あさひばし 平成30年3月号「トークセッション開催 光るアイデア表現する仕事を選んだ人たち」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2018年3月15日

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1月に旭川西高校で、在校生が将来の職業を考えるきっかけとなるよう、同校の卒業生が仕事について講演する「鈴蘭塾(すずらんじゅく)」が開かれ、トークセッションとワークショップが行われました。テーマは「表現するプロたち」。現在、様々な分野で活躍している5人が、高校時代の思い出や仕事のやりがいなどを話しました。

トークセッションには、旭川西高校の1・2年生が授業の一環として全員参加。質疑応答も行われました。内容の一部を要約して紹介します。

コピーライター 鈴木敏朗(すずきとしろう)さん

大学卒業後、コピーライター、クリエイティブディレクターとして、多くの企業の広告制作に携わる。朝日広告賞や毎日広告賞などの受賞多数

独創性を磨く努力を

大学3年生のときに、マスコミ志望者向けの講座で書いたコントが一千以上の作品の中から最優秀賞に選ばれたのをきっかけに、コピーライターを志しました。

コピーライターは、アーティストではなく、クライアントの思いに応えるのが仕事。1つの商品が誕生するまでには、技術者や製造者、営業担当者など多くの人が関わります。私は最後にバトンを受け取り、商品に込められた様々な思いを広告という形にして提案しています。広告が影響して商品が売れたときに、この仕事の面白さを感じます。

平和通買物公園が当時の市長の発案から誕生したように、全てのことは、たった一人のアイデアから生まれています。皆さんも独創性を持とうとし続ければ、きっと面白い展開が待っています。

建築設計家 小林達夫(こばやしたつお)さん

都市施設・商業施設のトータルプランナーとして、企画・基本・実施設計に携わる。池袋西口の地下街や札幌エスタなどの設計も担当

スケッチを大切に

高校3年生のときに建築家を志し、大学卒業後に設計事務所に入社して旭川エスタ(現在は閉店)の設計にも携わりました。建物は生き物です。ですから、完成後に、人に利用されて何十年もかけて育っていきます。建築家は建物や都市を通して、人と関わる仕事だと言えますね。制約がある中で、ものを作り出すのは苦しいですが、その分、建物が利用される瞬間の喜びは大きいです。

ものづくりに大切なのは常にアンテナを張って、色々なことに興味を持つことです。感性に触れるものを、まずは自分の手でスケッチをすると、そのものの細部まで染み付いていきます。例えるなら、皆さんは白いキャンバスです。何を描くのかは自由。ぜひ、自分だけのキャンバスに傑作を描いていってほしいです。

洋菓子研究 加藤千恵(かとうちえ)さん

短期大学を卒業後、客室乗務員に。退職してフランスやドイツで製菓を学んだ後、お菓子教室を主宰。著書は80冊以上

高校時代に気付いたこと

高校生のときに生徒会役員として、先輩や先生方と関わりながら様々な活動に取り組む中で、将来は人と関わる仕事をしたいと思うようになりました。

私の仕事は、お菓子をどう食べてもらうかをトータル的にお伝えすることです。私自身、中学生のときに家族で楽しくケーキを作って食べたり、客室乗務員として行った海外の優雅なホテルでお菓子を味わったときに、一層おいしく感じたりした経験があり、お菓子のおいしさを決めるのは味や作り方だけではなく、食べる場所の雰囲気づくりなども大切だと考えています。

主宰するお菓子教室では、子供のためのおやつや友人へのお土産など、食べてもらう相手や場面に合ったお菓子のレシピを考案し、教えています。生徒たちに喜んでもらえるのが、私のやりがいです。

映画監督 白石和彌(しらいしかずや)さん

助監督として多くの映画制作に携わった後、監督となり、数々の映画賞を受賞。昨年公開の「彼女がその名を知らない鳥たち」でブルーリボン賞監督賞受賞

みんなで作り上げる楽しさ

高校時代の学校祭で、役割を決めて共同で1つのものを作っていくのが楽しく、達成感もあったので、将来はこのような仕事をしたいと思いました。映画は、200人以上のスタッフとコミュニケーションを取りながら作り上げていくので、学校祭と似ていますね。どうすればなれるのか分からない職業ほど、自分でよく調べますから、たどり着きやすいと思います。

自分としては、映画の完成度はいつも20から30%です。でも、「もう少しこうしていれば」という気持ちが、次の作品づくりにつながっています。悔いが残ることも表現することの面白さです。これからの目標は、旭川を舞台にした映画を撮ること。西高も使いたいですね。心技体が充実している40歳代のうちに、実現できればと思っています。

映画録音技師 浦田和治(うらたともはる)さん

昭和51年に公開された映画の録音を初担当。その後、多くの映画制作に携わる。白石和彌監督の映画には、デビュー作を含め4作品を担当

好きなことを追求しよう

高校時代は、部活動はせず、映画ばかり見ていました。京都の大学に通っているときに演劇と出合い、好きな音楽の分野で関われないかと思って、今の仕事に就きました。荷物持ちから始め、当初は給料も安かったですね。

たくさんの人が関わる映画制作の中で大事なのは、自分の意見を出していくことです。共同作品は、一人一人が意見を持っていないと作ることができません。それぞれの意見を合わせて1本の映画を仕上げていく過程には、何とも言えない楽しさがあります。

「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが、好きなことを続ければ必ずスキルアップしていきます。皆さんも、失敗を恐れずに頑張ってほしいです。

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