例年よりも早い桜の季節も終わり、新緑の季節です。
いつもなら気分がワクワクする時期なのですが、
今年は晴れ晴れとした気分になれませんね。
全国的には新型インフルエンザの問題、
旭川市は丸井今井の撤退など今後が見えない状況が続いています。
最終的にはなるようにしかならないのでしょうが、
開き直っている場合でもありません。
現在動物園では、シロテテナガザル舎の建築が急ピッチで続いています。
霊長目の中では抜群の運動能力を持つ種です。
その「抜群」を十分に発揮できるようにと考えているのですが、
さてどうなるでしょうか?
テナガザルは形態としては核家族単位で暮らすので、
個体同士の関わりなども、注目してもらえるようにしたいと考えています。
シマフクロウ舎(仮称)の設計は山場を向かえ、
アフリカ生態園の基本設計もそろそろ始まります。
そういえば「なぜアフリカ生態園なの?」とよく聞かれます。
この計画は旭山動物園開園の昭和42年からある総合動物舎の建て替えです。
総合動物舎は老朽化が激しく、いつ崩れるんだろう…という状態です。
総合動物舎で飼育している動物はエミューを除きすべて棲息地がアフリカです。
ですからアフリカ生態園として引っ越しをするのです。
もちろん動物の充実もはかりますが。
現在まで淡々と続けてきたことと変わりません。
アフリカ生態園が完成すると大型施設の立て替えは終わるのですが、
北海道産動物コーナーなどの職員手作りの施設が危ない状況です。
昨年は野生のエゾクロテンに金網を破られて
コミミズクなどのフクロウが食害にあってしまいました。
補修補修でつないではいるのですが、
サビが激しいのが原因なので根本的な対策にはなっていません。
動物園は、生き物が暮らすのですから、
人の家と同じようになんやかんやと手の掛かるものです。
「いつまで整備を続けるんだ」との声も聞かれますが
「生き物がいるかぎり」と答えざるを得ませんね。
高齢化が進んでいる動物たちもいます。
もうじゅう館のユキヒョウ、ライオン、アムールトラ、ホッキョクグマのコユキ、
開園からいるカバのゴンとザブコ、ワピチ…。
トラのいっちゃんは肝臓の障害が重度になりつつあります
(6月5日に安楽殺。6月6日のしいくにゅーす参照。)
ワピチは食欲元気にムラが出てきています。
カバのザブコは関節の障害が…
彼らは旭山動物園の歴史を僕たちと共に見続けているはずです。
僕たちは彼らから「やる気」エネルギーをもらってきました。
やっぱり新緑の春です。頑張っていきましょう!
シマフクロウ(ゲンチャン画伯)