チンパンジーに4年ぶりの赤ちゃんが誕生しました

最終更新日 2022年7月27日

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チンパンジーに4年ぶりの赤ちゃんが誕生しました

 4年前の赤ちゃん、メスのニコルは生後3ヶ月でオスの個体に乱暴され事故が起きてしまい大変残念な出来事がありました。(2018年6月14日しいくにゅーすより)その後、出産例はありましたが上手く育たない状態が続き、メスの高齢化や近親交配を避けて避妊など行ってきました。

しかし、今回近親交配を避けていた群れの中で、フルト(41才)が6月22日に7年ぶりの出産をしました。性別は不明です。

 複雑な心境ですが、生まれてきてくれた命には素直に喜びたいです。ベテランの母親はしっかり赤ちゃんを朝も夜も離さず抱きしめています。生まれてから3才半から5才くらいまで母親のお乳を吸っていますので母子はいつも一緒で深い絆で結ばれます。母親は約5年周期で次の出産ということになります。さて、赤ちゃんは生まれてから少し弱い子で心配しましたがひと月の間で随分大きく成長しました。

チンパンジー子ども

6月22日に産まれたチンパンジーの赤ちゃん

 赤ちゃんの生まれながらにして3つの行為が反射的にできる様子もみられます。一つ目は、腕を広げての先にある母親のおなかの毛をつかみ、しがみつきます。足の力はまだ弱いので母親が手で抱きかかえます。二つ目は、母親の乳を探します。頬に刺激があると口の方に持っていくことです。三つ目は、乳首を吸うことです。人も含めてサルの仲間に共通したことと言えるでしょう。子どもは母親にしがみつき、母親は子どもを抱きかかえて愛情たっぷりと成長していく姿が微笑ましく思います。繁殖成功と言える時期(生後半年)を楽しみに見守ってくだされば幸いです。

ちんぱんじー館・タンチョウ舎担当 髙井正彦