チンパンジー「ニコル(メス)」の訃報

最終更新日 2018年6月14日

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チンパンジー「ニコル(メス)」の訃報

チンパンジーニコル
母親の「チロ」に抱かれる「ニコル」

 6月13日にチンパンジーの「ニコル」(3ヶ月)が死亡しました。死亡原因は強い衝撃を頭部に受けた事による「頭蓋骨陥没による脳内出血」でした。

 頭部に受けた衝撃の原因は、群れに所属するオス個体が「ニコル」を抱いていた際、扱いが乱暴になり、「ニコル」の頭部を壁等にぶつけてしまったことによるものと考えられます。

 一般的に母親はこの年齢の子どもを他の個体に預ける事はあまりないのですが、今回はこどもに興味を示していたオスによく渡す行動がみられ、その際何度か、そのオスが子どもを乱暴に扱う行動が観察されていました。

 そのオスはちょうど青年期に入りかけ、子どもに興味を覚えていたこと、体格や性格に変化を迎えはじめ、群れの中で存在感を示しはじめないといけない年になっていたことが、「ニコル」の扱いを手荒にしてしまった原因と考えられます。

 完全に群れと分離することは群れで生活する彼らの関係をより悪化させるため、何度か格子で隔てた部屋で、群れと親子を隔離し、再び同居をさせることでそのオスになじませるよう試み、最近は乱暴に扱う事もほぼ無くなっていたため、様子を観察していた中での事故発生でした。

 チンパンジーの誕生は当園でも3年ぶりのことであり、その成長を楽しみにしていましたが、このようなことになり大変残念でなりません。