2018年3月のしいくのぶろぐの記事
目の色がかわる
動物の中には成長すると目の色が変わるものがいます。身近なところではイヌもそうですよね。動物園の動物ではシンリンオオカミ、ユキヒョウ、クマタカなどが変わります。
では写真のどの動物の目かわかりますか?
これが大人になるとこうなります。
大人になると目の色が濃くなるんですねぇ。
答えはこの写真です。
そうです。キングペンギンの目なんです。キングペンギンはだいたい3歳くらいまで目の色がだんだん濃くなってきます。
え、なんで変わるのかって?
答えは分かりません。こんな風に動物のことって分かってないことの方が多いんです。
閉園まで残りわずかですが。動物たちの秘密を見つけにぜひいらしてください。
(ぺんぎん館・獣医師:佐藤伸高)
【いいわけ】
しいくにゅーすでお伝えした通り、ユキヒョウのリヒトが大森山動物園に移動します!
「29日までは午前中リヒトを展示する予定です」としいくにゅーすに書いたとたん、23日夕方ジーマが寝室に帰ってきませんでした(汗)
閉園後のもうじゅう館。ジーマ外泊中・・・
母親ジーマと息子リヒトはすでに別居しており、同時に出すことはできません。
24日はリヒトをごらんいただけませんでした・・・すみません!
動物相手ですから、入れ替えもなかなかこちらの思い通りにはならないのです(いいわけ)
24日、25日はジーマを収容できたので、26日午前中はリヒトを展示できます!
リヒトは寝室で元気にしています。
野生下でも、ユキヒョウの子は2才~3才で母親のもとを離れ単独生活します。
動物園で「親と別居~他園館へ移動」というのも、まさに野生の再現なわけです。
この季節、ジーマは大声で「発情鳴き」をしています。中央アジアの高山帯でオスとメスが出会うためには、互いに大きな声で鳴き交わし、位置を確かめ合うのです。
ジーマもすでに母親モードから次の繁殖へとスイッチが切り替わっているようです。
そんなジーマの発情鳴きのようすはコチラ → ユキヒョウの発情鳴き2018.3.23
ユキヒョウは発情が高まると食欲が落ち、夕方になっても寝室に戻ってきてくれないことがあります。
リヒトを展示できない日もありますが、ユキヒョウの季節的な行動ということでご理解ください。
リヒトについてはあらためて、この2年間を振り返る記事を書きたいと思います。
(もうじゅう館担当:大西 敏文)
2018年3月22日 | しいくのぶろぐ
【名前分かりますか?】
【名前分かりますか?】
問題!このペンギンの名前はなんでしょう?
↓↓↓
みなさんこんにちは!
いきなりの問題ですみません。
私はよく動物の名前をお客さんに聞くのですが、これがなかなかおもしろく、色々な答えが返ってきます。
そんな中、動物にもよりますが、半数以上、名前を間違われる動物もいます。
私はよく園路から動物を見ていますが、写真を撮ってすぐにほかの動物に行ってしまう方や、「かわいい!」で終わってしまう方をよく見ます。
そんな方々にひとつだけお願いなのですが、まずは自分が見た動物の名前だけでかまいません!
ぜひ自分の目で見て、名前を知ってください!
そこから少しでも動物に興味を持っていただけるとうれしいです。
もし動物を見ても興味が出ない方がいらっしゃったら、私はペンギンの所で窓をふいていることが多いので、ぜひ声をかけてください。
私でよろしければ一緒に話して、動物園を楽しく思っていただけるとうれしいです。
あ、ついでに上の写真の答えも動物園で見つけてみましょう!
