ゲンちゃん日記・令和3年12月「冬期開園を迎えた旭山動物園」

最終更新日 2021年12月16日

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ゲンちゃん日記・令和3年12月「冬期開園を迎えた旭山動物園」

エゾユキウサギ

(エゾユキウサギの親子)

 先月、冬期開園を無事に迎えることができました。10月に続いて、延期に次ぐ延期となっていた修学旅行生などの来園が多くなっています。この時期は北海道と他の地域との寒暖差が大きいので、道外から来た学生の中には、寒そう!と、こちらが震え上がるような格好をしている子もいます。でも一般客の団体はとても少なく、園内は落ち着いています。もっとも、11月・12月は地元の人はあまり動かない時期ですよね。雪も少なく「寒いだけ」というこの時期は、雨が降るくらいなら雪の方がいいなと思うこともあります。
 そういえば、冬期開園から週末も含め、もぐもぐタイムを再開しています。少しずつ旭山動物園らしさを出していきたいと考えています。年が明けたら雪あかりの動物園も実施したいです。まだまだ大きな声で旭山動物園に来てね!とは言えない状況ですが、できることは淡々と、しっかりやっていきたいと思います。
 今年を振り返ると、エゾモモンガ舎のオープンなど、北海道の動物の飼育展示エリアが充実しました。新しい施設で、エゾユキウサギの繁殖もありました。巣穴も掘らず、子は生まれたときから茶色い毛に覆われ目も開き、人間の子供の拳くらいの大きさで、あれは縫いぐるみだ、と言ったら誰もが信じるくらいの愛らしさです。ウサギを飼いたい!という声も聞こえてくるのですが、「みんなが飼っているのはカイウサギ=アナウサギ=rabbitで、エゾユキウサギ=ノウサギ=hareなんだよ」と即席でガイドをするなど、来園者と一緒にエゾユキウサギの成長を楽しみながら見守りました。
 冬に向かって繁殖をする可能性がある動物、次の春に向けて繁殖の準備をする動物、冬はしんしんと静かですが、大切な季節でもあります。しっかりと準備を怠らず新しい年を迎えたいですね。

                                    令和3年12月16日

                                    旭山動物園 園長 坂東 元