旭山にゅーす・ぶろぐ

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2019年1月のしいくにゅーすの記事

カバの出産と子の死亡について

 2019年1月22日にカバの旭子が出産しましたが、同日に子が死亡したことをお知らせします。 


カバの親子
カバの親子(1月22日午前11時頃の様子)

【経過】

 2018年4月よりカバの百吉と旭子のペアリングを開始したところ、5月と6月の2回交尾を確認しました。その後は交尾がなかったことから旭子が妊娠した可能性が高いと考え、出産に備えていました。

 予定日は1月下旬から2月上旬と考え、広い寝室に慣れさせ、ビデオ撮影による監視をしていたところ、1月22日の朝9時30分頃に寝室のプールの中で1頭の子を出産しました(カバは通常水の中で出産します)。

 母子ともに元気で、旭子も子を気にする様子が見られました。しかし、子は何度かプールから上がろうとするものの上陸できずプールの中をうろうろしている様子で、旭子も何度か上陸を手伝おうとするものの、上手く出来ずに陸上とプールの中を行ったり来たりという様子でした。

 子の体力が落ち溺死する心配があったため、12時頃にプールの水を抜く作業を開始しました。しかし、すぐに子の息継ぎの間隔が長くなり始め、獣医師が水中にいる子を刺激したところ意識がなかったことからすぐに飼育担当者とプールから引き上げました。

 人工呼吸等によって一時的に呼吸は安定し、保温に努めていましたが、再度呼吸が停止し死亡しました。

 解剖の結果、溺死と診断しました。

 子の性別は雄で体重は25kgでした(カバの新生子の体重は25~50kgであり、特に小さすぎるということはなかったようです)。

 カバは水中で出産子育てをすることから、今回の状況は特に危険なものではありませんでしたが、旭子が初めての出産でやや落ち着きがなく、上手く子に寄り添えなかったこと、子が母親の近くにいない時に、上陸しようとプールの中を泳ぎ続け体力を消耗したことなどが原因と考えています。 


 翌23日の旭子の様子ですが、胎盤などもスムーズに排出され、やや食欲はないものの落ち着いた様子です。数日間は寝室での飼育となり展示は様子を見ながら再開する予定です。

 今後は、旭子、百吉ともにまだ若く相性もよいことから、旭子の体調の回復と時期を見ながら再度ペアリングを行っていく予定です。

 今後とも2頭のカバを暖かく見守っていただけると幸いです。