(ぺんぎん館担当:畑野 和輝)
2018年3月17日 | しいくのぶろぐ
【エゾシカの森 近況】
【エゾシカの森 近況】
きびしい冬ももうすぐ終わります。空気の匂いが春っぽくなってきましたね。動物たちは人間よりも敏感に春の気配を感じていそうです。
さて、私の担当しているエゾシカの森の近況についてです。
現在旭山動物園にはエゾシカが9頭いるのですが、エゾシカの森には6頭が居り、残り3頭は別スペースに分けて飼育しています。(オオカミの森の通路やもうじゅう館のユキヒョウ付近から見えます)
夏期は主に9頭一緒に飼育していましたが、雄同士の闘争防止や繁殖制限のために群れから分けている状態です。それぞれの個体の状態を見て、群れに戻すかどうか、これから判断していきます。
最近暖かい日が続いたからか、数頭の個体で毛換わりが始まっています。まだ冬毛が多く残っていますが、これからどんどん毛が抜けて生え換わっていきます。毎年のことですが、夏毛がある程度生えそろうまで、毛並みがボサボサになり見た目が残念な感じになります。ですがそれもまたエゾシカの春の姿で、春らしさです。
春のエゾシカと言えばもう一つ。角の生え換わりです。
エゾシカの角は雄にだけ生え、毎年春に根元から抜け落ち、新しい角が伸びてくるという形で生えかわります。今は立派に生えている角もあと1ヶ月ほどで順次落ちていくでしょう。ちなみに私はまだ角が落ちる瞬間を目撃したことがありません。作業中に後ろからボトッという音が聞こえて振り返ったら落ちていた、ということはあったのですが・・・あれは惜しかった。
それと今シーズンは珍しいことが起きました。エゾシカの森で1番大きな体格の雄でマカロニという愛称の個体なのですが・・・
向かって左の角に注目
1ヶ月ほど前に根元付近で角が折れてしまいました。折れた角は今シーズン元々変な生え方をしていて、もろい部分があったのだと思われます。それにしても完成済みの角が折れるというのはなかなか珍しいパターンです。
バランスが悪そうですが、動物自身は片角であることにすっかり慣れて平気そうにしています。
冬のエゾシカの雄々しい姿を見られるのもあと少しです。旭山動物園にお越しの際はぜひエゾシカの森へ立ち寄ってじっくり観察してみてください。
(エゾシカの森、くもざる・かぴばら館担当:中野奈央也)
2018年3月9日 | しいくのぶろぐ
だっこ・ごはん大好きな猫とツンデレ猫
だっこ・ごはん大好きな猫とツンデレ猫
「おっきい~。」チロルとひじきを見たお客様の声です。窓越しでも聞こえてきます…。
猫たちは、こども牧場もスタッフルームの中にいて、お客様には窓越しに様子を観察していただいています。
現在の2匹は、馴化も終了し、すっかりスタッフに慣れているため、部屋にスタッフがいる時は、ケージから出し、 自由にさせています。
3月11日(日)に、この猫たちのおはなし会と譲渡会を学習ホールで行います。前回は2016年3月16日に行いましたが、チロルとひじきは、こども牧場に残りました。
天売猫の問題について、1人でも多くの方に知っていただき、チロルとひじきから天売島の自然を考えるきっかけになってもらえたらと思います。
今回チロルとひじきに良い縁がありますよう、よろしくお願いいたします。
こども牧場で馴化したチロル(左)とひじき(右)
こども牧場スタッフ一同
2018年3月9日 | しいくのぶろぐ
シマフクロウの繁殖期!
シマフクロウの繁殖期!
皆様こんにちは。
日差しが春めいてきて、動物園は小鳥の声がよく聞こえるようになり、北海道の雪の中ではありますが春を感じる様になりました。
さて、去年も同じ時期に同じ話題を出したのですが、フクロウ担当者の性ですので、先に謝っておきます(笑)
今回のブログの主役はシマフクロウです。3月といえば、熱心なフクロウ好きには自明のことですが北海道で一年中過ごすフクロウたちの繁殖の季節です。旭山のシマフクロウ、ロロさん(オス)とモコさん(メス)の夫婦も2度目の繁殖期を迎えました。
昨年は無精卵だったため残念でしたが、今期も昨年同様「鳴き交わし」を頻繁に行い、モコさんは巣にしっかり執着し、交尾も確認できました。特に今年は1月からモコさんの留まっている枝がだいたい決まっていたので、この枝を狙ってカメラを設置すれば交尾が記録できるかもと期待したところ、その予想がばっちりあって2月8日と2月18日の交尾の様子がしっかり写っていました。前者はロロさんがモコさんの背中に乗っただけだったのですが、後者はしっかりと交尾をしているのが確認できて(写真1)今年こそ有精卵なのではという期待が高まっています!
