レッサーパンダの「栃」の死亡について
2019年4月5日にレッサーパンダの「栃(とち)」が死亡しました。
レッサーパンダの「栃」はレッサーパンダ舎にて飼育していましたが、2018~19年の冬期間に数回食欲が低下するなど、年齢による衰えが見られていました。「栃」の体調を見ながら短時間の屋外展示にするなどして飼育していましたが、4月3日より食欲がなくなり、4月5日の朝に死亡を確認しました。
解剖の結果、腹水の貯留と心臓の拡張を認め、心不全(老衰)と診断しました。
「栃」は2001年7月24日広島県安佐動物公園生まれのメスで、2012年3月に山口県徳山動物園から当園で飼育していたオスの「ノノ」との繁殖のためにブリーディングローン(繁殖のための動物の貸し借り)で来園しました。その後、2013年と2014年にそれぞれメス1頭の出産子育てに成功していました(2頭はその後他の園に引っ越しています)。
2015年以降は高齢となったため繁殖は引退し、ペア相手の「ノノ」と暮らしていましたが、2017年に「ノノ」が死亡してからは、他の若い個体とは同居させずに1頭で飼育していました。
レッサーパンダの飼育下での寿命は15~16歳程度であり、「栃」は11歳とやや高齢の時に来園しましたが、当園での繁殖にも成功してくれ、国内の血統維持管理の点でも貢献してくれた個体でした。
当園で飼育しているレッサーパンダはこれでオス3頭、メス5頭の8頭になっています。