ゲンちゃん日記・令和5年2月「雪あかりの動物園ができるまで」

最終更新日 2023年2月10日

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ゲンちゃん日記・令和5年2月「雪あかりの動物園ができるまで」

サル

冬の夜に、寒さを抱き合って

しのぐニホンザルの親子

さてこの手紙が届く頃には、旭川の雪まつりも終わっているでしょう。久しぶりに来場者を迎えての開催になります。冬の寒さを存分に楽しめたでしょうか?それとも極力外出しない習慣がついてしまった結果、体がなまってしまい寒さを楽しむどころでなかったでしょうか?動物園は冬祭り期間中の週末の金土日の三日間「雪明かりの動物園」として夜間開園を行います。
この手紙を書いているのは1月中旬。今は雪像やアイスキャンドル、ちょっとした子供たちの遊び場を制作したり準備をしています。閉園時間後に制作するので結構大変です。今年は最低気温が低めなのでアイスキャンドルの作成は順調に進みそうです。水道の蛇口から風船に水を入れ底が平らになるくらい地面につけ吊して一晩放置します。中心部まで全部凍らせないのが肝で、翌日キャンドルを入れる穴を開け中の水を抜きます。水滴型キャンドルの完成です。最低気温がマイナス15度以下になる予報の日に行うので、作業中は手袋やカッパが水で凍り付きます。たまに運ぶ途中で水風船が破裂してなんてことも起きます。今年はさらにロウソクの再利用を試みます。ロウソクは芯がなくなると消えてロウが残ります。昨年使い終わったロウ捨てずに集めて置いたものを再度溶かして型に入れ新たな芯を入れます。試行錯誤の結果安定した火が灯るロウソクができました。量産は手間暇がかかるのですがチャレンジしています。ロウにはパーム油が使われています。少しでも無駄をなくすことが環境保護の解決にも繋がります。
 ここ3年間は自分たち人類のことを考えるのに精一杯でしたが環境問題への取り組みもそろそろ本格的に再開しなければいけませんね。寒さと雪がテーマの「雪明かりの動物園」をしっかりとやりきらなければと思っています。
 

                                  令和5年2月10

                                  旭山動物園 園長 坂東 元