ゲンちゃん日記・平成28年10月「冬に向かって!さる山の引っ越しと改築」

最終更新日 2016年10月18日

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ゲンちゃん日記・平成28年10月「冬に向かって!さる山の引っ越しと改築」

夜動2016

(写真)旧総合動物舎で仮住まい中のニホンザルたち

すっかり日が暮れる時間も早くなり、もう稲刈りです。ガソリンスタンドの前にはスタッドレスタイヤが並んでいます。初めてと言えばアブラゼミに続きハルニレの葉があれよあれよと食べられてしまうニレチュウレンジと言うハバチの幼虫の害に悩まされました。大量発生でした。旭山では今年が初めてです。町中では数年前から目立つようになってきたみたいですが…。 

さてアムールトラ、ユキヒョウの子もグングン成長していています。かなり大人びた顔つきになってきましたが、たまに母親の乳首に吸い付く姿はまだまだ子供です。シロテテナガザルの子は現在名前募集中です。さてどんな名前が寄せられますか?オリンピックにちなんだ名前になるのでしょうか?広島の安佐動物園から来たアムールヒョウのアテネとキンはずばりそのまんまの名前でしたね。レッサーパンダの双子も順調に成長しています。この手紙の頃には皆さんにもお披露目されているでしょう。冬に向かってますますやんちゃなチビたちです。冬が楽しみです。

さる山の改築リフォーム工事も始まりました。ホッキョクグマの出産の可能性に備えて、11月頃までに大きな音の出る工事を終わらせてもらうように請負業者さんと綿密な打ち合わせをしながら工事は進んでいます。工事に関わる方全員で問題意識を共有し進んでいます。

工事期間中ニホンザルは全頭旧ライオン・トラ舎(=旧総合動物舎)で仮住まいです。工事開始に先立ち、大捕獲引っ越し作戦を行いました。今年生まれの子にマイクロチップを埋め全頭無事に引っ越しました。一頭だけ力んだことが原因で脱肛になりましたが、数日間で完治しました。旧ライオン・トラ舎は2つの放飼場とシュート下通路を解放し繋げると意外と広く、63頭の大所帯でも窮屈感はありません。むしろ壁を隔てて2つの空間に分かれていることで執拗な追いかけやもめ事が少なくなったように見えます。群れの状態はとても安定しています。

ニホンザルの前に生活していたシンリンオオカミはもうじゅう館のバックヤードにある非公開の寝室付き放飼場に移動しました。こちらもホッキョクグマのイワンやオオカミのケン来園時に使用したり、多目的に使える予備室です。

旭山動物園では旧総合動物舎をはじめ多目的に使える予備室がたくさんあります。検疫や隔離飼育や繁殖個体の飼育さらには治療にと予備の施設があることはとても大切なことです。
ととりの村の建物の屋根の葺き替えや、浄化槽の大改修など冬を迎える前に工事が続きます。万全な越冬体制を整えねばと皆走り回っています。