旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2018年1月のしいくのぶろぐの記事


タンチョウお待たせしました

 タンチョウ

 昨年11月の冬期開園からタンチョウ舎の改修(プール)ということで、タンチョウの丹星(オス)とノモコ(メス)がしばらくの間、展示ができずにバックヤードですごしていました。

 当初は、昨年12月中旬くらいには展示再開予定でした。

 やっと工事も終わり1月23日より通常展示になりました。約2ヶ月半狭い環境でしたが元気よく過ごしていました。

 移動してすぐにプールに入り、水浴びや羽繕いを行っていました。

 冬の雪景色のきれいなタンチョウの艶姿や、白い息を吐きながらの鳴き交わしをぜひ見に来てください。

 (タンチョウ舎担当 高井 正彦)

動物を観察してみよう!

 みなさんこんにちは!
 今日は魚の紹介をしたいと思います。
 早速ですがオオカミウオという魚をご存知でしょうか?

オオカミウオ

オオカミウオ

 実は旭山動物園にもいるのですが私がオオカミウオを観察していると「この魚なんだろう?」「どこにすんでいるんだろう?」という声をよく耳にします。

「この魚は日本にもいて新潟県より北の海にもいるよ」と言うとみなさんびっくりします。
 ちなみに野生では貝やカニを食べていますが動物園ではホッケを食べています!
 この話もおどろいてくれるのですが、なかなかこの魚をじっくりと見てくれるお客様は少ないです。
 よく「顔が怖い」と言われてお客様は行ってしまうのですが、泳いでいる姿やジッとしているときの顔は意外とおもしろいです。

 ここで1つお客様にお願いがあります。

 好きな動物で構いませんので10分でいいので見てください!

 私は毎日みていても発見があり、とてもおもしろいので、これをお客様にもぜひ感じていただけたらと思います。

 なのでみなさん!10分間動物を目で見てください!

ぺんぎん館担当:畑野 和輝

モユク☆カムイ96号が完成しました!!

表紙のシロサケ
今回の表紙はアムールヒョウ

 「モユク☆カムイ96号」が完成しました!!

 今回の表紙は、昨年8月に生まれれた「アムールヒョウの仔」です!

 モユク☆カムイは、飼育展示スタッフ手作りの情報誌です。日々、変化していく動物たちの様子や動物園のできごとなど、現場のスタッフだからこそ知ることのできる情報が盛りだくさん。

 今回は動物の繁殖に関する特集が中心です!

 動物園に遊びに来た際には、ぜひ手にとってみてください!

  

 モユクカムイ96号へのリンクはこちら

もくじ

1・ぼくは動物大使  美しきハンター アムールヒョウ

2・特集       繁殖賞からみる「命をつなぐ50年」

3・飼育研究レポート 高齢動物たちとのお別れ

4・動物園のお医者さんのカルテ 高原病性鳥インフルエンザと動物園での対策

5・主なできごと   編集後記・飼育動物数

入手方法

 モユク☆カムイは、動物園東門管理事務所、園内サポートセンタ-、動物図書館で入手することが出来ます。また、郵送での取扱いも行っています。詳しくは旭山動物園までお問い合わせください。

  

 モユクカムイについての詳細はこちら

「飼育スタッフは本を読む!」

 動物園で働く飼育スタッフの仕事は、動物を健康的に飼育する、動物がいろいろな行動ができるように魅力的な放飼場を作り上げる、来園者の方々に動物のことを知ってもらうために看板を書く、ガイドを行う、イベントを行うなど、さまざまな仕事があります。

 これらの仕事を行うために飼育スタッフは、動物の生態や飼育の方法、自然環境を伝えるための手法、などを常に学び続ける必要があります。

 私は子どものころ、勉強が嫌いで大人になったら勉強しなくてよくなると勝手に思っていたのですが、大人になってからのほうが猛烈に勉強するはめになってしまいました。


 ちびっこのみんな!勉強は大人になってからもすることになるから、今から頑張って勉強しよう!


