あさひばし 平成30年5月号「特集 スクリーンから魅力を発信 映画をまちの力に」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2018年5月15日

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映画「羊と鋼の森」全国公開

旭川で撮影された「羊と鋼の森」

旭川とその近郊で撮影が行われた映画「羊と鋼の森」が、6月8日に全国公開されます。

映画では、旭橋や近文駅、市内の歴史的建造物などを舞台に物語が展開され、旭川の自然や冬の景色がスクリーンを美しく彩ります。こうした映画やドラマなどの撮影の誘致や撮影協力に関する窓口を担当するのが、旭川観光コンベンション協会内にある、旭川地域フィルムコミッション(旭川地域FC)です。市民や市内企業の協力を得て、撮影が円滑に進むよう、様々な支援を行っています。

今回は、監督の思いや、市民の声とともに、映画で発信される旭川地域の魅力を探ります。

映画「羊と鋼の森」のストーリー

主人公・外村(山崎賢人 やまざきけんと)は、高校でピアノ調律師・板鳥(三浦友和 みうらともかず)に出会う。彼が調律した音に、故郷と同じ森の匂いを感じた外村は調律の世界に魅せられ、足を踏み入れる。ときに迷い悩みながらも、先輩調律師・柳(鈴木亮平 すずきりょうへい)など多くの人に支えられ、外村は調律師として、人として成長していく。そして、ピアニストの姉妹・和音(上白石萌音 かみしらいしもね)、由仁(上白石萌歌 かみしらいしもか)との出会いが、外村の人生を変えることに。

キャスト

山崎賢人、鈴木亮平、上白石萌音、上白石萌歌、三浦友和 ほか

原作

宮下奈都(みやしたなつ)『羊と鋼の森』(文藝春秋刊)

市内の公開映画館

  • シネプレックス旭川(永山12の3)
  • ディノスシネマズ旭川(大雪通5)
  • イオンシネマ旭川駅前(宮下通7)

旭川だから表現できた映画の世界観

「羊と鋼の森」の橋本光二郎(はしもとこうじろう)監督に、旭川を撮影地として選んだ理由や、撮影を終えての感想などを聞きました。

橋本光二郎監督

昭和48年東京生まれ。

映画「orangeーオレンジー」で注目される気鋭の監督

旭川を撮影地に選んだ理由は?

主人公が田舎を出て高校生活を送る場所として、候補に挙がった地方都市をロケハン(下見)で回った中で、撮影のための条件を最も満たしていたのが旭川でした。

北の大地の要所として多くの人が集う旭川には、文化的地盤があり、洋風建築が多く残っています。ここでなら、この物語のもう1つの主役である「ピアノ」が、人々に愛され息づいてきたという説得力を持つと感じました。「江藤楽器店」として使用した建物は映画の世界観の根底をなす場所だったので、一番印象的です。

撮影を終えての感想は?

大変、撮影しやすかったです。東京などでは、音や住民の苦情など様々な制約がありますが、旭川では、撮影をしている我々を温かく見守ってくれていると感じました。旭川は初めてでしたが、冬の撮影は思ったとおり寒かった!ただ、僕の中でイメージしていた映画の「真っ白い雪の世界。音までが閉ざされた中で、ただピアノの音だけが鳴り響く」という世界観にぴったりでした。

また、旭川地域FCの助けなしでは、今回の撮影は成り立たなかった。同じスタッフとして、映画を面白くするために力を尽くす姿が頼もしく、同じ目線で映画づくりをしてくれるのがうれしかったです。

撮影以外での旭川の印象は?

おいしい物が多く、ジンギスカンや、豚カツのおいしさには驚きました。それと、旭山動物園!ペンギンの散歩に、自分が熱狂するとは思ってもみませんでした。アイヌの博物館では、多様な文化を感じられて興味深かったです。旭川は、都市部の便利さがありながら少し足を延ばせば自然を多く感じられる、とてもバランスの良いまちだと思いました。

市民へのメッセージを

今回の撮影では、旭川の土地の力、そしてそこに暮らす人々の力があったからこそ成り立つことが多くありました。お借りした力をちゃんとした形でお返しするために、精一杯の気持ちを込めて映画を完成させました。映画を見た皆さんに、この映画の舞台が旭川であることを誇りに思っていただければ、大変うれしいです。

ロケ地として登場した場所

  • 21世紀の森
  • 旭橋
  • 近文駅
  • 江藤楽器店として使用された建物
  • 大雪クリスタルホール中庭
  • 星野リゾート OMO7 旭川(改装したため、撮影時と異なります)

ロケ地マップ配布中!

