【採血】
動物の体調が悪いときや、健康診断の時に採血を行います。私たちヒトの採血と言えば肘の内側の血管から採るのが一般的です。では動物たちはどこから採血するのでしょうか?
まずはジェンツーペンギン。さてどこから採血するのか。
写真は足の血管から採血しているところです。うつぶせに保定して足の親指の上にある血管から採血します。で、血管は見えているのかというと、ほとんど見えません。指で触ってみて血管の部分が「ぷっくり」しているので、そこに針を刺します。
ジェンツーペンギンの採血
次はライオン。さてどこから採血するのか。
写真は太ももの裏側の血管からから採血しているところです。
こちらの血管は良く見えるのですが、ネコの仲間の血管は弾力があり、針を刺す時に「プリン」ってなることがあります。これを通称「血管が逃げる」といいます。逃げないようにしっかりと皮膚を張り採血します。
ライオンの採血
最後はシロテテナガザル。さてどこから採血するのか。採血場所は腕、足、首なのですが、このときはことごとく失敗し、採血できそうな血管は無いかと全身を探したところ、え?こんなところに?という場所にありました。写真はわきから採血しているところです。
テナガザルの採血
思い出せば12年前、動物園に入って初めて採血したのはシンリンオオカミのマースでした。そのときは中々採血ができず、採血って難しいなと感じたことを思い出します。
これからも安全に正確にかつ早い採血ができるように経験を積んでいきたいと思います。
(獣医師・きりん舎担当:佐藤 伸高)