ゲンちゃん日記・令和3年11月「旭山動物園の冬支度」

最終更新日 2021年11月16日

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ゲンちゃん日記・令和3年11月「旭山動物園の冬支度」

越冬舎

(冬の間、越冬舎でのんびり過ごします)

 緊急事態宣言が解除され、10月にようやく開園できました。道内の中学校を中心に、宿泊研修や修学旅行での来園ラッシュでした。生徒たちの歓声が聞こえ笑顔を見ると、開園できて良かったと、ほっとした気持ちになりました。
 今年は10月17日に旭川で初雪が降り、ととりの村のガン・ハクチョウ類とフラミンゴの越冬舎への収容日に重なりました。ととりの村とフラミンゴ舎は、雪に備えて天井の網を外します。高所作業車などを使う、かなり大掛かりな作業で、天井の網を外す前に鳥たちを収容します。昔はこの作業を10月末頃に行っていたのですが、数年前、網外しを行う前にべた雪がたくさん降り、網が破けてしまったことがありました。鳥たちの収容後だったのは不幸中の幸いでしたが…。それ以降、早めに網を外しています。今年は昨年よりも早い初雪で、記録的な暑さとなった夏を忘れてしまいそうです。冬の足音は着実に迫っています。
 10月は新たな動物の仲間入りもありました。オオタカ、ライオン、アフリカタテガミヤマアラシです。オオタカはバックヤードでの繁殖を目的に導入しました。地道な取組みですが、動物園として果たすべき大切な役割だと考えています。ライオンは、雄のオリトとペアを組むことになります。繁殖目的というよりも、ネコ科で唯一群れをつくって生活するのがライオンですから、本来持っている習性の発現、感情を豊かにすることが大きな目的です。アフリカタテガミヤマアラシは、来春から、かば館で飼育展示を予定しています。
 えぞひぐま館(仮称)の建設工事は、仕上げに向け、きめ細かな屋外作業が続いています。寒さも増し、かなり厳しい環境になってきました。工事関係の皆さんには頭が下がります。人と野生動物の関係を考えるという新たなコンセプトを具体化した施設です。頭の中で想像していたことが、現実の形になりつつあります。皆さん、期待していてください!

令和3年11月16日

旭山動物園 園長 坂東 元