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 虫というのは、恐らく野生で一番身近な生き物だと思います。
 虫がいなくなると、虫を食べる魚や鳥がいなくなります。
 そしてその魚や鳥を食べる我々人間が…と続いていきます。
 食べられるだけの役割ではなくて、彼らのような虫たちが食べてくれている、死体や枯葉、微生物が増えすぎても、必ず我々人間の環境にも影響が出ます。

 どうしても、カバやキリンなど大きくて有名な動物に目が行ってしまう。
 けれども、そういった大きな動物の足元で、生態系を支える小さなかけがいのない存在がいることを忘れないで欲しい。そういう意味を含めゲテモノたちを展示しています。
 見た目は地味かもしれない、気持ち悪いかもしれない。それでも僕にとっては、ゴキブリもアザラシもヘビもみな主役。少しでも多くの人に彼らの本来のすばらしさが伝わればと思います。

(アフリカのゲテモノたち・アザラシ館・は虫類両生類舎・飼料担当 鈴木達也)
 

ヒナが1羽巣立ちしました

 こんにちは、フクロウ世話人です。

 さて、シマフクロウの雛情報ですが、昨日1羽が巣立ちました。

 夕方えさをあげにいったところ、地面の枝の上にいるのを発見しました。

 2週間前から巣から頻繁に外を見るようになり、数日前から身を乗り出したり入り口の縁に足をかけたりしていました。昨日、巣の入り口の縁に立って外を見回していたのでそろそろかなと思っていましたが、とうとうです。午後に巣から地面に羽ばたきながら落ちるのが確認されました。1羽目が孵化してから52日目の巣立ちとなりました。雨の中での巣立ちとなり少し心配しましたが、綿毛の下にはしっかりとした羽がほぼ生えそろっているようで雨をものともせず、周りを観察していました。まだまだ飛ぶことはできませんが、これから両親に見守られていろいろな事を学んでいくでしょう。

 まだ、もう1羽の巣立ちが残っていますので、数日間は外のヒナと巣内のヒナが一度に見られるある意味レアな状態です。散歩がてら動物園に観察しに来てくださいね。

シマフクロウ縁

入口の縁に立つ

 

巣立ち

雨の中の巣立ち

フクロウ担当・獣医師:池谷優子