そして3月になり昨年同様モコさんが巣にこもり始め、ついに3月6日卵を1卵確認し、その2日後には2卵あるのも確認しました。これからモコさんは35日間の抱卵を続けます。有精卵であれば4月10日頃にヒナが孵る予定です。
今年も、シマフクロウ舎の室内で巣内の観察ができるモニターもついていますので、抱卵中はモコさんの背中が主体の映像(笑)にはなりますが、3月中に動物園に来た方はちょっとのぞきつつ、モコさんを応援してくださいね。
シマフクロウ交尾
フクロウ担当・獣医師:池谷優子
2018年3月9日 | しいくのぶろぐ
里親さんのウサギ・モルモット・ハムスター
里親さんのウサギ・モルモット・ハムスター
こども牧場では、産まれたウサギ・モルモット・ハムスターの里親さんを不定期で募集し、一般の方へお譲りをしています。今回、2015年以降に里親になっていただいた方へお手紙を送付し動物たちの写真の提供をお願いしたところ、たくさんの里親さんから写真が届きました。ご協力ありがとうございました。いただいた写真はこども牧場館内で掲示していますので、ご来園の際はぜひお立ち寄りくださいね。
なお、里親の募集についてはホームページなどには掲載しておりません。不定期でこども牧場にて募集内容を掲示し、ハガキでご応募いただいた後、当選者の方には後日直接動物園に引き取りに来ていただき、受け渡し会を行います。
原則としてご来園いただいた方のみが里親に応募できることになっておりますのでご了承ください。
こども牧場に掲示している写真
こども牧場担当:國友透子
2018年3月5日 | しいくのぶろぐ
【ヒナです。その弐】
2018年3月3日 | しいくのぶろぐ
さようなら診療車2号
さようなら診療車2号
先日、動物園の2代目診療車が引退しました。この車は平成12年に納車されているので、動物園で17年間働いたことになります。今回は診療車の思い出についてお話ししようかと思います。
診療車の一番多い仕事は園内での移動です。荷物が少なければ歩いて行くのですが、大きな動物(トラなど)を麻酔するときにはたくさんの道具を持っていく必要があるので診療車が活躍します。
また、治療の時にどうしても動物病院に運んで検査や手術をしたいときは診療車に動物を載せて運んできます。僕が知っている限りシンリンオオカミ、クロヒョウ、アムールヒョウ、オランウータンを運んできています。もちろん全て麻酔をかけて眠っている状態です。が、もし車の中で麻酔が覚めてしまえば非常に危険ですので現場はまさに真剣そのもの、緊張感みなぎるものです。
そのほかにも診療車に動物を載せて他の動物園に搬出したり搬入したり、空港に受け取りに行ったこともあります。思い出に残っているのは釧路市動物園に「シマフクロウ」を受け取りにいったことです。後部座席にシマフクロウという希少動物が載っているという非現実的な興奮と緊張の中、釧路から旭川までの5時間(冬だったのでけっこう吹雪いた)を運転して帰ってきました。そうそう、キングペンギンを旭川空港に迎えに行ったときは暑いのが苦手なキングペンギンのために、真冬なのにクーラーをガンガンつけて行ったのでものすごく寒かったです。
診療車2号はこのあと廃車になるわけでは無く、市役所の別の部署での仕事が待っています。もしかしたらまた会える日も来るかもしれません。その日までさようなら、診療車2号。
ボンネットのウサギちゃん。包帯をもっているけど自分の体が満身創痍。自己犠牲の精神です。
サイドにはトラとライオンの勇ましい姿が描かれています。
ぺんぎん館担当・獣医:佐藤伸高