旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2017年3月のしいくのぶろぐの記事

ゴマフアザラシが産まれました

 3月23日の早朝にゴマフアザラシが出産しました。

 母親は、ぽちゃ丸。父親は、マンタローになります。

 
 出産前日、ぽちゃ丸の食欲がなくなる、痛そうな様子、母乳の分泌が観察できました。

 「これは出産まで近い!」と思い、事前に放飼場の全ての場所を撮影できるようにカメラ3台を設置をしていたのですが、1台を動かし、ぽちゃ丸が痛そうにして寝ている場所をカメラ2台で撮影するように変更しました。

 「よし、これでばっちり出産が撮れるはず!」と思っていいたのですが、3月23日朝、あざらし館に様子を観に行くと2台のカメラが撮影している場所ではなく、カメラを動かし撮影していない場所で出産していました・・・。

  

 出産の撮影はできませんでしたが、ぽちゃ丸は初めての出産とは思えないほど落ち着き、産後の後処理も自分で行い、立派に母親をしています。

 出産確認後すぐに授乳の確認ができ、子どもを常に気にかける様子など飼育担当者としては安心して観ていられます。

 

 ゴマフアザラシは、2~3週間で子育てが終わり、その頃には産毛が抜けて大人と同じゴマ模様になります。とても短い子ども期ですので、冬期開園中にぜひ会いに来てくださいね。

 
授乳

授乳もばっちり!

あざらし館・さる山担当:鈴木悠太

  ビックリします?

 「イボイノシシのドゥニア大きくなったね!」と、お客様にビックリされる事があります。何度も遊びに来てくださっているのかな?と思い嬉しく思います。

 生後7ヶ月で来園し、その頃はまだ子どもだったドゥニアも先月で2歳になりました。このくらいになると野生下では母親から独立して暮らしているはず。もう大人になったんだなぁ、元気で育ってくれて良かった・・・。でも、毎日見ていると体の大きさの変化には全然ビックリしないのです。どれだけ成長したのか、一年前くらいと現在とを比べてみました。

イボイノシシ2016年4月 イボイノシシ今年

昨年の4月のドゥニアの様子(左)と現在のドゥニアの様子(右)

 

 体重は昨年4月で48キロ、現在は84キロです。牙は一年でずいぶん伸びましたね!比べると大きくなったのがよく分かり、お客様の驚きも分かります。

 これから体重はあまり変わらないと思いますが、ドゥニアはオスなので牙はもっと大きくなるはず。その変化にも驚きにいらしてくださいね。

 

てながざる館・ダチョウ・イボイノシシ担当:田中千春

2017年3月17日 しいくのぶろぐ

「羽」ね

  「羽」ね

  ぺんぎん館のキングペンギン達は今が換羽の真っ最中です。ペンギンは1年に1回全身の羽が生え替わります。羽が換わるので「換羽」とよびます。一年間使っていると羽がボロボロになって撥水性・保温性が落ちてしまうので新しい羽に換わるのです。

 

 お客さんの会話を聞いていると

 

 「何あれ~、毛がもじゃもじゃしてる~」

 「毛が抜けてる~、病気?」

 「毛が」「毛が」「毛が」

 

 僕は常に頭の中で「羽」ね!と言っています。鳥なので毛じゃなくて羽ね。

 まあ、こうゆう細かいことはどうでもいいので換羽が終わったばかりのキングペンギンをじっくりと観察してみてください。本当にため息が出るくらいキレイです。

キングペンギン換羽

ボロボロだけど病気ではないんです

 

換羽終了

換羽したてはあごも黄色いって知ってましたか?

 

ぺんぎん館担当・獣医師:佐藤伸高

フクロウたちで感じる春!

 フクロウ担当兼獣医師の池谷です。皆さんこんにちは。

 ミカンの国から北海道に移ってきて二年が終わろうとしています。同僚に聞くと、ここ二年の冬は雪も、冷えてつらいという日々も少なかったとのことですが、やっぱり春の気配はうれしいですね。
 さて、最近のフクロウたちの近況についてお話ししておきたいと思います。北海道で一年を通して過ごす留鳥としてのフクロウたちは、このブログが掲載される頃が産卵がみられはじめる時期となります。本園のフクロウではシマフクロウ、ワシミミズク、エゾフクロウが該当します。現状はというと、まずはワシミミズクたちですが2月半ばから鳴き交わしも始まり、すでにオスは縄張りを主張するため昼間にも鳴いていますし、餌を入れる夕方には私に強力な威嚇を始めています。またメスは巣作りを始めています。

ワシミミズク

鳴き交わしと縄張り宣言で昼も鳴いているワシミミズクのオス。

 
 エゾフクロウは、昨年の11月に新しい巣を設置しました。最近は2羽がその中にはいっていることが多いのですが、一昨年設置した際も中に入るだけで産卵の気配はなかったので、今年はどうなるかと気をもんでいるところです。

エゾフクロウ

昨年同様、中からのぞくエゾフクロウ。

 
 そして私に一年遅れて旭山動物園へやってきたシマフクロウのロロ(オス)とモコ(メス)ですが、この一年ですっかり旭山にもなれて、何とかつがいとなりました。10月頃から頻繁な鳴き交わしを行い、繁殖に向けて観察のために巣内にカメラを設置した際も、モコが私におそいかかってくるほど巣への執着も見られるようになっていました。そして、1月からはできるだけ巣の近くを通らないようにして見守っていたところ、2月半ばから交尾が確認され始め、産卵への期待が一挙に高まっていました。そしてついに、平成29年2月28日、卵を一つ産んでいるのが確認されました。現在、モコは一日10分程度巣から離れるだけで、ずっと卵を抱いています。卵が有精卵であれば、うまくいけば4月5日前後に孵化すると思いますので、期待して待っていてください。カメラも設置していますから、あまり動きがないけれど中の様子は確認できますので、来園された際は観察してみてください。運が良ければ卵を確認できるかもしれませんよ。

シマフクロウ
 

巣内のライブ映像。画面の左側でメスが卵を抱いています。

 

 北海道ではまだ少し春は先ですが、フクロウたちはすでに春へ向かって動いています。皆さんも身の回りで春の先触れをさがしてみてください
 ではまたね~。

フクロウ担当・獣医師:池谷優子

自然観察会を行いました

 2月26日に旭山動物園の自然観察会「雪の中の不思議 大捜索!」を行いました。
 前日に雪がたくさん降り、柔らかい雪の上をスノーシューで散策しました。

 途中で木の年齢を直径から推定し、ずいぶんと長生きしている木が旭山公園にはあることを発見。

 また、参加者の方が持っていたバードコールに野鳥が反応し、興味を持って近づいてきた鳥を間近で観察することもできました。

 これで今年度に予定していた自然観察会は終わりです。

 来年もまた、自然観察会を行います。

 自然のことを知り、みんなが自然を好きになったら、動物たちはこれからも私たちの近くで一緒に暮らしていってくれることでしょう。

 自然を好きになるきっかけとして、自然観察会にご参加ください。

 来年度はどのような自然を発見できるか・・・いまから楽しみです!

自然観察会の様子

とっても長生き

さる山・あざらし館担当:鈴木悠太