 さて、勉強にもさまざまな方法があります。今回は〈飼育スタッフは本を読む〉です。

動物園参考書 

 動物園はなかなか特殊な世界ですが、参考書がいろいろと出ています。


 写真の中で一番分厚い本で厚さが3cm、重さが約2kg、ページ数は600ページを超えます。単純に重いので、持ち上げるとちょっとした筋トレになります。頭と同時に体も鍛えることができる優れものです。

飼育スタッフは、たくさんの本を読んで様々な知識を吸収し、飼育や展示に生かしていきます。本棚は、動物関連の本でいっぱいです。

 昨今、本離れが進んでいると耳にする機会がありますが、本はとってもいいです!自分一人では考えつかないことや自分が経験できないことなど、たくさんのことを知ることができます。

動物園には、動物図書館があり、たくさんの動物関連の本があります。動物のことを少し勉強してから動物を観察すると、たくさんの発見があるはずです。

 さぁ、みなさん、どんどん本を読んで、どんどん動物園に来て自然を知りましょう!


(あざらし館・さる山担当  鈴木 悠太) 

【ストーブリーグ】 

 みなさん明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。

 さてアムールヒョウのツインズ、年末に愛称が決定しました!
 オスが「とわ」、メスが「みらい」となりました。
 担当者としても、命名式まで終えると「無事育ってくれたかな」という安堵と感動を、しみじみ感じます。
 昨年度のアムールトラ、ユキヒョウに次いで、今年度はアムールヒョウ。まさに夢のようです。

 アムールトラの子・ソーン♂とユキヒョウの子・リヒト♂は、この冬から母親と別居しています。


ソーン

(一人暮らしをはじめたソーン)


 親子をいつまでも一緒にしておくと、親離れが始まったとたん母親がわが子を攻撃してしまったり、子が性成熟すれば近親交配のリスクも起こります。また、ザリアもジーマも子にエサをゆずる傾向が強く、同居しているとどんどん母親がやせて、逆に子が太ってしまうのが気になっていました。
 そんな理由から、生後1年半を過ぎたこのタイミングで別居させることにしたのです(ちょっと早めですが)。


リヒト
(リヒトはジーマと離れてちょっとさびしそう?)


 野生下のトラやヒョウは、子が2才~3才になるまでは母親が育てますが、親離れの時期が来ると子は縄張りから追い出され、自立していくことになります。
 それを動物園で再現するとしたら、もうじゅう館で繁殖した子どもたちは生後2~3年を目処に他の動物園に移動するのが理想、ということになります。
 子どもたちは移動することで繁殖の機会を得られるし、両親も次の繁殖をおこなうことができます。
 絶滅危惧種の彼らには、種をつなぐ使命があるのです。

 ただ、動物移動は搬出する園、受け入れ先の園、血統を管理する種別調整者、それぞれの意向をふまえて行われますので、なかなか事前情報をみなさんにお知らせすることはできません。
 ベビーラッシュのもうじゅう館ですが、子供たちは他の動物園へ「電撃移籍」する可能性がある、ということだけは、お伝えしておこうと思います。
 その際には「動物たちにとって喜ばしい事」として、温かく見守っていただけたら幸いです。


(もうじゅう館担当:大西 敏文)

第50次プチ越冬隊長より

 新しい年が始まりました。

 年末から年始のたった3日の閉園ですが、日常が遮断されて、ほんの少し気持ちのリセットできる期間です。

 開園50年目の年が終わり51年目の始まりです(50周年行事は3月末まで続きます)。戌年です。旭山動物園にはイヌ科の動物を5種飼育しています。皆さん分かりますか?

 エゾオオカミを絶滅させて120年余り。私たちは自然に対して少しは優しくなれているのでしょうか?

 干支の引き継ぎの年賀状作ってみました。

ひきつぎ

(1月1日撮影 ※オオカミがいます・わかるかな? クリックで拡大!)

 アッ!まじめなのも作りましたよ。

 オオカミ


 動物たちにとって、皆さんにとってよい年になりますように。

園長:坂東元