しいくのぶろぐ「アムールヒョウ ペアリング日記」
1月からペアリング中の、アムールヒョウのキン♂とルナ♀。
なんと5月7日に交尾を確認しています!
10分に1回、1日になんと数十回。これはアムールトラの発情期も同じでした。
<写真1>キンは今年で13才。高齢の域に入っています。
<写真2>ルナはもうすぐ5才。まだまだ若い。
2月は、ルナはキンに近寄りアピールするものの、キンが追い払い、ルナに生傷が絶えない状態でした。しかしここで別居させては今後の進展が望めません。「ここはガマンどころ」と、同居を継続しました。
3月にはルナの寝室に産箱も設置しましたが、ペアの関係は進展が無いまま4月もすぎ、残念ながら今年の繁殖はなさそうだな、と判断していました。
<写真3>トラ・ユキヒョウのノウハウを活かした、「こだわりの」アムールヒョウ産箱。
そこから急転直下、5月に入って2頭の交尾確認! ←いまココ!
ペアリングによって展示パターンも変わり、適応するまで動物にはストレスがかかったことでしょう。でも過保護に扱うだけが正解じゃありません。時には動物が環境に適応するまで、我慢強く見守ることも必要なのです。
こうした微妙な「さじ加減」も、飼育係12年もやってりゃ慣れたものです。
思い返せばシンリンオオカミやアムールトラのペアリングも、前途多難なスタートからの繁殖成功だったなぁ(しみじみ)。
神経質なルナ。3年前にロシアの動物園からあさひやまに来ました。当初は展示場に出しても来園者から全く見えない位置に隠れて「あれ?この部屋に動物いないの?」と言われていました。そのルナが今、キンとの交尾までこぎつけたのは感慨深いです。
アムールトラ、ユキヒョウ、そしてアムールヒョウ。もうじゅう繁殖「ハットトリック」達成なるか?
今後の経過を慎重に見守りたいと思います。
(もうじゅう館担当・ 大西 敏文)