ゲンちゃん日記・令和4年3月「動物たちの新生活の準備」

最終更新日 2022年3月16日

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ゲンちゃん日記・令和4年3月「動物たちの新生活の準備」

オオカミ(今にも遠吠えが聞こえてきそうなオオカミ)

雪あかりの動物園、夜間開園も無事に終わりました。イベント的なことは一切できませんでしたが、静けさの中でオオカミの遠吠えが園内に響き渡り、とても印象的な夜になりました。すっかり定着してきたインスタライブだけは連日行い、好評をいただきました。
 手紙を書いている今は2月中旬。日中の最高気温が高く、雪の少ない日が続いています。雪あかりの動物園で展示する予定だった、風船に水を入れて作る水滴型のランタンが計画どおりに製作できなかったり、水温が思ったように下がらないため、あざらし館の流氷再現も断念せざるを得ませんでした。もしかしたら、この手紙が届く3月中旬には雪解けが進み、地面が見えているのではないかと心配になります。
 さて、動物たちですが、ホッキョクグマの子は生後2か月で体重約8キログラムとなり、順調に成長しています。じっとしていると縫いぐるみと見間違えてしまいそうな容姿ですが、動きに力強さも感じられるようになってきました。キングペンギンのひなは、巨大キウイのような茶色い姿から、羽根の換羽が進み、大人ペンギンに日々成長しています。
 冬から春にかけての寒冷な時期は、動物への負担が少なく、引っ越しに適しています。旭山動物園からはユキヒョウ・レッサーパンダ・ゴマフアザラシ等が、他の動物園に旅立ちました。送り出すときは少し寂しさがあるのですが、いずれも新天地で新たなペアを組むことになります。命をつなぐことに期待を大きく膨らませつつ、新たに迎え入れる動物の準備も進めています。
 この手紙が届く頃には、夏期開園のセレモニーができるのかな?えぞひぐま館のオープンイベントはできるのかな?など、春に向けて具体的な調整を始めなければいけません。新緑の匂いを思いっきり吸い込める春になるといいですね。

                                     令和4年3月16

                                     旭山動物園 園長 坂東 元