配布場所 旭川観光物産情報センター(旭川駅東側)、市内の映画館ほか

旭川で培った技術で世界に挑戦

レイブプロジェクト代表 請川博一(うけがわひろいち)さんに話を聞きました。

ドローン撮影の第一人者として

「羊と鋼の森」のワンシーン、森の中にバスが入って行く映像を上空から撮影したのは、旭川を拠点に活躍する請川博一さん。請川さんは、日本のドローン撮影の第一人者として、多くの映画やドラマ、CMの撮影で活躍。「超絶景を撮るカメラマン」としてNHKで特集されるなど全国で注目されています。ドローンとは、無人で遠隔操作を行う航空機全般のことです。請川さんが操縦するのは正確にはマルチコプターと呼ばれるもので、機体にカメラを装着して撮影します。上空からの撮影で使われるセスナ機やヘリコプターと違って、ドローンは機動力があるので、天候が変化する直前に急上昇したり動くものに急接近したりするなど、狙った瞬間を逃さず捉えることができます。だからこそ、卓越した操縦技術が求められるのです。

旭川をドローン技術のメッカに

現在、国内には、ドローン撮影を行う業者は約2万社といわれますが、「請川さんでなければ」との撮影依頼は引きも切らず、私たちがよく知っている映画やCMの多くのシーンを撮影しています。「撮影技術は誰にも負けない自信がある」と言う請川さんが今、見据えているのは映画の中心地・アメリカのハリウッド。「ダイナミックな映像作品を多く製作しているハリウッドで自分の技術を試し、そこでの経験を日本の撮影現場に反映したい」と話します。

旭川空港を飛び立つ飛行機を見るのが大好きだった請川さんは、パイロットに憧れる少年でした。空への夢はやがてラジコン飛行機に向けられ、市内の河川敷で腕を磨き、ドローンに出合いました。請川さんは「河川敷が多い旭川は、ドローン操縦を学ぶのに最適なまち。映画やCMだけでなく、農薬の散布など農業にも役立つ、ドローン技術のメッカになれる可能性があります」と力説します。

私たちも映画づくりに参加

俳優さんに調律を指導しました(水野ピアノ調律事務所の調律師・水野靖久(みずのやすひさ)さん)

日本ピアノ調律師協会が協力し、旭川の会員の中から私が指導を担当することになりました。調律師役の俳優の皆さんは、学んだ所作や調律技術を見事に演技に反映してくださり、映画の試写を見て、調律師としてさまになっていると安心しました。撮影は早朝から深夜までとハードでしたが、楽しく貴重な体験でした

毎日食事を提供しました(デイナーフーズ代表 堂之下賀也(どうのしたよしなり)さん)

宿泊先やロケ現場に弁当を運びました。冬の撮影では、出演者やスタッフの体が温まるように、その場で調理するケ

ータリングで温かいそばやスープなどを提供し、とても喜ばれました。映画やCMなど、

毎年10本程度の市内近郊のロケ現場に弁当を提供しています。旭川に良い印象を持ってもらえればうれしいです

市民エキストラとして出演しました(モデルとして活動する蒼井梨華(あおいりか)さん)

旭川地域FCに登録していると、旭川や近郊での撮影でエキストラ募集があると案内がきます。エキストラは、普段通りに行動することが重要で、特別な演技をする必要はありません。撮影の現場では、たった数分のために、時間をかけて最高の作品を作っていく過程にとても感動しました。これからも協力したいです

映画やドラマで地域の魅力を発信

ヒットで大きな知名度アップに

旭川で映画などの撮影を誘致し、撮影が決まると全面的に協力するのが旭川地域FCです。撮影が行われ、作品がヒットすると、まちに経済効果やイメージアップをもたらし、地域振興につながります。そのため、現在、全国で300余りのFCが活動しています。

旭川観光コンベンション協会 旭川地域FC担当の森崎真美恵(もりさきまみえ)さんに話を聞きました。

FCの仕事は?

まずロケ地の紹介です。「羊と鋼の森」では、「真っ白い雪の世界、樹齢を重ねた樹木のある森」という要望に、21世紀の森などを紹介し、ロケハンにも同行しました。ロケ地が決まると撮影許可を取り、撮影隊に宿泊・食事に関する情報を提供します。ロケが始まると、主にロケ現場を仕切る製作部の支援として、現場の警備やロケ関係車両の運転など、様々なことを手伝います。映画公開時には、積極的に映画をPRします。

ロケ地としての旭川の利点は?

「まち」から「自然」まで、コンパクトな中で四季折々の撮影ができ、近郊の町村にも色々なロケ地があること。撮影隊の本拠地である東京から飛行機で1時間40分で移動ができること。質の高い飲食・宿泊を供給できることなど、快適な撮影を支援できる条件がそろっていることです。今回の撮影期間中も、人気俳優さんは他の仕事のために旭川空港を利用して何度も旭川と東京を行き来しました。食べ物も好評で、山﨑賢人さんはラーメン、鈴木亮平さんはジンギスカンがお気に召したようでした。

エキストラ募集

映画やドラマ等の撮影に、エキストラとして参加してみませんか。旭川地域FCへの登録は、旭川観光コンベンション協会のページ(新しいウインドウが開きます)から行うことができます

「ドライブマップ」でロケ地巡り!

道北エリアで撮影が行われた映画やドラマのロケ地を紹介しています

配布場所 旭川観光物産情報センター(旭川駅東側)、旭川総合観光情報センター(5の7)ほか


旭川には「絵になる」美しい四季折々の風景や街並みがあり、映画を支える市民の協力や優れた技術があります。市では、旭川地域FCと協力して今後も映画やドラマの撮影を支援し、旭川地域の魅力を発信していきます。

【詳細】観光課 電話0166‐25‐7168、旭川観光コンベンション協会 電話0166‐23‐0090

お問い合わせ先

旭川市総合政策部広報広聴課広報係

〒070-8525 旭川市7条通9丁目 総合庁舎6階
電話番号: 0166-25-5370
ファクス番号: 0166-24-7833
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