旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2018年4月のしいくのぶろぐの記事

シマフクロウ ヒナはすくすく成長中

 皆さんこんにちは!
 とうとう夏開園が始まりました。北海道も春本番、桜もやっと咲き始め、ミカンの国出身の私はやっと春が来たとそわそわしています。
 さて、閉園中にホームページでお知らせしていましたとおり、シマフクロウの雛が誕生しました!4/9、4/13に1羽ずつ合計2羽です。動物園での繁殖成功は釧路市動物園に続いて2園目となります。
 お母さんのモコさんは抱卵に引き続いてヒナたちに給餌で大忙し。お父さんのロロさんは、巣にいるヒナとモコさんの分のご飯をせっせと運び、巣の近くで不審者(飼育員の私)が近づかないように見張っています。
 

ロロさん

ロロさん不審者監視中


 ヒナたちはそんな両親のおかげで今のところすくすく成長しているようです(カメラ越しで、モコさんが休憩のために外に出るときだけ見られるので推定です)大きさはまだ先に生まれた方のヒナが大きく見えるため、4日の差は大きいのだなと驚いています。
 休園中は人が職員くらいだったので、開園したら両親の警戒度が上がるかもと思っていましたが、お父さんのロロさんは初日の朝から皆さんを気にせず子供達のためにお魚を池からとって、運んでいます。子供のためなら父は強しですね。
 モコさんロロさんにとっても初めての子育て、飼育員の私も初めてのシマフクロウの親子のお世話です。巣立ち、親離れと子供達にはまだまだ試練は続きますが、とりあえず無事に育つよう皆さんも応援してください。
初めてのあくびを目撃

<写真2>初めてのあくびを目撃


 ヒナを実際見ることはまだできませんが、モニターで巣内を中継していますので、春の散歩がてら動物園にきていただき、滅多に見られないシマフクロウの子育てを一緒に観察しましょう!
 

(副園長・フクロウ担当:池谷 優子)

アフター5は

 閉園中の旭山動物園。日中は共同作業ということで基本筋肉が悲鳴を上げる力仕事が多いのですが、アフター5は静かに顕微鏡を覗く時間です。何を見ているのかというと、動物のウンチを見ているのです。何のため?それは健康診断のためです。ウンチを顕微鏡でみることで、ウンチの状態が正常なのか=腸内環境は正常なのかを見ることができます。また、中に寄生虫や寄生虫の卵がないかを調べます。え!?寄生虫!?と感じた方も多いかと思いますが、動物のお腹の中に寄生虫がいるのは異常では無く、むしろ当たり前のことなのです。動物たちと寄生虫たちは何千年、何万年という長い時間をかけて、お互いに害のない関係を作り上げてきたからです。でも、まれに特定の寄生虫が増えすぎて、動物の体に悪影響を与えることがあります。ですので、旭山動物園では検査をして、特に何も異常が無くても駆虫薬(いわゆる虫下し)を投与します。このように動物たちの健康状態をチェックすることも閉園期間中の大事なお仕事なのです。

 しかし、夕方に顕微鏡を覗いていると、日中の疲れも相まってウトウトと眠りの世界に引きずり込まれそうになります・・・。は、いかんいかん。集中せねば・・・

写真1

これがアフター5の相棒です

 

写真2

のぞくと何が見えるかな?

 

(ぺんぎん館・獣医師:佐藤伸高)

 しいくのぶろぐ「さようなら旭山動物園号」

 

 3月30日に旭川駅で旭山動物園号の内覧会が行われました。翌日の新聞報道によると1,100人が見学に訪れたようです。この写真は旭山動物園号の最後尾車輌です。ホッキョクグマの大きなイラストが目を惹きます。

写真1

 

この車輌は「極寒の銀世界号」という名前がつけられています。

写真2

 

座席には動物のカバーが掛けられており、

写真3

 

テーブルの裏には車輌のテーマに沿った動物の解説が書かれています。

写真4

 

トイレの表示も各車輌ごとに異なっています。

写真5

 

 次の車輌は「鳥たちの大空号」です。

写真6

 

各車輌には記念撮影スポットが設けられていて、この車輌はフラミンゴでした。

写真7

 

 次の車輌は「北海道の大地号」、各車輌の床には動物あしあとクイズが描かれています。

写真8

 

写真9

 

 これが旭山動物園の先頭車両です。ホームに並んでいて、この絵が近づいてきたらわくわくしますよね。

写真10

 

JR北海道によると旭山動物園号は2007年から運行し、のべ32万7千人の方が搭乗しました。会場には引退を惜しむ声もたくさん聞かれましたし、改めて旭山動物園号の勇姿に多くの方が感動していました。引退は寂しいですが、11年間お疲れ様でした。

 

(ぺんぎん館・獣医師:佐藤伸高)

【飼育スタッフ紹介 その(1) 畑野 和輝くん】


 2017年5月からぺんぎん館のスタッフとして働いている、畑野 和輝くん。
 大西が一問一答形式で畑野くんにインタビューしてみました!

