ヒグマかヒグマ以外か

最終更新日 2023年5月20日

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ヒグマかヒグマ以外か

 なかなか話す機会もないので、ここでは「えぞひぐま館」で飼育しているオジロワシと魚たちについて。

 まずは入り口横にいるオジロワシ。
 元々は数年前まであざらし館で飼育されていた2羽。2羽とも事故で翼をケガして飛べなくなった個体で、ここ数年はバックヤードで飼育されていましたが、ヒグマとの繋がりもあり、産卵したこともあったので新居で心機一転繁殖を目指していました。
 相性も悪くなさそうだったので期待していましたが、ちょうど繁殖期の最中の3月にメスが起立不能になり死亡してしまいました。動物園に来たのが40年程前でその当時で成鳥だったそうなので大往生だったと思いますが、産卵していたこともあったので繁殖の機会を提供できなかったのが心残りです。
 現在はオスが1羽だけの展示になってしまいましたが、えぞひぐま館のウェルカム役としてお客さんをお出迎えしています。

オジロワシ


 次に川魚(イトウ、ヤマメ、イワナ、オショロコマ、ニジマス、ウグイ)たち。
 昨年のオープン時にも魚はいたのですが、できたばかりの建物なのでコンクリートの灰汁が出きっていなかったようで5月に大雨が降った際に一時全滅してしまってました。その後ようやく水が安定し、それ以降は飼育している魚が死亡してしまうことはほぼありませんでした。本当はヒグマが魚を自由に捕まえたりしている様子も観察できればと考えていましたが、魚が早すぎるのか、とんこは早々に諦めてしまったので最初15-20cmほどだった魚もすくすくと成長して40cm前後のビッグフィッシュになりました。大きくなった分、皆さんからは見つけやすくなったかもしれません。
 ニジマスの勢力がすごかったので今年の春には、ニジマスを少し減らして在来のヤマメやオショロコマを少し増やしています。また懸案事項だったガラスの白濁も閉園期間に試行錯誤しながらなんとか取ることができたのでヒグマも魚も観察しやすくなったと思います。

ニジマス


 最後にひっそりと出口で飼育しているサケ。
 昨年12月に卵から展示を開始し、孵化、仔魚、稚魚へと順調に成鳥していきました。ほっきょくぐま館で、すでにサケの2年魚を展示していますが、えぞひぐま館ではえぞひぐま館の小川の水を利用し飼育をしており、ゆくゆくはその小川に放流したいと考えています。まずは淡水のまま、どこまで飼育できるのか見極めていければと考えています。

サケ


 長くなりましたが、これから暖かくなってきて野外で活動される機会も増えてくると思います。そういった際には事前に出かける場所のヒグマの出没情報などをしっかりとチェックし、十分にヒグマに注意した上で活動していただきたいと思います。ゴミを放置したり、写真や動画を撮影しようと近づくなどヒグマとヒトとの距離感を近づけてしまうような行動はしないようにしましょう。
 良い季節をお過ごしください。


えぞひぐま館・フクロウ担当:大内章広