ゲンちゃん日記・令和4年4月「今年で55回目の夏期開園を迎えます」

最終更新日 2022年4月18日

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ゲンちゃん日記・令和4年4月「今年で55回目の夏期開園を迎えます」

ホッキョクグマ子(順調に成長しているホッキョクグマの子(3/20撮影))

さて新しい年度が始まりました。春ですね。人の移動も多い時期ですが、動物園の動物たちの移動も秋頃と春先が多くなります。真冬は吹雪などで輸送のスケジュールが狂うリスク、夏は気温が高いと動物の健康へのリスクが高くなるからです。4月と言ってもこちらでは残雪もありまだまだ涼しいのですが、本州以南はあっという間に北海道民の感覚では初夏のような暑さになってしまいます。

この原稿を書いているのは3月中旬です。昨年遅れに完成したえぞひぐま館、雪が降り積もる中での完成だったので、工事の不手際と言うことではなく雪解け後に放飼場の土が沈んでいたりあれやこれや手をかけなければならないことが出てきます。今は魚が棲める水作りに精を出しています。完成後すぐに「渓流」の水の循環を開始しました。システムや濾過の状態のチェック、擬岩に覆われているのでコンクリートやモルタルのあく抜き、水温やpHなどのチェックを継続し、ある程度安定した水質の水ができてきました。先日少数の魚を入れましたが元気もあり手応えを感じています。プチ淡水魚水族館を目指しています。ヒグマ(とんこ)のエサとしてではなくヒグマと魚の共存型飼育展示を目指しています。ただ水が流れているだけではなく、生き物の気配を感じる水があることで、とんこにもヒグマらしさが目覚める良い刺激になると考えています。来園者には水中の魚を観てふと見上げるとヒグマがいる、どうですか?ちょっと感動的ではないですか!

もう一つ、ホッキョクグマの子も順調に成長しています。生後100日を超え本来ならば巣穴から出て来ても良い大きさです。現在は産室から母親と一緒に寝室側にも頻繁に出てきて、母親にじゃれついたり走り回ったり一緒に固形物も食べ始めています。伸び伸びと運動をさせるためにもそろそろ放飼場に出す練習をしなければいけないほどの成長です。

旭山動物園は55回目の夏期開園を迎えます。充実した年を皆様と共に過ごしたいと願います。

                                     令和4年4月18

                                     旭山動物園 園長 坂東 元