畑野1

Q1.出身地はどこ?
A.兵庫県 姫路市 です。


Q2.担当動物は?
A.ぺんぎん館です。それとほっきょくぐま館内にある水槽の魚(オオカミウオなど)も担当しています。


Q3.旭山動物園で働くきっかけは?
A.将来は正職員の飼育係を目指しています。旭山で臨時職員として働きながら、全国の動物園の採用試験を探して、受験しようと思います。


Q4.飼育係として働いてみて、大変なことは?
A.動物の専門学校を卒業しているので、自分の知識がもう少し通用すると思ってました(苦笑)。ペンギンを実際に担当してみないとわからないことも多く、日々勉強です。


Q5.逆に楽しいことは?
A.観察してるうちに「あ、この個体そろそろ換羽が始まりそうだな」とか、ペンギンの変化を少しずつわかるようになってきました。そういう時が楽しいです。


Q6.好きな動物は?
A.リスザルです。私が学生時代担当していた動物で、色々なことを学ばせてもらったからです。


Q7.北海道で約一年生活してみた感想は?
A.夏はすごしやすかったのですが、冬の雪道での運転や除雪が大変でした。


Q8.好きな有名人は?
A.有村架純さんです。かわいいので・・・


Q9.どんな飼育係になりたいですか?
A.難しい質問ですね~(笑)。来園者にガイドしたり、質問に答えたりするのは割と好きです。来園者と積極的に対話できる飼育係になりたいです。


Q10.最後にみなさんへ一言
A.私は動物のことはまだまだ知らないことが多いですが、動物園を楽しんでいただけたり、動物に興味を持っていただけるような話ができたらと思いますので、ぼくを見かけた際は気軽に声をかけていただけると嬉しいです。

畑野2

 畑野くん、ありがとうございました!
 いつも笑顔で温和な関西人・畑野くん。ペンギン館を訪れた際は探してみてください。
 飼育スタッフ紹介いかがでしたか?
 好評でしたら第2回も企画したいと思います!

(ぺんぎん館担当 畑野 和輝)
(インタビュー:もうじゅう館担当 大西 敏文)

【リヒト】


 ユキヒョウのリヒトは大森山動物園へ無事到着しました。
 リヒトのこれまでの生い立ちを、写真で振り返ってみましょう。

リヒト1
 2016年5月5日。はじめまして!リヒトです。


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 2016年6月15日。展示訓練中。リヒトを「出待ち」する来園者もいました。


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 2016年6月16日。体長測定。まるで無抵抗。


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 2016年7月30日。ちょっとユキヒョウらしくなってきた。


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 2016年9月3日。保定できる限界に近い大きさに。
 


7
 2016年11月26日。ジーマとの体格差が少なくなってきた。


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 2017年11月23日。上の写真から一年後。精悍な表情に。



 YouTubeの旭山動物園公式ページでも、リヒトの動画をいくつか公開しています。
 そちらのURLも、あらためてご紹介しておきましょう。

誕生の瞬間 https://youtu.be/VDwOXgn7ZGs
 ジーマがぐるぐる回り、遠心力でポーンと誕生!

22日齢 https://youtu.be/a07tXo829dw
 子を目視で確認。サッと確認したらすぐジーマを戻していました。

46日齢 https://youtu.be/3yuHnck8l5o
 まるまる太ってカブトガニのようなフォルムに。

6月 展示訓練中 https://youtu.be/aTAMbgtnB5s
 落ちるんかい!まだ2カ月齢だもんね。

6月16日の保定 https://youtu.be/Qdpi1_8VJc8 

 動画の日付、正確には6月16日です。

9月19日の保定 https://youtu.be/RY0Y8SmUgBE
 生後5か月。かなり大きいですが、この段階でもほとんど無抵抗でした。


 リヒトは「ユキヒョウの子がいかに急成長するか」を、ジーマは「ユキヒョウがいかに愛情深く子育てするか」を、私たちに教えてくれました。
 人智未踏の中央アジアに生息する美しき肉食獣の生態に、少しだけ触れられたような気がします。
 

 そんなリヒトももうすぐ2才。表情にはわずかに幼さが残っていますが、すでに体重は両親より重くなっています。

 人間の世界もちょうど新年度。4月から新生活をスタートする方もおられるでしょう。
 リヒトもまさに新生活のスタートです!

 リヒト!今までありがとう!
 そして翔け!“光”輝く未来へ!!
(もうじゅう館担当:大西 敏文)