飼料担当のおしごと
今日はわたし、中野が担当している飼料の仕事の話を少し。旭山の飼育スタッフにはそれぞれ担当動物が割りあたっているのですが、動物と直接関わらない「飼料担当」というものもあります。各動物の飼料(特に肉・魚類)の計量と取り分け、飼料の在庫管理、発注・納品管理、業者への飼料代の支払事務などなどです。けっこう机に向かう時間が多いです。
動物の飼料は各担当者が栄養面や嗜好性を考えて、品目と量を決めています。私の仕事は、指定された通りに飼料を準備したり、飼料が足りなくなったりしないように全体の量を把握し、日々の管理をしていくことといった感じでしょうか。
動物たちも、人間と同じ様に変なものを食べると調子が悪くなります。与える飼料の質が悪くないか、汚染されていないか、結構神経を使って仕事をしています。
ちなみに人間が普通に食べているものでも他の動物にとっては猛毒、なんてこともあります。犬にネギを食べさせてはいけない!とかは有名ですね。
与えている飼料の一例です。
「盛り合わせ」
左上から時計まわりにシカ肉、丸鶏、ヒヨコ、ホッケ、ウズラ、馬肉です。他にも様々な種類の飼料があります。
これらの肉魚類はほとんど冷凍品なので、毎日必要量を冷凍庫から出して翌日分を解凍しています。
「冷凍庫内」
冷凍庫の中は在庫の飼料が山済みですが、せいぜい一か月分あるかないかの量です。
上の写真の、ヒヨコやウズラは少しグロテスクで残酷だと思うかも知れませんが、一緒に写っているホッケや馬肉も昔生きていた動物の体やその一部です。よく考えたらただの肉に切り分けられてしまった馬肉の方が残酷なんじゃ…ともおもいます。
動物は他の命を食べなければ生きていくことができません。
飼料担当になり、多くの「もと命」に触れることで、自分も毎日命だったものを食べて生きているんだなぁ、とより実感するようになりました。
エゾシカの森・飼料担当:中野奈央也